『レッド・スパロー』若きオスカー女優ジェニファー・ローレンス、驚きの演技法とは?

全世界で空前のメガヒットを記録し、映画史にその名を刻む『ハンガー・ゲーム』シリーズのフランシス・ローレンス監督が、ジェニファー・ローレンスと再びタッグを組んだ『レッド・スパロー』が3月30日(金)に公開となる。27歳の若さにしてアカデミー賞受賞1回、ノミネート3回を誇る"ハリウッド屈指の若手演技派女優"である彼女は、その演技法も驚き。何と"あえて"ぶっつけ本番で演技に挑んでいることをローレンス監督が明かした。

ハリウッド映画界で良く知られている役作りといえば"メソッド演技法"だ。日常生活から役柄に入り込み、精神状態や話し方、仕草まで至るまで完全にコピーするというこの演技法は、故ヒース・レジャーが『ダークナイト』で見せた悪役ジョーカーの狂気的な演技が有名である。さらに先日のアカデミー賞でも、『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』に出演したゲイリー・オールドマンは、外見はもちろん、声や話し方、表情や動作の癖まで入念な役作りで元英国首相チャーチルになりきり、見事主演男優賞に輝いた。

そんなハリウッド流行りの演技法をよそに、ジェニファーはそれとはまったく正反対の演技法を取っていると、長年彼女の演技を見続けている監督は語っている。「ジェニファーは脚本を読み込まず、一度か二度目を通して台詞を覚える。そして私が彼女と話し合うのは、"ストーリーのどの部分で何が起きてどんな感情になるか"ということだけだ」と、驚きの役作り秘話を明かしつつ、「でも、ジェニファーはそれで全て理解し演技をしてくれる。そんな彼女の演技は直観的だから観ていて魅了されるんだ」と、この演技法こそが彼女ならでは魅力となっているのだと説明した。

さらに「奇妙に感じるほど、本当に一瞬で役になり切る。寸前まで冗談を言って笑っているのに、"アクション"と声が掛かった瞬間さっと変わるんだ」と、女優としての才能が分かるエピソードを明かす。ジェニファーが演じたドミニカは、怪我のためにバレリーナの将来が断たれ、自分の意思に反してロシアの女スパイとなるヒロインだ。一流のスパローへと仕立て上げられた彼女は、持ち前の美貌と頭脳で大国をも手玉に取っていく。そのため、ハニートラップとしてセクシーに男性に迫ったり、米露両国に命を狙われながらの心理戦など、衝撃的なシーンも多々あるのだが、「どれほど強烈なシーンだろうと、それを引きずったりはしない彼女には驚かされたよ」と、女優魂を絶賛。そんなジェニファーは「この映画を引き受けるということは、すべてのシーンを自らこなし、完全にやりきる必要がある。その覚悟がないなら他人に譲るべきだと思う」と、本作で女スパイを演じる上での強い思いを明かしている。

アカデミー賞女優ジェニファーが覚悟の演技で挑む、ハニートラップと心理戦。そのリアル過ぎる工作活動で驚かす本格派スパイアクションに注目だ。『レッド・スパロー』は3月30日(金)全国ロードショー。(海外ドラマNAVI)

Photo:『レッド・スパロー』
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