権力抗争の大きなうねりが押し寄せ、危険度がかつてないほど高まる『GOTHAM/ゴッサム』サード・シーズン。野望に燃える、腐敗した超悪党(スーパー・ヴィラン)たちが登場し、同盟関係も再編成され、ゴッサム・シティでの権力をめぐる闘いは新たな局面を迎える。このシーズン、悪名高き犯罪組織"フクロウの法廷"の正体が暴かれ、インディアン・ヒルからの逃亡者が街に放たれると、ジェームズ・ゴードン(ベン・マッケンジー)は"賞金稼ぎ"となり、自ら事態を収拾しようとする。ゴードンは、インディアン・ヒルで行われている恐るべき人体実験の首謀者、ヒューゴ・ストレンジ教授(B・D・ウォン)と、その実験対象の一人、フィッシュ・ムーニー(ジェイダ・ピンケット=スミス)を捜し出すという使命を自身に課すのだった。
ゴッサム・シティがカオスの深みへと沈んでいく中、ストーリーはDCコミックスの最も邪悪な悪党たちを追いながら展開する。それは、ペンギン(ロビン・ロード・テイラー)、エドワード・ニグマ/のちのリドラー(コリー・マイケル・スミス)、セリーナ・カイル/のちのキャットウーマン(キャムレン・ビコンドヴァ)、バーバラ・キーン(エリン・リチャーズ)、タビサ・ギャラバン(ジェシカ・ルーカス)、そしてブッチ・ギルジーン(ドリュー・パウエル)の面々だ。
ファン待望のサード・シーズン放送に先駆け、キャスト&スタッフ総勢14人のインタビューを集中連載。10回目に登場するのは、ブッチ・ギルジーン役のドリュー・パウエル。原作コミックに登場しない人物を演じることの面白さや、キャラクターの意外なモデルについて語ってもらった。
――『GOTHAM/ゴッサム』のシリーズが進むにつれ、ブッチ・ギルジーンの存在が大きくなっていますね。彼を演じてきた身として、存在が大きくなっていることをどう思われますか?
『GOTHAM/ゴッサム』に出始めた時、視聴者はブッチ・ギルジーンは"ただの手下なんだな"という認識だった。みんなブッチにあまり注目しなかったけど、僕は初めから(製作総指揮者の)ブルーノ・ヘラーにこう言われていたんだ。"いいか、僕を信じてくれ。ブッチはのちに物語の展開に大きく関わる人物になる。その過程には時間がかかるかもしれないが、脇役で終わることはないと保証するよ"とね。僕は"ブッチは大物になる。待ってろよ!"と人に話したくて仕方がなかったから、ブルーノに言われたことを黙っておくのはつらかった。
――サード・シーズンが幕を開けた時、ブッチは何をしているのでしょう?
ブッチはペンギンの元に戻り、いつも通り二人で良からぬことを企んでいるよ。今後、二人に関する話が描かれる。まるで、僕らが今生きている現実の世界、少なくともアメリカで起きようとしていることが描かれるんだ。だから見ていて面白いと思うよ。
――ペンギンとの勢力争いで一悶着あるのでしょうか?
サード・シーズンの前半ではブッチとペンギンの間に別の人物が割って入ってきて、奇妙な関係になる。すでに『GOTHAM/ゴッサム』に登場しているけど、今までブッチとあまり関わりがなかった人物だ。一つ言えるのは、これは変わった三角関係になるよ。そして彼らの関係をぎくしゃくさせてしまう。その状況を演じるのが楽しみだ。(ペンギンを演じる)ロビン(・ロード・テイラー)とはいつも楽しい時間を過ごしているからね。
――ではブッチと(ジェシカ・ルーカス演じる)タビサ・ギャラバンの関係は? サード・シーズンで二人の関係はどうなるのでしょう?
タビサと別れてしまったブッチは失恋の悲しみに暮れる男だ。脚本家チームはブッチをそういう男に仕立て上げるのが好きなんだろう。ブッチはまだタビサへの気持ちを断ち切れていないから、今後どうなっていくかは見てのお楽しみだね。ブッチはタビサを心底愛しているから、意気消沈しているんだよ。
――ブッチは常に犯罪組織と行動を共にしていますね。
いいところを突いたね。セカンド・シーズンの撮影を始めた時、(製作総指揮者の)ダニー・キャノンがブッチについて少し教えてくれたんだ。"ブッチは逆境でも負けない男だ。どんな状況になっても、抜け道を見つけるだろう"とね。ブッチはこれまで守ってもらえるような場所を見つけて、誰がボスになるかを見極めることでゴッサム・シティで生き抜いてきた。そして、必要とされれば臨機応変に動くことのできる忠実な下臣だ。ファースト・シーズンとセカンド・シーズンを見ればそれが分かるよ。視聴者は彼に注目してこなかったけど、ファースト・シーズンの終盤にはゴッサム・シティの腐敗の一因となった。ブッチは誤って愛する人を撃ってしまったんだ。
――ブッチはいつか完全に独立するのでしょうか? それともこれからもずっと手下のままなのでしょうか?
