【写真&動画付き】数々の名剣から振り返る『ゲーム・オブ・スローンズ』

空前のメガヒットを飛ばしているドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』。世界中で熱狂的なファンを数多く生み出している本作の魅力の一つと言えば、やはりそのファンタジックな世界観であろう。3頭のドラゴン、死の軍団(ホワイトウォーカー)、巨人などなど。そんな『ゲーム・オブ・スローンズ』を語る上で欠かせない大きなものがある。それは鉄の玉座をめぐる熾烈な争いを生き抜くために最も重要なアイテム、剣だ。

この作品全体に漂うファンタジックな空気を支える上で大きな役割を果たしているヴァリリア鋼のものを中心に、劇中で登場する数々の剣をご紹介しよう。

(本記事は、『ゲーム・オブ・スローンズ』第七章までのネタばれを含みますのでご注意ください)

【ロングクロウ(鉤爪)】所有者:ジオー・モーモント→ジョン・スノウ

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モーモント家に代々伝わる剣。本来ならばナイツウォッチ(冥夜の守人)総帥ジオー・モーモント(ジェームズ・コスモ)よりその息子ジョラー(イアン・グレン)に受け継がれるはずだったが、奴隷を売り、北部を追われたジョラーに代わり、総帥直属の雑士(スチュワード)だったジョン・スノウ(キット・ハリントン)に渡される。

柄の部分はもともと、上の写真にあるように、モーモント家の家紋である熊をあしらったデザインだったが、ジョンに譲渡する際に、スターク家の家紋である狼にも鉤爪があるということで狼のデザインに変えられた。

古代ヴァリリア帝国に伝わる金属、ヴァリリア鋼でできており、壁の向こう側より迫り来る死の軍団(ホワイトウォーカー)を倒すことができる。野人との激戦や落とし子の戦いなどの歴戦を共にしてきた剣であり、ジョンにとっては大狼(ダイアウルフ)のゴーストに次ぐ、相棒のような存在だ。

▼ジョンがラムジーの軍と闘うシーンもある「落とし子の戦い」(第六章第9話)の舞台裏映像はこちら!

第七章で、ジョンは共に壁の向こうへと向かった本来の継承者であるジョラーへこの剣を返還しようとするが、彼が辞退したためジョンの手元に残ることとなった。

 

【アイス】所有者:ネッド・スターク

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ウィンターフェル城主にして、北部総督のエダード・"ネッド"・スターク(ショーン・ビーン)が所有していたヴァリリア鋼の大剣。

スターク家に代々伝わるもので、処刑などの際に使用される。第一章で謀反者の烙印を押され処刑されたネッドの手を離れてからは、タイウィン・ラニスター(チャールズ・ダンス)の命によって溶かされ、【ウィドウズ・ウェイル】【オウス・キーパー】という2本の剣へと変貌を遂げる。

▼ネッドが【アイス】を使う場面もある「冬来たる」(第一章第1話)の舞台裏映像はこちら!

【オウス・キーパー(誓約を果たすもの)】所有者:タースのブライエニー

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【アイス】を溶かして作られた2本のうちの1本。タイウィン・ラニスターの手から息子であるジェイミー(ニコライ・コスター=ワルドー)に贈られる。しかし、右手を失って義手となり満足に剣を振るうことのできないジェイミーが、スターク家のサンサ(ソフィー・ターナー)とアリア(メイジー・ウィリアムズ)を捜索する旅に出るブライエニー(グウェンドリン・クリスティー)に贈った、ラニスター家らしい金色で貫禄ある剣。

キャトリン・スターク(ミシェル・フェアリー)に仕えることを決めたブライエニーが、彼女との誓約を果たすという意味を込めて、【オウス・キーパー(誓約を果たすもの)】と名付けた。サンサとアリアを捜索中にこの剣を使って、"ハウンド"ことサンダー・クレゲイン(ロリー・マッキャン)を倒し、亡きレンリー・バラシオン(ゲシン・アンソニー)の仇であるスタニス・バラシオン(スティーヴン・ディレイン)への復讐を果たしている。常にブライエニーにとっては重荷となっているが、【オウス・キーパー】を使いこなせるのは彼女しかいない。

 

