主要な放送局だけでなく、ケーブル局や動画配信サービスでも様々なドラマが製作されている現在、『ウエストワールド』や『ゲーム・オブ・スローンズ』のように批評家やファンを魅了し続けている作品もあれば、どちらにも酷評される作品もある。さらに、中には批評家には受け入れられずとも視聴者には気に入られる作品もあるのだ。
今回、英Digital Spyがそんな"批評家からの評価は低くても視聴者には人気のあるTVドラマトップ10"を紹介している。ランキングは批評家と視聴者の支持率の差が大きい順に並べている。
目次
10位 『スクリーム』(米MTV, Netflix)
批評家支持率47%:視聴者支持率73%(その差26%)
ホラー映画の鬼才ウェス・クレイヴンが手掛けた映画『スクリーム』のTV版。5月からシーズン3の放送が決まっている本作だが、米Critics Consensusからの評価はイマイチだった。しかし、ファンの熱は高く、新シーズンへの更新を後押しした。
9位『ヘムロック・グローヴ』(Netflix)
批評家支持率38%:視聴者支持率70%(その差32%)
『ホステル』シリーズなどの監督で知られるイーライ・ロスが製作総指揮をするホラー/スリラードラマ。米ロサンゼルス・タイムズ紙からは"ひどい"、米Indie Wireからは"乱雑"と評されたものの、2013年から2015年まで計3シーズン続くほどファンからは受け入れられていた。
8位『フォーリング・ウォーター』(USA)
批評家支持率28%:視聴者支持率75%(その差47%)
もしも他人の夢に入り込むことが出来たら? もしも他人の夢と自分の夢が繋がっていたら? もしもその夢をコントロールすることが出来たら? ...複数の人物たちの見る夢が徐々に複雑に交錯していくミステリードラマ。
Critics Consensusは、「複雑さと陰謀を描こうとしているが、想像力のないコンセプトを浮き彫りにしている」とコメントしている。
7位『ハンド・オブ・ゴッド』(Amazon)
#HandOfGod is returning for a new season. pic.twitter.com/HKK6VHBVO6
— Hand of God (@HandofGodAmazon) December 18, 2015
批評家支持率30%:視聴者支持率81%(その差51%)
街の権力者である判事パーネルがある事件をきっかけに神の啓示を受け、危険な方向へと暴走する姿を描く心理サスペンス。配信開始当初、批評家からの批判が集中し、特に米Voxは「耐え難いほどひどい」とこき下ろしていた。しかし、そんなパイロット版で本作に惹きつけられた視聴者が多く、シリーズ化が決定した。
6位『Man with a Plan(原題)』(米CBS)
Have a Q for @Matt_LeBlanc, @TheLizaSnyder, & @kevin_nealon? Tune in LIVE tomorrow on #ManWithAPlan's FB & ask here: https://t.co/xwvOEP6x0T pic.twitter.com/6bfrUgoE7T
— Man With A Plan (@ManWithAPlan) March 8, 2017
批評家支持率21%:視聴者支持率80%(その差59%)
日本未放送の作品。主人公は妻が仕事に復帰したことで、いきなり3人の子どもの面倒を見るようになった父親のアダム(マット・ルブラン)。それまで子育ては妻に任せっきりだった彼が、子どもに的外れなアドバイスをしたりと、ズレた行動ばかりをとる姿を描いたファミリーコメディ。
批評家は本作の脚本を「想像力に乏しい」と評価し、主演のマットについては「不十分」とコメントしていたが、彼の魅力は視聴者には伝わっていたようだ。
5位『スタートアップ』(米Crackle)
批評家支持率33%:視聴者支持率94%(その差61%)
犯罪都市マイアミを舞台に、サイバー犯罪によってアメリカンドリームを手にしようとする銀行家とハイチ系のギャング、彼らを追うFBI捜査官の姿を描く犯罪サスペンス。英BBCの人気シリーズ『SHERLOCK/シャーロック』のマーティン・フリーマンが主人公のFBI捜査官フィル・ラスクを演じている。
『The O.C.』のアダム・ブロディも出演しており、注目度の高い作品だったが、批評家の反応はいまひとつといったところ。米Hollywood Reporterが「おもしろい」と伝えた一方、ニューヨーク・タイムズは、「プロットには信用がない」と手厳しい反応だった。しかし、ファンからはほぼ完璧な評価を受けている。
4位『Conviction(原題)』(米ABC)
批評家支持率19%:視聴者支持率80%(その差61%)
日本未放送の作品。『エージェント・カーター』のヘイリー・アトウェルが、前大統領の娘で型破りな行動を繰り返す主人公ヘイズ・モリソンを演じる。麻薬所持で逮捕されたことを理由に、ロサンゼルスに新設された法律チームのリーダーに任命されたヘイズが、冤罪の可能性がある事件を調べることになり、恋人殺しの疑いをかけられた男性の事件を調査するというストーリー。
残念ながら既にシーズン1での打ち切りが伝えられており、「ヘイリー・アトウェルが強く好意的な主演を務めても、彼女のカリスマ性だけでは評価を上げることはできなかった」と、批評されている。
3位『アイアン・フィスト』(Netflix)
批評家支持率17%:視聴者支持率79%(その差62%)
Netflixがマーベルと共同で手掛けるドラマの第四弾。本作の評価については当サイトでも何度か取り上げているが、最近のTVドラマで批評家と視聴者の反応が割れている作品の代表といえるだろう。
批評家のレビューは否定的なものばかりだったが、2017年に配信が始まったNetflixのオリジナルシリーズで最も賞賛された作品になった。
2位『マルコ・ポーロ』(Netflix)
批評家支持率24%:視聴者支持率92%(その差68%)
「東方見聞録」を口述した著名な冒険家マルコ・ポーロを中心に、欲望や裏切り、愛憎、復讐が渦巻く中世モンゴルで彼の成長を描くアドベンチャードラマ。Critics Consensusは「全体的に失望。同じ名前のゲームよりも面白くない」と酷評した。
ファンはシリーズの継続を望んでいたが、その声は届かずシーズン2での打ち切りが決定した。終了後、本作のために約200万ドルの損失が出たと報告されている。
1位『オーメン』(A&E)
Haunted by the satanic forces around him. RT if you're watching #TheOmen! #Damien pic.twitter.com/scny9GdumN
— DamienAETV (@DamienAETV) March 1, 2016
批評家支持率11%:視聴者支持率81%(その差70%)
『魔術師マーリン』でアーサーを演じていたイケメン英国俳優のブラッドリー・ジェームズが主人公ダミアンに扮し、1976年の大ヒットホラー映画『オーメン』の後日譚を描く本作。批評家支持率は11%と圧倒的に低く、米TVLineは、「魅力がなく、緊張感もない」と一刀両断した。対して視聴者支持率は81%とファンからは高評価で、批評家と視聴者の反応がまさに両極端に分かれた。
Photo:Netflix『ヘムロック・グローヴ』 Amazon『スタートアップ』 『Marvel アイアン・フィスト』 『マルコ・ポーロ (C)Phil Bray/Netflix