英人気コメディドラマ『ミスター・ビーン』の主役で知られるローワン・アトキンソンが、英ITVの新作ドラマ『Maigret(原題)』で、ジュール・メグレ警視を演じることはすでにお伝えしたが、実はローワンは同役を一度断っていたのだという。英Digital Spyが伝えた。
ローワンは、「メグレを演じることができるか、本当に分からなかった」と、小説家ジョルジュ・シムノンが描いた有名なフランス人刑事を演じることに不安を抱いていたことを明かした。「現代のドラマでは控えめで自然なものが求められているが、これまで私が演じてきた役は控えめでも自然でもなかったんだよ! (1980年代に演じた)ブラックアダーは控えめなキャラクターだったけど、独特な台詞が持ち味だったからね。でも、今回の役にはそういう屈折した部分がなかった。それで、僕が演じるには難しいと分かったんだよ」と述べた。
そうやって一度は諦めた役に再び挑戦した理由について、「一度は演じられると思えた役に別れを告げることはできるだけしたくなかった。そう思う理由の一つは、コミカルな役では得ることのできない尊敬の念を、シリアスな役でなら手にできるかもしれないからだよ。コメディがアートの世界で馬鹿にされていることが不思議でならないんだ。コメディがお金を稼ぐためにおならをしているだけというイメージなのに対して、シリアスな役を演じると"これこそが演技だ! 君は意味のあることをしているんだ"と思われるなんてね。芸術とは、笑うものではなくお金を稼ぐ種類のものでもないと思っている人々がいる。そういう人に反抗したかったんだ」と、ローワンは説明している。
ローワンが新境地開拓に挑んだ『Maigret』シリーズは、「Maigret Sets a Trap」と「Maigret"s Dead Man」の2話が制作されている。(海外ドラマNAVI)
Photo:ローワン・アトキンソン(C) ZUMA Press/amanaimages