『グレアナ』『スキャンダル』クリエイターのションダ・ライムズ「エミー賞の現状が恥ずかしい」

『グレイズ・アナトミー』(以下『グレアナ』)、『殺人を無罪にする方法』などを数々のヒット作を生み出してきたションダ・ライムズが、9月17日(日)に開催されたエミー賞授賞式を恥ずかしく思っていることを明かした。米Vanity Fairが報じている。

今年は主演男優賞と監督賞を受賞したドナルド・グローヴァー(『アトランタ』)、主演男優賞を受賞したリズ・アーメッド(『ナイト・オブ・キリング 失われた記憶』)、スターリング・K・ブラウン(『THIS IS US 36歳、これから』)、脚本賞を受賞したアジズ・アンサリ、リナ・ウェイス(『マスター・オブ・ゼロ』)など、アフリカ系アメリカ人が台頭した記念すべき年であった。

ライムズは特に、アフリカ系アメリカ人女性として、初めてコメディ部門の脚本賞を受賞したウェイスのことを誇りに思っているようで、「金曜に彼女に会ったばかりでした。彼女はとても落ち着いていて、地に足がついてしっかりしている人。あのシーズン2第8話のエピソードは、テレビ番組史上でも最高の出来だったと思います」と業界で活躍する友人を賞賛した。

だが一方で、その歴史的快挙はライムズにほろ苦い後味をもたらしたという。「率直に言うと、恥ずかしく思います。こう言う "アフリカ系で初めて"とか"アフリカ系女性初の"とかいうことを未だに耳にしないといけないエミー賞の現状に。これが、一時期の流行で終わらないことを願っています。たくさんの有色人種が受賞したから、"もう十分"と満足して終わってしまわないといいのですが」

ライムズはこの業界で、アフリカ系女性クリエイターとして、確固たる地位を築き上げてきた先駆者だ。『殺人を無罪にする方法』主演のヴィオラ・デイヴィスは、同作によって、アフリカ系女性として初めての主演女優賞を受賞するという新たな歴史も残している。

アフリカ系女性クリエイターの中でも、群を抜いて活躍しているライムズ。そんな彼女にとって、今回のエミー賞の現状は喜ばしくもあるが、同時に今後の業界の行く末を案ずるものでもあったようだ。(海外ドラマNAVI)

Photo:ションダ・ライムズ
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