『THE FLASH/フラッシュ<セカンド・シーズン>』キングシャーク役のなだぎ武インタビュー

"地上最速のスーパーヒーロー"が活躍する米CWの人気ヒーロードラマ『THE FLASH/フラッシュ<セカンド・シーズン>』でヴィランのキングシャーク(声:デヴィッド・ヘイター)役を担当するなだぎ武さん。アメコミ通で知られるが、今作でアメコミ吹き替え出演デビューとなった感想や、作品の見どころなどを語ってもらった。

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――よしもとアメコミリーグを主宰するなど、芸能界一のアメコミ王のなだぎさんが、ついにアメコミ作品での吹き替えご出演を果たしましたが、いかがでしたか?

いや、もう感無量と言いますか、ようやくこの感動を味わうことができたと、喜びに浸っております。アメコミリーグのメンバーも、まるで自分のことのように、本当に喜んでくれているんですよ。ただ同時に、「次は俺だ」と虎視眈々と狙っている感じはしますけどね。

――初のアメコミ出演作が、『THE FLASH/フラッシュ』で、ヴィランのキングシャークという役柄でしたが、もともとご存じのキャラクターでしたか? 演じられたキャラクターについて教えてください。

キングシャークは、スーサイド・スクワッドのメンバーでもあるので、一応知ってはいました。鮫のヴィランって結構アメコミに登場するんですよね。イケイケドンドンのキャラクターなんだなってことくらいは、把握していました。まさか自分が演じることになるとは思いもよりませんでした。フラッシュに出てくるほかのヴィランと同様、血の気が多くて、まぁ~、凶悪なんですよ。僕は普段なかなか怒ることはないので、何でこの凶暴な役に選ばれたかなと考えてみたんですけど、やっぱり「骨格か!」と思いまして。エラの部分が功を奏したのかなと。今は、なんかすごく愛おしく思えますね、このキングシャークの顔が。

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――海外ドラマの吹き替えネタで大ブレイクし、バリー・アレンのモノマネはもちろん、海外ドラマ的な演技力に定評があるなだぎさんですが、今回初めてヴィランを演じるにあたり特別に練習や準備されたことはありますか?

凶暴なヴィランなので、「殺す!」とか「あいつは何処だ!」とか「全員殺してやる!!」とか、残忍な単語が多いんですよね。僕の周りでそういう言葉を使う人がいないので、探し当てたところ、唯一ハリウッドザコシショウがいたんです。ネタの中で「殺す」とか言っているので、とにかく、ザコシショウのネタをよく見ましたね。凶暴な意識やそういう言葉を自分の中に植え付けて、自然にセリフが出てくるようにと思いながら、ザコシショウを見てきました。

――光速を超える地球上最速のヒーロー・フラッシュとの戦いを終えたばかりですが、戦いのご感想は?

登場シーンは「これがキングシャークか!」と思うほど、迫力があって、凶暴で厳ついヴィランなんですけど、意外にあっさりやられるんですよ。意外にあっさりと戦いが終わったなって印象でしたね。

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――初アメコミ作品、初ヴィラン役の吹き替え出演。ズバリ出来栄えを100点満点で言うと?

いや、ものすごい緊張感と嬉しさとドキドキ感だったので、今は感慨に浸る間もなく、ただただ「終わったなあ。これで良かったのかなあ?」という感じで、分からないですね。完成した映像を観て、改めて考えます。

――なだぎさんは以前よりイベントにコスプレでご登場いただいたりと、作品とは切っても切れない存在であり、芸能界一のフラッシュ通とも言えると思いますが、フラッシュというヒーローの魅力は?

主役のバリー・アレンですね。「フラッシュ」って特別なスーパーパワーがあるのかというと、そうでもないんですよ。ただ、速いだけのヒーロー。だから弱点として、"地べたが滑る"とか、"ロープに引っ掛けられてコケる"とか、そういうのを仕掛けられると「なにすんねん!」って、なっちゃうんですよね。ヒーローなんだけど、ギリギリの所で生きている。たくさん悩むし、ネガティブにもなるし、人間らしさがあるんです。スーパーパワーがない分、スピードをどう活かしたら悪を倒せるのか、すごいアイデアで勝負していくので、そのあたりの心理戦も面白いです。ただ単にスーパーヒーローが悪に勝つだけではなく、スーパーヒーローなのに人間らしくて親しみやすい、そこに面白さがありますよね。時空を超える光速スピードを出すために、日々ランニングマシーンでトレーニングしてるんだ~とかね。

――アメコミドラマには、ヒーローを支えるサブキャラの存在が欠かせません。『THE FLASH/フラッシュ』でも魅力的キャラクターが出てますよね。お気に入りはいますか?

スター・ラボの研究員シスコはお気に入りのキャラクターで、よくアメコミリーグのメンバーとも話題にしますけど、やっぱりリバースフラッシュですね。原作でも象徴的なキャラクターとして描かれているので、ドラマではどう登場するのか、楽しみにしていました。

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――DCコミックス作品も、『ARROW/アロー』や『SUPERGIRL/スーパーガール』『レジェンド・オブ・トゥモロー』など、続々と日本上陸を果たし、バットマン、スーパーマン以外のヒーローも徐々に知られるようになってきました。キングシャークとして、次に戦いたいヒーローは?

