不安症を患っていた『ARROW』コルトン・ヘインズ、助けを求めることの大切さを語る

大人気アメコミヒーロー・アクションドラマ『ARROW/アロー』で、アーセナルことロイ・ハーパーを演じたコルトン・ヘインズ。今年5月に同性愛者であることをカミングアウトした彼が、心の問題と向き合う人たちに対し、一人で抱えないでほしいと訴えた。

Paperに手記を寄せたコルトンは、その中でかつて精神的に病み、辛い時期を過ごしていたことを綴った。

2014年11月当時、『ARROW』の撮影のためバンクーバーに滞在していた彼は、夕方に仕事が終われば出かけることなく、まっすぐ帰宅していたという。しかし、自宅にいても快適さを感じることはなく、まるで"要塞"のようにさえ思えていたといい、ひたすらYouTubeの動画を見て過ごしていたようだ。家でも心が落ち着くことはなかったコルトンは、「寝ても5時間で起きてしまう。寝る前に飲むワインのボトルの底には僕が持っていた大量の薬があるだろう。手や足の感覚がなくなるようになって、なんでこんなことになったんだろうと考えたけど、ずっと飲み続けてきた薬とアルコールのせいだった。僕は5時間同じ場所に座り続けていたことにさえ気づかず、足に血液が回っていなかった」と、心身に支障が出るほど薬やお酒を飲んでいたことを明かしていた。「昔の自分に戻りたかった。以前は外に出ることも、家族や友達と話すことも好きだった」

次第に人の集まる場所に出る勇気を持てなくなったコルトンは、広場恐怖症になり、食事も仕事で外に出る時だけ簡単に摂っていたという。「僕は自分のカバーじゃない。感情や愛であふれているし、もう一度表現できるようになりたい」と悲痛な叫びを書き残し、「初めて海の向こうで仕事を始めたこと、初めて自分の番組を持てたことも思い返せるし、その時の自分がどんなに幸せで前向きだったかを思い出すんだ」と、『ARROW』に出演できたことがどれほど嬉しかったかも綴っている。

そして2016年現在、海の側にある新しい家で彼は再びペンを取った。「以前は、昔の写真を見ながら"あの頃に戻りたい"などと考えていたが、それは無理なことなのだと気付いた。だからこそ、不安定な自分自身、自分の人生、自分のプライバシー、自分のメンタルヘルスに心は曇っていた。そしてようやく、これまでの人生で一番幸せだと言えるようになった。初めて自分で自分の人生をコントロールできるようになり、誰も僕の発言や感情を奪うことはできない。僕は自由なんだ。大事なことは、僕は思ったことを正直に話せる人間だということだ」

そして、自分と同じように心に問題を抱える人たちにこのように訴えている。「助けを求めることを恐れないで。仕事を優先し、メンタルヘルスを後回しにしてしまう人たちが本当にたくさんいる。それはどんな人にも起こりうること。不安症や他の精神的問題を支えてくれる素晴らしい人もたくさんいるんだ。どうか恐れず、話すことで良くなるということを知っていてほしい」

過去の辛い経験を乗り越えたコルトンは、『スクリーム・クイーンズ』シーズン2にゲスト出演、『ブレイキング・バッド』のRJ・ミッテと共演する映画『Triumph(原題)』などの新作作品が控えている。(海外ドラマNAVI)

Photo:コルトン・ヘインズ
(C) Izumi Hasegawa/www.HollywoodNewsWire.net