『フィアー・ザ・ウォーキング・デッド』シーズン4にモーガン登場、本編とのクロスオーバーが強固に

『ウォーキング・デッド』のスピンオフ作品でありながら、オリジナルのストーリーで楽しませてくれる『フィアー・ザ・ウォーキング・デッド』(以下『FTWD』)。最新のシーズン4では、オリジナルシリーズでグループを離れた武術の使い手モーガン(レニー・ジェームズ)がスピンオフに移籍。オリジナルとのさらなる連携強化が期待される展開となっている。

■孤独な男モーガン、テキサスへのロードトリップへ
卓越した武術の使い手でありながら、ゾンビに転化した人間を殺すことに戸惑いを覚える男、モーガン。次々と死が襲うオリジナルシリーズにおいて、シーズン1からの数少ない生き残りでもある。『ウォーキング・デッド』最新シーズンで、一行と行動を異にすることを決断。オリジナルシリーズから姿を消した彼が、『FTWD』にシーズン4から登場する形となった。

1話の開幕とともに『FTWD』に姿を見せたモーガンは、ジャーナリストのアルシア(マギー・グレイス)に対し、自身の故郷へのロードトリップに出ないかと提案。以前、彼女にインタビューを受けた際には、出身地の詳細を明かすことを拒んでいたモーガンだが、説明するよりも実際に連れていくという申し出は、語らずに行動で見せるという彼の美学を体現したもの。ところが、突如発生したハリケーンの影響で、出発はしばし見合わせになる。

このハリケーンは、『FTWD』の既存のキャラクターたちにも深刻な危機をもたらす。昨シーズン、ゾンビの犠牲となる形で母を失ったアリシア(アリシア・デブナム=ケアリー)は仲間の元を離れ、ハリケーンの近づく地域を単身彷徨っている。共同体を率いるルシアナ(ダナイ・ガルシア)は彼氏を撃ったチャーリー(アレクサ・ナイセンソン)を許すが、この二人も暴風雨の中に。ヴィクター(コールマン・ドミンゴ)とジョン(ギャレット・ディラハント)、アルシアとジューン(ジェナ・エルフマン)は、それぞれ車中で足止めを食らっており、周囲を見渡すとハリケーンの暴風で飛ばされてきたゾンビたちが......。

■メイン作品との結びつきを強化
オリジナルシリーズからの移籍が話題を呼んでいるモーガンだが、扮するレニーはいつも通り安定した演技力で、他のキャラクターとも呼吸がぴったりだと米CNNは評している。誰にも頼らない一匹狼で、厳格な性格の持ち主でもある彼は、カウボーイ・ハットの似合うジョンと良いコンビ。また、今シーズンから登場している3人の新キャラクターとの相性も良い。モーガンの導入はスピンオフのストーリーに活気を与え、オリジナルシリーズのファンを一層惹きつけるのではと期待がもてる。

シーズンの幕開けと同時に顔を見せたモーガンが一瞬でファンの心を射止めた、と米Vanity Fairは歓迎する。シリーズを魅力的にするこの仕掛けによって、スピンオフとオリジナルシリーズとの間に橋が架けられたと高く評価。新しい刺激的なキャラクターの導入は、ストーリーを新しい方向に導くきっかけになりそうだ。『FTWD』史上、最も『ウォーキング・デッド』と連動したプロットが期待できると、同メディアはさらなるクロスオーバーに期待を募らせる。

■新パターン、ゾンビが宙を舞う
そんなモーガンの旅路を阻む大型のハリケーンは、既存キャラクターをさらなる危機に追い込む舞台装置かもしれない。ゾンビがまるで枯れ葉のように巻き上げられる、と米Screen Rantは表現する。天高く吹き飛ばされた「ウォーカー」たちは思わぬところに落下し、登場人物たちを背後から襲う。すでに緊迫している状況にさらに追い打ちをかける脚本家の腕には感服だ。

迫力の嵐のシーンについて、Vanity Fairは視覚効果に注目している。まるで竜巻に呑み込まれた牛たちのように、次々と宙に吸い上げられてゆくゾンビたち。その秀逸なビジュアル・エフェクトは抜群の臨場感を生んでいる。ソンビが嵐で飛ばされてゆくという表現は面白く、これまでにどの作品もやってこなかったのが信じられないほどだと述べており、同メディアは新鮮な設定をいたく気に入っている。

モーガンの登場で勢いをつけただけでなく、空から襲来するゾンビという新たなシチュエーションを発明した『フィアー・ザ・ウォーキング・デッド』シーズン4。日本では、Amazonプライム・ビデオにて順次(本日現在第8話まで)配信中。(海外ドラマNAVI)

Photo:『フィアー・ザ・ウォーキング・デッド』シーズン4
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