分からない。だけどセカンド・シーズンでタビサとブッチが組むことになり、二人ともペアとなって動く方がいいと気づいたのはいいことだと思うよ。タビサには兄がいたし、ブッチにはペンギンまたはフィッシュがいた。だけど、いざ誰もいなくなって独りで思い通りにできるようになると、それは嫌だってことに気づく。みんながみんな頂点に立たなくていいと思うし、ボスとして君臨したりしなくてもいいんだ。適材適所というものがあるからさ。ブッチを見くびると自分の命が危うくなることにみんなは気づいていないんだ。それは言えるね。
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――ブッチ・ギルジーンは原作コミックには登場しない、『GOTHAM/ゴッサム』のオリジナルキャラクターですよね。俳優として原作にいないキャラクターだからこそ、自由に演技できる部分はありますか?
原作に登場しないキャラクターを演じるとやはり全然違うね。ブッチは何もない"0"(ゼロ)の状態から作り上げていった。このまま新たなキャラクターとして進めていくのか、途中でコミックのキャラクターに変身させるのかは分からない。興味深いところだ。
――ブッチは少なくとも現時点ではコミックには登場しないキャラクターですが、情報収集のためにコミックは読んでいますか?
ああ。コミックが好きな友人たちは僕が出演していることを楽しんでいるみたいで、僕に何を読むべきか、何に注目すべきかアドバイスしたくて仕方がないみたいだよ。犯罪組織の一員を演じることから、最初彼らに「バットマン:ロング・ハロウィーン」は読むべきだと言われた。あとは『バットマン』シリーズの映画を見返したりした。僕が初めてバットマン関連の世界に入ったのはマイケル・キートンが出ていた映画からだ。昔のドラマの方は幼い時に再放送を見たりしていたけど、あれはまた違う世界観だから比べることができない。世界観としてはとても面白いけど、ゴッサム・シティはほとんど出てこないから僕にとってはあまり意味がないんだ。だけどコミックを読むのが仕事だというのは、なかなかいいよね。
――他に役作りのためにしていることは?
撮影が始まる直前、『ザ・ソプラノズ/哀愁のマフィア』シリーズをたくさん見たよ。ジェームズ・ガンドルフィーニ演じるトニー・ソプラノが素晴らしかったから、特に初期のものをじっくり見た。ジェームズの演技を見ていると、ひどい人物なのに、なぜかトニーを応援したくなってくる。"こいつを好きな自分が嫌いだ!"と思ってしまうんだ。ブッチに対してもそんな風に思ってもらいたいから、コツを学ぶために『ザ・ソプラノズ/哀愁のマフィア』を見返したよ。
――セカンド・シーズンのフィナーレで、あなたは大きな銃器を持っていましたね。あれはとても軽い小道具なのでしょうか? それとも本当に重いものだったのでしょうか?
あの銃器について教えてあげよう。まず一つ、あの銃器は35キロもあったんだ。それにたくさんの銃弾が入ったバックパックを背負ったら、さらに15キロほど重くなった。とっても重かったよ。視聴者が気づいていたかは分からないけど、ブッチがフィッシュに気づいて逃げ出す時、本当は銃器を床に落として逃走するべきだったんだ。でもあの銃器は6万ドルもする。だから製作陣に"落とすのはダメ"と言われて、約50キロの荷物を抱えた状態でドタドタと逃げることになった。客観的に見ると、おかしかっただろうね。
――先ほど"まず一つ"とおっしゃっていましたが、他には?
あの銃器には歴史があるんだ。実は撮影で使われるのはこれで3回目。1回目はアーノルド・シュワルツェネッガーの『シュワルツェネッガー/プレデター』、2回目は『ターミネーター2』でターミネーターが2階からぶっ放した時。そして3回目が『GOTHAM/ゴッサム』でブッチ・ギルジーンが使用した時なんだ。
――とても歴史のある銃器ですね...。
そうだよ、有名なんだ。脚本の初稿をもらった時には、銃器はスナイパーライフルになっていた。でもそれだと特に面白味もないよね。そしたら改訂版では"ブッチがガトリングガンを持って登場"と書かれていたんだ。興奮したよ! ガトリングガンもそうだけど、僕たちが"ブッチズーカ"と呼んでいるブッチの新しい武器なんかを見ていると、彼自身の心境の変化が現れているのが分かる。次の武器が何になるのかが楽しみだよ。ドローンみたいに大きなものだといいね。
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■放送情報
『GOTHAM / ゴッサム』シーズン3
海外ドラマ専門チャンネルAXNで、2017年3月11日(土)より日本独占初放送予定
■商品情報
・『GOTHAM/ゴッサム <セカンド・シーズン>』
ブルーレイコンプリート・ボックス...16,200円+税
DVDコンプリート・ボックス...14,300円+税
発売・販売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
■商品情報
・『GOTHAM/ゴッサム <ファースト・シーズン>』
ブルーレイコンプリート・ボックス...16,200円+税
DVDセット1、2...各4,980円+税
発売・販売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
Photo:
(C) Capital Pictures/amanaimages
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