『Empire 成功の代償』nobodyknows+のクリスタルボーイさんに直撃インタビュー!

『プレシャス』のリー・ダニエルズ監督と『24 -TWENTY FOUR-』の製作者ブライアン・グレイザーがタッグを組み、音楽業界の裏側を舞台に一族の熾烈な相続争いをスキャンダラスに描く『Empire 成功の代償』。3月16日(水)、そのシーズン2に声優としてゲスト出演されたnobodyknows+のクリスタルボーイさんに直撃インタビュー! 声優初挑戦の感想や本作に対する熱い思いなどを語っていただきました。

 

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――本作出演のお話を聞いていかがでしたか?

僕なんかでいいんかな、と。自分にそういう話が来るとは全く思っていなかったですね。

――出演されることになった経緯は?

もともとはFOXの鈴木さんという方がDVDを送ってきてくれて、ヒップホップの人間から見てこのドラマはリアリティがあるかを教えてほしい、と頼まれたんです。それで見始めたらメチャメチャ面白くてイッキ見して、「メチャメチャ面白いです」って伝えたんですね。その後、吹替えにどのアーティストを起用するかということで、「日本のラッパーでこんな面白い奴がいますよ」という感じでいろいろと鈴木さんの相談に乗っていたら、「出てよ」と言われて、「僕ですか?」と(笑)

――つまり、もともとはアドバイザーをやられていた、と。

そうですね。「こういうラッパーがキャラが似てますよ」といったことを話してたんですけど。

――そうやって声を当てた方の役柄について聞かせていただけますか? シャーラメイン・ザ・ゴッドというDJだそうですが。

いや、まだ話をちゃんと見ていないんで僕もそれを聞きたいですね。嫌な奴だな、と思いながら声を当ててたんですけど(笑)

 

――初挑戦という吹替え、いかがでしたか?

ラップを20年くらいやっているんで、マイクの前に立ったりレコーディングに臨んだりっていうことはもう余裕だと思ってたんですけど、すごい違う世界があるんだなあと。緊張しましたけど、ムチャクチャ楽しかったですね。感情の出し方っていうところで、また違う表現方法があるんだと気づかされました。結構、字幕で見ちゃうタイプだったんですけど、これからはドラマや映画の見方も変わりそうです。

――今回の吹替えは、クリスタルボーイさんが慣れ親しまれているヒップホップ調のセリフでしたが、ご自身の言葉ではなく他の人の言葉を喋ることで、いつもと勝手が違うということはありましたか?

いや、大丈夫でした。

――シャーラメイン・ザ・ゴッドが喋りながら手などを動かしていて、クリスタルボーイさんも同じように体を動かしながら吹替えられていましたが、その方がやはりやりやすかったですか?

ラップ癖で、人よりジェスチャーがあるかもしれませんね。自分では気づいていなかったです。結構ありました?

――そうですね。まるで相手の方とリンクしているような感じで。

へー、そうだったんですね。

――声優をやってみて難しかった点は?

文脈が変わる箇所でブレス(間)を入れたりといった、すごく細かい点まで気を配るところは大変でしたね。あと、「黒人だっけ?」っていうセリフがあるんですけど、そこは原語だと「black」なので時間にして一瞬なんですね。でも、日本語で言うのだとどうしてももっと時間がかかってしまうので、そうした言葉の違いによるテンポの差を調節するのは難しかったです。

 

――本作は音楽業界が舞台ですが、ご自身の業界と比べて似ているところ、似ていない点は?

本当にリアルな音楽業界を描いていると思います。今はもうCDは売れないから、これからは配信に力を入れていこうっていう的を得た話をしていたりとか、この業界の情勢をしっかりととらえていますね。

――業界が非常に華やかなものとして描かれていますが、ご自身の知っている世界も同じですか?

僕も、華やかなことは一通り経験しました(笑) でも本当に、男の野望というか、こういう話は面白いですね。

――ちなみに、ここは全然違うなっていう点はありましたか?

いや、結構似てますね。すごく緻密にできているなと思いました。

――ということは、このドラマを見ている人たちは、クリスタルボーイさんの世界もこういう感じなんだなと思って大丈夫ということでしょうか?

はい。

――本作のサウンドトラックは、全米第1位を記録するほどの大ヒットとなっています。そんな音楽に対してはどんな印象を持たれましたか?

最初はさらっと見ていたんですけど、ラップも歌のクオリティもすげえなって思って。それでクレジットを見たら(大物プロデューサーの)ティンバランドってあって、「カッコイイはずだわ」ってすごく納得しました。それが分かってからは、曲のシーンが出てくるのが楽しみで、本当にうまいなと思いながら見てます。トラックもかっこよくて、タイムラグ間違えてクラブとかでかかっちゃいそうな感じさえしますね。

――そんな本作のストーリーや音楽からご自身もインスピレーションを得られそうでしょうか?

そうですね。面白いです。対訳の感じも良くて、ラップの歌詞をいかにもラップっぽく訳すと不自然になることがあるんですけど、この作品の場合はスッと耳に入ってくる翻訳で、自然に聞けますね。

 

――セレクトショップ「BPM」を運営されているクリスタルボーイさんは、ファッションに高い関心をお持ちだと思いますが、本作のファッションについてはどう思われましたか?

ファッションブランドを持っているという設定の割には少し地味かと思いましたね。三男のハキームが派手な格好をしている時は面白いですけど。ブランドの話は本編の中にあまり出てこないので、もう少しその記述があったらなお楽しいです。

――本編はイッキ見するほど面白かったそうですが、それについてもう少し聞かせていただけますか?

僕はもともと『ハッスル&フロウ』というヒップホップ映画が大好きでDVDも持ってるんですけど、その主演のテレンス・ハワードが出てるっていう時点で、大概のヒップホップ好きは見るでしょうね。おまけにこの内容で。(有名アーティスト兼プロデューサーの)JAY-Zのことを引用している感じとか、誰が見ても好きだと思います。僕自身、見た時に興奮して鈴木さんにすぐ電話したくらいなんで。

――では、お気に入りはそのテレンス演じる父親のルシウスですか?

でも、次男のジャマルとかも歌とか...メチャクチャうまいですよね。彼はちょっと(人気アーティストの)ファレル・ウィリアムスっぽい雰囲気なのにゲイだったりとか、それぞれのキャラクター設定が絶妙でこの先も楽しみです。ただ、僕は実は乙女系なんで、『ゴシップガール』とか『SEX AND THE CITY』が大好きなんですけど、それと同じで、この人たちもこれからだんだん性格が悪くなっていくんでしょうね(笑)

 

『Empire 成功の代償』は、シーズン1が本日4月2日(土)よりDVDリリース。クリスタルボーイさんが声優として参加したシーズン2は、7月2日(土)リリースとなる。また、サウンドトラックは3月30日(水)より発売中。

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