フランス発のNetflixオリジナルシリーズ『OSMOSIS/オスモシス』が独占配信中だ。アルゴリズムによって運命の相手を探し当て、人間に最高の幸福である愛を与えようと考える兄と、テクノロジーや脳科学に関しては天才だが人間味に欠ける妹。この二人が出会い系アプリ「オスモシス」を開発する。一途な愛、未熟な愛、同性愛、家族愛という永遠のテーマを、色とりどりの俳優陣が熱演。兄役として主演するのは『ゴシップガール』でモナコ王子を演じて話題になったヒューゴ・ベッカー。ヨーロッパ作品らしい空気感が心地よいヒューマンドラマだ。
兄妹が開発した運命の相手を探し出すデートアプリ
人工知能をはじめとするテクノロジーが目を見張る進化を遂げた近未来のパリ。すべてが便利になったように見える生活だが、人間の悩みは今と同じ、恋愛だ。今一緒にいる人が運命の人なのか、また、自分にも本当に運命の人が存在するのか...。そんな人間の永遠の疑問に答えを出してくれる出会い系アプリを開発した兄妹は、被験者を使って施行テストを始めた。
錠剤状のカプセルを飲むだけで被験者の脳にナノボットが埋め込まれる。そのナノボットが脳波を読み込み、さらにソーシャルメディアなどに溢れる情報を集めて比較することで運命の相手を導き出すことができるというのだ。アルゴリズムで導き出された運命の相手は、本当の幸せをもたらすのだろうか。
『OSMOSIS/オスモシス』の焦点はヒューマニティ
エンターテイメントサイトのDeciderは、『OSMOSIS』のコンセプトには目新しさはないが、兄妹の複雑なライバル関係というドラマが盛り込まれており、楽しめるシリーズであると評価。「『OSMOSIS』が運命の相手(ソウルメイト)かどうかはわからないが、視聴というデートをして、確かめる価値がある」とウィットに富んだ文章でレビューを締めくくっている。
本作のコンセプトに目新しさを感じないとするメディアは多く、とくに、同じくNetflixオリジナルシリーズの『ブラック・ミラー』のエピソード「Hang the DJ」との類似点を指摘されている。
The Vergeも2つのドラマの類似性を指摘しているが、『OSMOSIS』はテクノロジーに焦点を当てるのではなく、それを使う人間の喜怒哀楽を見せており、ストーリー性があるとして高評価を与えている。脳の中に直接チップを埋め込まれても、人間というものは簡単に割り切れない。そして、「テクノロジーはただの道具」であり、「情報を与えるだけで、どう行動するかを決断するのは人間自身である」ことを訴えていると書く。
近未来の科学をメインテーマとして扱いながらも人間としてのあり方を提唱するかのような『OSMOSIS』は、一人ひとりの被験者の心情に心を寄せながら鑑賞できる秀作といえるだろう。
Netflixオリジナルシリーズ『OSMOSIS/オスモシス』は独占配信中。キャストなどの作品情報はこちら。(海外ドラマNAVI)
Photo:
『OSMOSIS/オスモシス』
(C)Jessica Forde/Netflix