消えた娘、浮かび上がる隣人の暗い闇...Netflix新作『SAFE 埋もれた秘密』

イギリス郊外の高級住宅街で、一人の少女が消息を絶った。監視カメラに残された映像を手掛かりに、父親は娘の足跡を追う。現場は、セキュリティー確保のため塀で一帯が囲まれた、いわゆるゲーテッド・コミュニティの内側。善良に見える隣人たちの中に娘の失踪に関わった人物が潜んでいるのだろうか――。Netflixで配信中の『SAFE 埋もれた秘密』は、やや古いトーンだが安心して観られると評判の新作ミステリードラマだ。

◆信用できない隣人たち
妻を癌で亡くして気落ちしているトム(マイケル・C・ホール)に追い討ちをかけるように起きた、16歳の娘ジェニー(エイミー・ジェームス・ケリー)の失踪事件。トムは独自に捜索を試みるも、次々と明るみに出る事実や手掛かりは絶望的な内容ばかり。部外者の立ち入りが制限された住宅区域での事件であることから、疑いの目は親友ピート(マーク・ウォーレン)を含む隣人たちへと向かってゆく。捜査を進めるうちに、一見善良そうな彼らがそれぞれに秘密を抱えていることが明らかになり...。

トムに協力するのはピートに加え、二人の刑事、ソフィー(アマンダ・アビントン)とエマ(ハンナ・アータートン)。経験豊かなソフィーはトムの新しい恋人でもある。大都市からこの街に転任してきたエマは、どうやら何か隠し事をしている様子...。さらに住区内では、離婚から学校でのセックススキャンダル、ひいては死体発見に至るまで、ありとあらゆる事件と秘密がうごめいている。

◆安心して観られる仕上がり
ドラマの構成はミステリーの王道といった印象で安心して観られる仕上がりになっている。米Hollywood Reporterは、常に流れる不安げなトーンが視聴者を画面に引き込むと述べている。

米Boston Globe紙は本作について、キャラクターの内面や陣営同士の衝突について深く描くよりもプロットを重視した作りであり、その点は『ブロードチャーチ~殺意の町~』や『THE KILLING/キリング』とは異なるとしている。また、主演のマイケルについては、彼のこれまでの出演作『シックス・フィート・アンダー』や『デクスター ~警察官は殺人鬼』のような複雑で多層的な感情を抱えたキャラクターではないとはいえ、それでも常に慌ただしく事件を追う姿は十分に楽しませてくれると評価している。

◆やや平凡で古くさい感も
安定感のある仕上がりである一方、それを平凡だと指摘する声も。トムが出会う人のほぼ全てが容疑者と化してゆくが、お決まりのパターンを繰り返すその展開はまるでミステリーをパロディ化した茶番のように感じる、とHollywood Reporterは指摘。さらに、多くの要素があることで、本作の核心であるはずの娘の失踪事件がやや地味になっているとも述べる。

細部の描写にも違和感が残る。作中では10代の若者がFacebookで頻繁に連絡を取り合うシーンがあるが、米Varietyはその行動がいささかリアリティに欠けると指摘する。ただしドラマ全般としてはしっかりと見応えのある仕上がりだとし、「驚きの展開、ヒント、次に引っ張る仕掛けが満載。中心を担うキャストたちも優秀」との評価だ。また、マイケルのほかにも、『SHERLOCK/シャーロック』のアマンダ、『ザ・ファイブ -残されたDNA-』のハンナ、『埋もれる殺意 ~26年の沈黙~』のナイジェル・リンゼイといった英国ミステリーで知られる俳優が出演しており、ミステリーファンも"安心"して観られるシリーズになっているのではないだろうか。(海外ドラマNAVI)

Photo:『SAFE 埋もれた秘密』
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