誰だろうなあ~。キングシャークは、とにかく傍若無人でむちゃくちゃな奴なので、対抗するならば「ミニッツメン」のコメディアンですかねえ。『ウォッチメン』に出てくる「ミニッツメン」というヒーローチームがいて、その中にいる奴なんですよ。皆さん、知ってますかね? こいつがまた、傍若無人でむちゃくちゃな奴なんですよ。同じチームにシルクスペクターというマリリン・モンローみたいなキャラクターがいるんですけど、仲間だろうが女性だろうがお構いなしで、ボコボコにしばいたりするんですよ。そいつと血の気の多い戦いをやりたいなって思いますね。名前はコメディアンなんですけど、とにかくむちゃくちゃな奴なんですよ。

――今回演じられたキングシャークはもちろん、9月公開の『スーサイド・スクワッド』など、DCコミックス作品は魅力的なヴィランたちが人気です。もし自分がヒーローだったとしたら、一番戦いたくないヴィランは?

いや、もうジョーカーじゃないですか。やっぱり、何しよるか分からないですよ、アイツは。一回勝負ついても根に持つタイプなんで、どこで攻撃してくるか分からないという不安はありますよね。むちゃくちゃな奴なので。DCコミックスの中でも、ヴィランの象徴たるキャラクターですけど、やっぱりジョーカーは厄介だなって印象がありますね。

――DCコミックスの中でお気に入りのキャラクターはいますか?

紅一点のハーレイ・クインですね。今非常に気になっている映画『スーサイド・スクワッド』でも、ハーレイ・クイン、存在感がありますよね。ウィル・スミスが演じるデッドショットとの恋バナ的要素も散りばめられてると噂を聞いたので、「あれ? ジョーカーの彼女だったのに、そっちに乗り換えるの?」みたいなことも楽しみです。

DCキャラクターは、これからどんどんくるぞ!というワクワク感がありますよね。『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』も、むちゃくちゃ面白かったです。ワンダーウーマンがむちゃくちゃカッコ良かったですね。あれには、やられました!これがジャスティス・リーグに繋がっていくんだなという、序章的な作品だったので、アクアマンとかDCキャラクターが、今後どう絡んでくるのか、楽しみにしています。

――ところで、なだぎさんが一番好きなヒーローは?

一番初めに「あ、カッコいいな」という感じで、好きになったヒーローは『スパイダーマン』ですね。子どものころに東映がスパイダーマンのアニメを放送していて、そこからハマったんです。でも、アメコミが好きになったキッカケはね、TV放送していた『超人ハルク』のドラマなんですよ。小学5、6年くらいの時、ドラマを見ては、クラスの友達とハルクごっこをやっていました。

その時からです、アメリカのドラマを見始めるようになったのは。当時、『奥様は魔女』とかも見てましたよ。あんな雰囲気のアメリカのホームドラマコメディは日本ではあまりなかったので、演出や吹き替えのセリフ、そしてリアクションが面白いなと思いながら見てましたね。その頃から、モノマネをしたりしていました。

――幅広いジャンルの海外ドラマがお好きとのことですが、特にお気に入りを挙げるとしたら?

僕は基本的に食わず嫌いをしないので、とりあえず気になったものは目を通していこうかなという感じですね。とはいえ、最近、アメコミドラマがすごいですよね。映画顔負けってくらいのお金の掛け方と、脚本や映像の素晴らしさ、「これがドラマなのか!?」と思うくらいの、高クオリティで本当にビックリしますよね。アメコミを全然知らない人でも楽しめるように制作されているので、素晴らしいと思います。僕自身も、アメコミという括りなしで、素直にドラマとして楽しいから見てみて、っておススメしやすくなりました。『GOTHAM/ゴッサム』や『ARROW/アロー』もそうですけど、『THE FLASH/フラッシュ』も純粋にドラマとして面白いので見てほしいですね。

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――最後に、改めて『THE FLASH/フラッシュ』というドラマの魅力と、8月24日(水)からDVDレンタル/デジタルレンタル開始になる<セカンド・シーズン>の見どころをお願いいたします。

アメコミの括りを排除しても素直に楽しめる作品なので、ふらっと喫茶店に入るくらいの気持ちで見始めてほしいですね。そうすれば、まさに『THE FLASH/フラッシュ』、面白さが加速して止まらないですから。

アメリカのドラマは、毎回毎回、「え! 次どうなんやろう」っていうラストの惹きつけがあるんですよ。脚本や演出が素晴らしいという証拠なんだと思うんですけど、「寝なあかん! でも、まあ明日の仕事は寝ずに行っても大丈夫か...」てな具合につい見てしまう、次から次へと紡がれていく『THE FLASH/フラッシュ』の面白さを、ぜひ体感していただきたいですね。そして是非とも、キングシャークに注目してほしいですね。

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■『THE FLASH / フラッシュ<セカンド・シーズン>』商品情報
8月24日(水)DVDレンタル開始
9月14日(水)コンプリート・ボックス発売:ブルーレイ...16,200円+税、DVD...14,300円+税
       デジタル配信開始
発売・販売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント

Photo:『THE FLASH / フラッシュ<セカンド・シーズン>』、なだぎ武さん
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