『トイ・ストーリー3』、『カールじいさんの空飛ぶ家』といった胸を打つ物語を生み出してきたディズニー/ピクサーが贈る新たな感動作『カーズ/クロスロード』が現在公開中だ。本作では、これまで活躍を続けてきた天才レーサー、マックィーンが大きな挫折を経験し、"人生の岐路"に立たされる。そんな主人公に声を吹き込むのは、これまでも声を演じてきたオーウェン・ウィルソン。俳優としての活躍だけにとどまらず、実は脚本家としてもアカデミー賞ノミネート経験があり、本作の脚本のブラッシュアップにも携わったという。
オーウェンは『ミッドナイト・イン・パリ』や『ズーランダー』が代表作の人気俳優。第68回アカデミー賞で最多11部門ノミネート・5部門受賞の『グランド・ブダペスト・ホテル』で有名なウェス・アンダーソン監督と大学在学中に知り合う。彼が映画界に入ったのも、ウェスと共同で脚本を執筆した『アンソニーのハッピー・モーテル』がきっかけ。俳優としては『ナイト ミュージアム』のようなコメディからシリアスな作品まで幅広い役を演じている。
シリーズを通し、11年間マックィーンを演じるオーウェンは、私生活で2児の父となった。プライベートでも経験した、"誰かを育てる立場になる"という経験を、マックィーンの変化を演じることに活かしている。本作でマックィーンは、クルーズと旅をしていくうちに彼女のメンターになっていく。ディレクティング・アニメーターのジュード・ブラウンビルは、「オーウェンは、長年このキャラクターに多くのチャーミングさとカリスマ性を吹き込んでいます。しかし本作では、挫折を味わったもろさ、勝利への新たな決心といった、さらなる深みも吹き込んでいるのです」と語る。
加えて、脚本家としてはクレジットされていないが、多くのシーンについて監督のブライアン・フィーらと話し合いを重ねたという。しかし、オーウェンはただ言いたいことを言っているわけではない。脚本をきっかけに映画界入りした後、再びアンダーソン監督と共に脚本を手掛けた『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』で脚本家としてオスカーにノミネートされている。そうした脚本家としての視点から、録音ブースに入ったオーウェンが意見を伝え、実際に試すことで脚本をブラッシュアップしていったという。
「彼が新しいオプションを僕にくれて、いろいろ一緒にやってみた。だから、スクリーン上に残っていることは、必ずしも始めた時、脚本にあったものじゃなかったりする。それはとても元気づけられることだよ」と、ブライアンは語っている。本作では、監督や脚本などスタッフが刷新されているが、マックィーンを演じ続けてきたオーウェンと共にブラッシュアップすることで、新しさとこれまでの"マックィーンらしさ"を併せ持つ作品となった。つまり、これまでの楽しい世界観がありながら、これまでとは少し違う"大人『カーズ』"となった影の立役者の一人はオーウェンと言えるだろう。
この夏、マックィーンの衝撃の決断に、誰もが涙する! 『カーズ/クロスロード』は大ヒット上映中。(海外ドラマNAVI)
Photo:『カーズ/クロスロード』
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