英BBCが「ミステリーの女王」アガサ・クリスティの7作品を映像化

英BBCが"ミステリーの女王"と呼ばれる推理作家アガサ・クリスティの短編小説「検察側の証人」をドラマ化することは以前お伝えしたが、このほど、今後4年間で新たに7本のクリスティ作品が映像化されることが明らかとなった。同局では2015年、クリスティ原作の「そして誰もいなくなった」のドラマ版が3部作として放送されると、800万人の視聴数を獲得して大成功を収めていた。米Varietyが報じている。

これから放送される7本のうち最初の1本は、1950年代に発表された長編小説「無実はさいなむ」になるようだ。脚本は、「そして誰もいなくなった」のドラマ版を手掛けたサラ・フェルプスが担当する。同作は、金持ちの女性が問題児の息子に自宅で殺されたという過去を抱えていたある家族の元に、すでに死刑となったその息子のアリバイを証明する男性が訪れたことで、残された家族たちが真犯人は誰なのかと、お互いを疑い始めるという心理劇。原作者が、お気に入りの作品の一つとして挙げていたという。

残るラインナップとしてすでに判明している作品は、エジプトの古代都市を舞台にした異色の長編小説「死が最後にやってくる」と、ベルギーの名探偵エルキュール・ポワロが不可解な連続殺人を追う名作「ABC殺人事件」。

7本のドラマ化について、BBCの番組編成責任者であるシャーロット・ムーアは「アガサ・クリスティとの特別な関係を引き続き保っていくことになりました。彼女の小説を現代の視聴者のために新たにアレンジして蘇らせるという試みによって、年齢を問わず喜んでいただけるような質の高い作品が出来上がるでしょう」と自信をのぞかせている。

先日には、ベン・アフレックが「検察側の証人」を映画としてリメイクすることも報じられていた。今後、クリスティの作品がテレビ、映画館の両方でファンを楽しませることになりそうだ。(海外ドラマNAVI)

Photo:クリスティ作品として人気の『名探偵ポワロ』(英ITV)
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