『プリズン・ブレイク』に並ぶ秀作、 Netflix『ペーパー・ハウス』の中毒者が続出

スリル溢れるクライム・サスペンスをお探しなら、スペイン発のTVシリーズ『ペーパー・ハウス』がオススメだ。銀行ではなく造幣所を襲撃するというユニークな現金強奪サスペンスで、肉厚なキャラクターと緊迫した展開がウリの良質なドラマになっている。昨年12月にNetflixでシーズン1が配信されて以来、徐々に人気が高まり、今では寝食を忘れて没頭する視聴者が続出している。

■寄せ集めのチームが挑む 史上最大の強奪作戦
ストーリーは「教授」と名乗る謎の男が、それぞれに能力を備えた7人の悪党を仲間に呼び込むことから始まる。彼らの目的はスペイン王国造幣局へ侵入し、24億ユーロ(約3100億円)相当の紙幣を印刷することだ。作戦成功のためには、印刷に必要な11日間を通じて造幣局に立て籠もり、67名の人質を制圧下に置かなければならない。警察のエリート部隊が包囲する中、その場しのぎで結成された強盗チームは、果たして現金を手にできるのだろうか----?

本作はすでにシーズン1の全エピソードがNetflixで視聴可能となっており、4月6日(金)からはシーズン2の配信がスタートする。配信中の13話を視聴した海外ユーザらは、Twitterで「すごくヤバい」「なんてことだ、これは素晴らしい」と絶賛しているほか、中にはのめり込みすぎて2日間寝てないという人まで現れている。米レビューサイト「ロッテン・トマト」でも観客の満足度は89パーセントと非常に好調だ。

■一人ひとりキャラクターに込められたドラマ
本作が観客を引きつけて離さないのは、巧みなストーリー構成と肉厚なキャラクターあってのことだ。ご都合主義で取って付けたような振る舞いをする人物はなく、一人ひとりが確固としたバックグラウンドを持ち、必要に駆られて強盗チームに加担している。

Joe誌(3月5日)では、個性豊かな登場人物を前に、視聴者として誰に味方をしようか心に決めかねるほど魅力があるとしている。お気に入りのキャラクターが見つかったと思うのもつかの間、エピソードが終盤を迎える頃には全く違った像が見えてくる展開もスリリングだ。8人の仲間のあいだに漂う緊張や、ちょっとした亀裂が次第に大きなひび割れを生んでいく様子など、細部まで実に丹念に描かれている。

登場人物のしっかりとした動機に感服するのは、LadBible誌も同様だ。『ペーパー・ハウス』は何日も寝食を忘れて見続けたくなるタイプのドラマであり、クライム・サスペンスの名作『プリズン・ブレイク』にも勝るとも劣らない良作だと絶賛する。振り返れば同作も、一人また一人と増えていく脱獄チームのメンバーに、それぞれ強力な動機が設定されていた。作り込まれたキャラクター像は、サスペンスにリアリティーをもたらす必須条件だと言えよう。

■これまでにない最高の作品
1話、もう1話とついつい見てしまうことから、海外の視聴者やメディアらは「中毒性」という言葉で本作を表現している。Twitterでは「今まで見た中で1番中毒性のあるドラマかも」という声が聞かれるほか、Joe誌は「信じられないほど中毒性があり、(脚本も)よく書けている」と褒めちぎる。

Shortlist誌(3月6日)も「本当に中毒性がある」と認め、「『ペーパー・ハウス』はこれまで観たことがないような最高のクライム・ドラマ」だと、最上級の賛辞を送っている。

世界中を睡眠不足に追いやる『ペーパー・ハウス』の強盗チームは、4月6日(金)からシーズン2として新たな挑戦を見せてくれる。新作の登場が迫った今、公開中のシーズン1をNetflixで振り返るには絶好のタイミングだ。(海外ドラマNAVI)

Photo:『ペーパー・ハウス』
©Jeosm A©Roberto Garver