『ゲーム・オブ・スローンズ』ドラゴンの参考になったのはあの動物?

大ヒットファンタジー大河『ゲーム・オブ・スローンズ』は映画さながらのスケールで描かれており、その映像制作を支えているビジュアルエフェクト(VFX)チームの作業を詳しく紹介する舞台裏動画が毎シーズン公開されている。その中で、本作にとって重要なドラゴンの制作秘話が明かされた。米Slashfilmが伝えた。

シーズン2から登場したデナーリス(エミリア・クラーク)の3頭のドラゴン、ドロゴン、ヴィセーリオン、レイガルを手がけているのはPixomondoという会社。ビデオゲームのニュース&レビューサイトGamspotのインタビューに答えた同社のCEOは"ドラゴンの見せ方"について、「シーズン3とシーズン4でドラゴンたちを大きくしたとき、多くの問題が出てきたんです。"ドラゴンがこの大きさならどうやって持ち上げるのか"、"あれは何なのか"、"コウモリなのか、鳥なのか、鷲なのか"。この議論に費やすエネルギーは相当量でした。だからこそアーティストたちはTrader Joe"s(スーパーマーケット)に行って、鶏を買って家に帰って考えたりもします」

スーパーでの生物学調査以外にも、VFXアーティストはドラゴンの筋肉組織をより細かくしっかりさせるためにYouTubeでニワトリや飛んでいるコウモリの動画を見ているという。しかし、卵から孵って手乗りサイズだったドラゴンもシーズンを追うごとに巨大化していき、シーズン5からは現在のドラゴンらしい大きさに成長した。より大きなサイズにすることは彼らにとって新たな挑戦となり、Pixomondoは"ゾウ"にインスピレーションを求めたという。

さらに、シーズン7の第5話では、ジョン・スノウ(キット・ハリントン)がドラゴンの1頭、ドロゴンと仲を深め、ついにドラゴンに触れるシーンも出てきたが、これはVFXチームを焦らせたという。肌質に関しては粗粗しい部分もあるが、一方で顔周りは柔らかく、撮影ではクッションを押してその柔らかさを演出したことを聞いて、それをVFXに反映させたのだとか。

ドラゴンが骨の上に転がるシーンなども、細かい部分でもしっかり調整して描かいていることが映像から見て取れる。壮大なスケールの映像を支えているのは、VFXスタッフの細かな研究の積み重ねなのだ。(海外ドラマNAVI)

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