HBO、今後全てのベッドシーンに"監視人"をつけることに

『DEUCE/ポルノストリート in NY』シーズン2では、性的シーンを監視する専門家が試験的に採用されたが、米HBOは今後製作する全てのTVシリーズと映画で同役の配置を決定した。性的虐待を防ぎ、関係者が不快な思いをしないためだという。米Hollywood Reporterが報じた。

米Rolling Stone誌がHBOと『DEUCE』のインティマシー・コーディネーター(性的シーンの専門家)であるアリシア・ロディスについて取り上げた記事を受け、今年10月に同局は公式Twitterにて「Rolling Stone誌が伝えた通り、今後HBO全番組の性的シーンにインティマシー・コーディネーターが配属されます」と、今後の方針を正式に発表した。

ロディスは『DEUCE』で初めてHBOの作品に参加し、以降、『クラッシング』や『ウォッチメン』シリーズ新作、『デッドウッド 〜銃とSEXとワイルドタウン』の現場についてきたという。今後は、ゼンデイヤ(『グレイテスト・ショーマン』)が主演を務める高校を舞台にしたクライムドラマ『Euphoria(原題)』の現場で、新たなインティマシー・コーディネーターを育成してくとのこと。

『DEUCE』のベッドシーンに専門家が置かれるようになったのは、娼婦のローリーを演じているエミリー・ミードが、「性的なシーンに専門家をつけて欲しい」とシリーズのクリエイターとHBOに訴えたことがきっかけだった。#MeTooの流れを受け、エミリーはどんな些細なスタントシーンにもスタント・コーディネーターがつくのに対し、セックスシーンにはそのような措置が取られないことを疑問に思っていたのだという。

「すべての人間、男性、女性にとって最も脆弱なものの一つであるセクシュアリティに関しては、何のシステムもない。専門知識を持って、私たちを守ってくれるような人が(現場に)要求されたことは一度もなかったの」と、エミリーはコメントしている。

HBOはロディスが属する設立間もない非営利団体インティマシー・ディレクター・インターナショナルを通じて、舞台や映像でのセックスシーンの基準を体系化し、関係者を性的虐待から保護することを目指している。『DEUCE/ポルノストリート in NY』の共同クリエイター、デヴィッド・サイモンは、今後インティマシー・コーディネーターなしで働くことは決してないとRolling Stone誌に宣言している。(海外ドラマNAVI)

Photo:『DEUCE/ポルノストリート in NY』
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