マッツ・ミケルセン(『ハンニバル』)の兄であり、『SHERLOCK/シャーロック』『THE KILLING/キリング』といった作品でドラマファンにおなじみのラース・ミケルセン。彼が出演したデンマークの最新映画『獣は月夜に夢を見る』が4月16日より公開される。
『SHERLOCK』でシャーロックをも翻弄する悪役チャールズ・アウグストゥス・マグヌセンを演じ、『THE KILLING/キリング』では女性刑事サラ・ルンドに少女殺しの疑いをかけられる市議会議員トロールス・ハートマンに扮したラース。それぞれ一癖も二癖もある役柄が特徴だが、今回の『獣は月夜に夢を見る』では家族想いの父親という普通の男...と思いきや、ある秘密を隠しながら一家の長として家族を支える複雑な役柄を演じきった。
本作は、第67回カンヌ映画祭の批評家週間で称賛を浴びた北欧ミステリー。閉ざされた村で、父と病気の母とともに暮らす主人公マリーの身体に奇妙な変化が起こるところから物語は始まる。村人から疎外され孤独なマリーは、村人や父が母の病のことを教えてくれないため、身体の異変と母の病気について自ら調べ始める。しかし、そこには決して抗えない哀しい秘密が隠されていた...。ミステリーに定評のある北欧作品だけに、壮大な自然の中での独特の映像美と怪しい雰囲気を醸し出しながら、観る者に強い印象を与える。ラースは母娘の秘密を知っているものの、運命に抗うかのように苦悩する父という役柄で、これまでのキャリアすべてをぶつけたかのような演技に注目だ。
監督は、ラース・フォン・トリアーの『奇跡の海』と『ダンサー・イン・ザ・ダーク』に美術アシスタントとして参加し、本作が初長編作品となるヨナス・アレクサンダー・アーンビー。本作でアテネ国際映画祭最優秀監督賞に輝いている。ラースのほかにも、本作がデビューとは思えないほどの存在感を示したマリー役のソニア・ズー、ベルリン国際映画祭でシューティング・スター賞を受賞したダニエル役の若手ヤーコブ・オフテブロなど、北欧の才能ある俳優が集結。デンマーク映画批評家協会賞、キャメリメージ映画祭などで最優秀撮影賞を数多く受賞した独創的な映像世界で描かれる、恐ろしくも美しく儚いノルディック・ミステリーだ。
『獣は月夜に夢を見る』は、4月16日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次ロードショー。(海外ドラマNAVI)
Photo:ラース・ミケルセン(『獣は月夜に夢を見る』)