マーベル・コミックのレジェンド、スタン・リーが95歳で永眠

『スパイダーマン』『アイアンマン』『X-MEN』といったマーベル作品の生みの親であり、アメコミ界の巨匠スタン・リーが、11月12日(月)、カリフォルニア州ロサンゼルスの病院で死去した。95歳だった。米TV Lineなど複数メディアが報じている。

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リーは同日、シダーズ・サイナイ医療センターに急患として搬送されたのち、死亡が確認されたという。詳しい死因は明らかにされていない。

1939年、叔父の経営するタイムリー・コミックス(後のマーベル・コミック)に入社したリーは、週に8ドルの給料から漫画界でのキャリアをスタート。当時市場は、「スーパーマン」「バットマン」「ワンダーウーマン」「グリーン・ランタン」などのDCコミックスに独占されており、リーは何年もの間、漫画の編集や校正、時々イラストを描くなどして働いていた。1960年代初めに、DCのスーパーヒーローたちが活躍する「ジャスティス・リーグ」に対抗して、スーパーヒーローのコミックに限りなく現実的要素をつぎ込んだ「ファンタスティック・フォー」を創刊。"フィクションに現実世界を導入する"という試みのもとに、舞台を現実の都市とし、ヒーローなのに生活に困窮する様子を描くなど、それまでのコミックとは逆の視点でヒーローを描き人気を博した。

リーは上記作品の他にも、『デアデビル』『ハルク』『ドクター・ストレンジ』など数多くのアメコミ作品製作に携わっただけでなく、『CHUCK/チャック』『NIKITA/ニキータ』『The Gifted ザ・ギフテッド』『ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則』などのTV作品に俳優としてゲスト出演するなど、精力的に活動。また昨年は、『スタン・リーのラッキーマン』という英国が舞台のアクションドラマも手掛けた。

1972年からマーベル・コミックの発行人を務めるようになったリーは、同社の顔としてほとんどのマーベル映画でカメオ出演を果たし、その飾らない人柄から業界内外問わずファンが多い。業界の重鎮を失い、セレブや業界関係者らが哀悼の意を表している。

・ケヴィン・ファイギ(『キャプテン・マーベル』『ブラックパンサー』製作)
「マーベル・スタジオで、リーは私のキャリアで一番影響を与えてくれた人物でした。彼は、今後未来永劫に語り継がれる壮大な伝説をこの世に残しました。お嬢様、ご家族、そして世界中のファンのことを祈っています」

・クリス・エヴァンス(『キャプテン・アメリカ』)
「スタン・リーの代わりになる人はいません。何十年もの間、彼は若者にも年長者にも、冒険、逃避、労わり、自信、インスピレーション、強さ、友情、そして喜びをもたらしてくれました。彼からは愛と優しさが溢れていました。数え切れない人々に、拭い去ることのできない痕跡を残していきました。エクセルシオール!(リーが締めに用いるお決まりの言葉)」

・ロバート・ダウニー・Jr(『アイアンマン』)
「あなたには借りだらけです。スタン、安らかに」

・トム・ホランド(『スパイダーマン:ホームカミング』)
「リーから恩恵を受けている人はどれくらいいるだろう。僕が一番受けていると思う。マーベルの父は、多くの人を幸せにした。なんという人生で、なんと素晴らしい業績だろう。スタン、どうぞ安らかに」

・マーク・ハミル(『スター・ウォーズ』)
「リーの貢献でポップカルチャーは革命的になり、誇張ではない。彼は皆が願う最高の、いやそれ以上の人物だった。彼が大好きだったし、これからも一生彼を慕い続けるだろう。(幻滅するから)子どもの頃に憧れた人に会うなとよく言われるが、それは間違いだ(憧れのままの人だった)」

・トム・ハーディ(『ヴェノム』)
「最も尊敬するリー」

多くの人たちに愛されたリーの冥福を祈りたい。(海外ドラマNAVI)

Photo:スタン・リー
(C)NYPW/FAMOUS