『NO』、『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』を手掛けたチリ出身のパブロ・ラライン監督が祖国の英雄パブロ・ネルーダの半生を描いた『ネルーダ 大いなる愛の逃亡者』が11月11日(土)より公開される。
詩人として1971年にノーベル文学賞を受賞したチリの国民的ヒーロー、パブロ・ネルーダ。 詩人でありながら、共産主義の政治家として活動していたネルーダは芸術を愛し、女性を愛し、酒場を愛するという享楽主義者であり、何よりも貧しい人々に寄り添う博愛主義者だった。しかし第二次世界大戦後から、その思想ゆえにチリ政府から追われるようになり、生涯の大半を逃亡生活に費やした。本作は、ネルーダが国外逃亡を余儀なくされた1948年の1年間に焦点を当て、弾圧のなかでいかに代表作「大いなる歌」が生み出されたかの背景に迫った意欲作だ。
本作のメガホンをとったのは、ピノチェト独裁政権の是非を問う国民投票における反対派のキャンペーン活動を描いた『NO』で注目されたラライン監督。ネルーダと同じチリ人のララインが、祖国の美しい自然は第二次世界大戦後の混乱期の生活を織り交ぜ、斬新で叙情的なサスペンス映画に仕立て上げた。ネルーダ役には、チリの映画界とTV界で最も知名度が高い俳優の一人であるルイス・ニェッコを起用。近年ではゴールデン・グローブ賞にノミネートされたNetflixオリジナルドラマ『ナルコス』にも出演し、活躍の場を国外へも広めている。またネルーダを追う警官ペルショノー役を、メキシコを代表する俳優であるガエル・ガルシア・ベルナル(『モーツァルト・イン・ザ・ジャングル』)が務める。国に従事するも次第に享楽的なネルーダに魅了されてしまうペルショノー役を愛嬌たっぷりに演じている。ネルーダの信奉者であるラライン監督のもとに、ラライン監督映画の常連俳優やスタッフが集まり、ネルーダの人生で最も謎多き地下潜伏と逃亡の時期を描き出す。
『ネルーダ 大いなる愛の逃亡者』は11月11日(土)より、新宿シネマカリテ、YEBISU GARDEN CINEMA他全国ロードショー。(海外ドラマNAVI)
Photo:『ネルーダ 大いなる愛の逃亡者』
by Diego ArayaⒸFabula, FunnyBalloons, AZ Films, Setembro Cine, WilliesMovies, A.I.E. Santiago de Chile, 2016