ヒラリー・クリントン、自著で『ゲーム・オブ・スローンズ』を例えに

2016年の米大統領選挙に出馬するも、ドナルド・トランプ共和党候補に敗れたヒラリー・クリントン。その彼女の回顧録「What Happened(原題)」が先日アメリカで出版された。同書の中でヒラリーは、選挙キャンペーン中に行われたトランプの選挙集会を、大河ファンタジードラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』の有名な場面に例えたと、米Varietyなど複数メディアが伝えている。

「トランプ支持者の集会では、私を投獄するよう求める群衆の声が、数え切れないほど聞かれた。"有罪だ! 有罪だ!"と群衆は叫んだ。それはまるで、『ゲーム・オブ・スローンズ』で、"辱めを! 辱めを!"と狂信者たちが唱える中、サーセイ・ラニスターが赤の王城(レッド・キープ)まで歩かされた場面のようだった」と、ヒラリーは記している。

ヒラリーが例えに出したのは、第五章の最終話「慈母の慈悲」で描かれた、"贖罪の行進"と呼ばれる場面。独房生活を送っていたサーセイはハイ・スパローに罪を告白するが、その贖罪として、髪を切られ、全裸にされた上で、悪意に満ちた群衆の怒号を浴びながら道を歩かされた。

トランプ支持層の放つ罵倒の声は、ヒラリーにとってそれだけ厳しい試練だったようだが、番組や原作小説のファンから大きな悪役と見なされるサーセイに自分をなぞらえるのは、かえって逆効果ではないかと、Varietyは指摘している。

ヒラリーは、国務長官在任中に私用メールサーバを公務に用いていたことから、FBIの捜査対象となり、多くの世論から"嘘つき"のレッテルを貼られていた。違法性なしとの結論が昨年7月に出たものの、投票直前に新たなメールが見つかったとして捜査が再開されるなど、メール問題はヒラリーの選挙運動の足を引っ張り続けた。(海外ドラマNAVI)

Photo:写真上は、選挙出馬中だった2016年9月のヒラリー・クリントン。サーセイ(写真下)はその後、辱められた借りを何倍にもして返しているが...
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