『ゲーム・オブ・スローンズ』ファン必見!ローマによるブリタンニア侵攻描く『Britannia』

『Britannia(原題)』は、古代ローマ軍によるブリタンニア(現在のイギリス)侵攻と先住部族への影響を描いた歴史ドラマ。『ゲーム・オブ・スローンズ』のミニ版とも称されるが、ヨーロッパの古代の森をバックにミステリアスな登場人物が作り出す世界は独特だ。また、美しく力強い女性戦士たちも大活躍する。2000年前のガールズ・パワーにも注目したい。

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■英SkyとAmazonが初タッグ。豪華キャストにも注目
本作は、英Skyとアマゾン・プライム・ビデオ初のコラボ作品だ。全9話で、イギリスでは今年1月中旬からSky Atlanticで放送された。舞台は西暦43年。現在のイギリスであるブリタンニアは戦国の王たちが支配する地であり、レグニとカンティイという地元部族の内部抗争が勃発していた。そのようなとき、古代ローマが90年前のユリアス・カエサル時代に失敗したブリタンニア侵略を再び試み、将軍アウルス・プラウチウス率いる大軍を派兵する。

製作と脚本には、イギリスで最も権威ある演劇・オペラに贈られるローレンス・オリヴィエ賞を受賞し、トニー賞にもノミネートされた、ジェズ・バターワース(『ジェームス・ブラウン ~最高の魂(ソウル)を持つ男~』)が参加している。舞台、映画で活躍してきた彼にとって、本作が初のテレビドラマとなった。英テレビ業界向けサイトBroadcastによれば、バターワースは「かつて小劇場で見られたような大胆さが近年のテレビ界で起こっている」とテレビの可能性に言及しており、Skyというパートナーに恵まれ、思い通りに仕事ができたと述べている。

歴史大作に相応しく、俳優陣も豪華だ。ブリタンニアに侵攻する冷酷なローマの将軍、アウルス・プラウチウスは、人気テレビドラマ『ウォーキング・デッド』の総督役、デヴィッド・モリッシーが演じる。レグニ族の女王、アンテディアには、映画『ハリー・ポッターと賢者の石』でフーチ先生を演じたゾーイ・ワナメイカー、レグニ族と対立するカンティイ族の王を、映画『スターウォーズ』のダーク・シディアス役、イアン・マクディアミッドが演じている。また、ドルイド(ケルト社会における祭司)のヴェランに、映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』のラゲッティ役、マッケンジー・クルックが起用されている。

■幻想的な歴史ドラマ 他にはないテレビ作品
Broadcastによれば、Skyが『Britannia(原題)』に求めたのは、単なる歴史のレッスンではなく「予想できない、直観的で、記憶に残る」作品だったという。古代ブリタニアのうっそうとした森を表現するため、撮影場所は雄大な自然を残すチェコがメインになった。ドルイドたちが集まる古代のストーンヘンジのセットも現地で製作し、日没時の石の影が美しく神秘的に映るよう計算されたという。

ストーリーも、ドルイドのマインドコントロールによる幻覚の世界など、脚本を書いたバターワースの不思議ワールド全開の作りとなっている。他にない作品というテーマ通り、史実に忠実な歴史ドラマとは対照的な、呪術的でミステリアスな世界が広がっている。

■2000年前は男女平等 女性の活躍にも注目
テレビ・ラジオ番組を扱う週刊誌、英Radio Timesは、もう一つの見どころとして女性キャラクターの活躍を上げている。父系社会ではなく、男女平等だった当時のブリタンニアでレグニ族を率いるアンテディアは、残忍かつ憎しみにあふれる女性戦士として登場する。対抗するカンティイ族の王の娘、ケラも馬にまたがりさっそうと原野を行く。向こう見ずで反抗的な王の子供は、「他のドラマでなら息子であったはず」とケラ役のケリー・ライリー(『スパニッシュ・アパートメント』)は語っている。ケリーは騎馬戦でのスタントも自分でこなしており、プロデューサーのリック・マカラムは「馬に乗せたら最高の女優の一人」と絶賛している。

さらに注目は、キャンティー族の王子の妻でありながら王座を虎視眈々と狙うアメナだ。二人の夫を持ち、男を利用する悪女キャラで、劇場出身のアナベル・スコーリーが演じている。これまでか弱い女性役を演じることの多かったアナベルは、「ブリタンニアでは女性は女神であり、月も女性だ」と述べ、新鮮で自由な女性戦士役を楽しんでいたそうだ。(海外ドラマNAVI)

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Photo:デヴィッド・モリッシー
Kathy Hutchins / Shutterstock.com