『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』ライアン・ジョンソン監督を直撃インタビュー

シリーズ最新作『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(以下、『最後のジェダイ』)が、12月15日(金)に封切られたが、本作のプロモーションのために来日していたライアン・ジョンソン監督を直撃インタビュー! あのかわいい新キャラクターの誕生秘話や、製作が決定している新3部作について話を伺った。

――『最後のジェダイ』からはレイ、レイア、キャプテン・ファズマに加えローズとアミリン・ホルドー中将という新しいキャラクターが出てきます。女性の活躍が拡大されていく印象があるのですが。

何よりもこの物語を押し進むことの出来るキャラクターであるかということを重要視したんだ。私自身もこの40年間、そのようなキャラクターを映画で見る機会がなかったので、ストーリーに組み込むことが出来てワクワクしているよ。デヴィッド・リンチ監督のファンである私にとって、ローラ・ダーンは学生時代からのヒーローだしね。

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豪華キャストが集結したワールドプレミアより

――昨年、レイア姫を演じるキャリー・フィッシャーがお亡くなりになりましたが、製作に影響はあったのでしょうか?

彼女が亡くなった時は既に撮影は終了し、編集作業もかなり進んだ段階だったのだけど、プロデューサーのキャスリーン・ケネディと相談をし、撮り終わったものはそのままにしようという決断に至ったんだ。ただ、もちろん観客の立場からすると彼女が亡くなったことにより、映画の解釈にも影響を及ぼすとは思うよ。ストーリーの上に悲しい感情が追加されてしまうからね。昔からの彼女のファンである人も、キャリーについてあまり知らない人も彼女のパフォーマンスを見て、ある種の慰めになればと思ってるよ。

――シリーズを通じたくさんの魅力的なキャラクターが登場しますが、『最後のジェダイ』には更に新キャラクターが出てきますよね。新しいキャラクターにこだわる理由は?

新しいキャラクターを投入する理由というのは、既に確立されたキャラクターたちの物語を進めるためにだったり、彼らを助けるためだったり、あるいは挑戦を突きつけたりといった理由があるからなんだ。こんな言い方をするとあっさりと聞こえるかもしれないけど、ストーリーを進めるうえで必要だからなんだよね。特にポーグはあの島に必要だったから。

――ポーグの誕生秘話を教えてもらえませんか?BB-8よりかわいいキャラクターを作ろうと思っていたのですか?

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(横にいたBB-8の人形を見ながら)嫉妬深いからそんな話はしちゃだめだよ!(笑)

ルークが隠棲していたという設定の島は、アイルランドのスケリッグマイケル島というところで、僕がロケ地を探していた時に、ペンギンのように歩いているツノメドリを見つけたんだ。彼らを見た時に『スター・ウォーズ』バージョンのツノメドリを登場させなくてはと思ったよ。なので、ストーリー的に大きな役割があるというわけではないんだよね。この島のシーンでは笑いの要素を入れようと考えていた時に出会ったんだ。

――『ブレイキング・バッド』にもエピソード監督として途中から参加され大成功を収めましたよね。今回も大ヒットシリーズに参加するうえで監督としてどのようなことを意識されましたか。

『スター・ウォーズ』に関わった時は、「素晴らしいスター・ウォーズ映画を作りたい」という思いだけしかなかった。4歳からこのシリーズの大ファンだし、世界観を大切にして作品を作りたいと考えていたよ。『ブレイキング・バッド』の時も同じで、もうすでに素晴らしい脚本が用意されていたので、監督としてそれをどのようにして映像化できるかということを念頭に置いていたしね。

ジョージ・ルーカスが過去の作品を製作した時は、彼にとってとてもパーソナルなプロジェクトだったんだよね。それをルーカスフィルムの面々が理解しているから、私が入った時は「君にとって何かパーソナルなものを見つけてくれ」と背中を押してくれたんだ。本作の場合は、私が脚本も手掛けているのだけど、彼らから「こういう風に作れ」というような指示は一切なかったよ。その過程の中で、自分なりにパーソナルな部分を見つけていくことが出来たんだ。でも、考えてみれば、どこかしらに作り手の大切に思っている個人的な部分がなければ良い作品は作れないよね。

――次の新しい『スター・ウォーズ』3部作の監督に抜擢されましたよね。もちろん、まだ話せないと思いますが、オリジナルの世界とどのように繋げていくつもりですか。

話せないということじゃなくて、新3部作の構想のスタート地点に立ったばかりだから、"何ができるのか"と考えている段階なんだ。ただ、繋がりという意味では子どもの時に自分が経験した『スター・ウォーズ』、そして自分にとってこのシリーズがどれだけ意味があったのかということを再び新3部作を通して自分なりにとらえたいと思っているよ。日本文化に影響を受けた『スター・ウォーズ』のフィーリングだったり、美術面でのエッセンスは当然引き継いでいこうと考えている。だからといって、TIEファイターやXウイングが登場するかどうかはお約束はできないけどね(笑)

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『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』は大ヒット上映中。

Photo:『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』
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