【ウィドウズ・ウェイル】所有者:ジョフリー・バラシオン→トメン・バラシオン→ジェイミー・ラニスター

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【アイス】を溶かして作られたもう1本の剣。タイウィン・ラニスターから結婚記念として孫のジョフリー・バラシオン(ジャック・グリーソン)へと贈られた。ジョフリーは叔父であるティリオン(ピーター・ディンクレイジ)から贈られた分厚い本を真っ二つにするなど、その場でヴァリリア鋼の強さを実演してみせるが、間もなく毒殺され、剣は持ち主を失うこととなる。

ジョフリーの死を受けて王位を継承した弟のトメン(ディーン=チャールズ・チャップマン)へと渡ったものの、兄の残虐な行為を目にしていたトメンが、その剣を振るうことはなかった。

そのトメンものちに死んだため、【ウィドウズ・ウェイル】は第七章でジェイミーの手に渡り、ドスラク人との戦いやハイガーデンへの侵略などで使われる。持ち主が次々と死すいわく付きの剣だが、ようやく使いこなせる人物の元へと渡った。

 

【ハーツベイン】所有者:サムウェル・ターリー

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ホーンヒルの主ターリー家に500年伝わる家宝。当主ランディル・ターリー(ジェームズ・フォークナー)が所有し、のちのち、相続権を有する末っ子のディコン・ターリー(トム・ホッパー)が受け継ぐはずだったが、ジリ(ハンナ・マリー)を連れて実家を訪ねたサム(ジョン・ブラッドリー)が家を去る時に勝手に持ち出し、今に至る。

ターリー家の家紋(弓を構えた狩人)を表すように、弓と矢の形で形成されている。ヴァリリア鋼でできているが、いまだ実戦での使用例なし。

 

【ニードル】所有者:アリア・スターク

20180420_sword_04.jpgシリーズを通して、強くたくましく成長していくアリア・スタークが使いこなす細身の剣。ナイツウォッチになるためにウィンターフェル城を後にする兄、ジョン・スノウより贈られた。姉のサンサが縫い針を持っているのに対し、自分にはこのニードル(針)という意味を込めて名付けられた。常に肌身離さず(何度か奪われたり、隠したりしたが)携えてきたアリアにとってはもはや身体の一部。

ブレーヴォスの名高い剣士にして師匠のシリオ・フォレル(ミルトス・イェロレムー)の教えである舞い踊るような剣さばきと、"顔のない男"ジャクェン・フ=ガー(トム・ヴラシア)の元で学んだ技術を駆使して、次々と、復讐する相手を列挙した殺しのリストを消化していく。

ちなみにアリアを演じるメイジー・ウィリアムズは、アメリカのTVドラマで初めて人を殺すシーンを演じた子役である。

▼そんなアリアの復讐シーンもある「冬の狂風」(第六章第10話)の舞台裏映像はこちら!

 

【ハートイーター】所有者:ジョフリー・バラシオン

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ジョフリーが、結婚記念にヴァリリア鋼の剣【ウィドウズ・ウェイル】をもらうまで使用していた。鉄の玉座に就いた後に繰り広げられたブラックウォーターの戦いに出向く際、サンサに自慢。出陣前に剣へのキスを要求し、帰還後に再度キスして叔父(スタニス・バラシオン)の血を味わえという鬼畜ぶりを発揮した。

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『ゲーム・オブ・スローンズ』にはこのように名前の付けられた剣も存在すれば、ロブ・スターク(リチャード・マッデン)やブロン(ジェローム・フリン)のような優秀な剣士が所有していながらも名前のない剣もある。また"ハウンド"のように剣に名前を付けるなんて間抜けと考える人物もいる。

ここで紹介した剣以外にも、刃から炎が吹き出すものや、ヴァリリア鋼でできた出自不明の短剣、ホワイトウォーカーを倒すために必要不可欠なドラゴングラスなど、個性豊かで魅力に溢れた武器が数多く登場する『ゲーム・オブ・スローンズ』。最終シーズンとなる第八章の放送までまだまだ時間に余裕があることから、剣に注目しながら再度過去のストーリーを鑑賞してみるなんて、いかがだろうか。

(文/zash)

 

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