『ベスト・キッド』続編『コブラ会』に早くも第2弾!悪者師範が真の空手道に目覚める

名作映画『ベスト・キッド』から34年の時を経て昨年登場した続編ドラマ『コブラ会』。映画版で主人公の宿敵だった空手少年ジョニーがドラマ版では主役を張っている。80年代に同役を演じたウィリアム・ザブカが、怠惰な中年男に成長したジョニーを続投。道場の看板を賭けたシーズン2は現在YouTube Premiumで配信中だ。

真実の空手道とは? 卑怯な戦術でのし上がったコブラ会に変化が

いじめに遭っていたミゲル少年(ショロ・マリデュエニャ)をシーズン1で助け、すっかり懐かれてしまった中年男のジョニー(ウィリアム)。頼み込まれるままに空手道場「コブラ会」を開くと、あれよあれよという間にいじめられっ子たちの駆け込み寺に。こうしてジョニーが鍛えたミゲルは、念願の空手チャンピオン大会に出場する。運命のいたずらにより、ミゲルはジョニーの実の息子ロビー(タナー・ブキャナン)との決戦をクライマックスで迫られていた。

シーズン2でジョニーは、「情けは無用」というコブラ会のモットーに疑問を抱くように。チャンピオン大会で相手のケガを狙ったミゲルがジョニーの目を覚ましたのだ。道場の生徒に対し「汚い手は使うな」と指導方針を改めるジョニーだが、生徒のなかには急な方針転換を受け入れられない者も。一方、宿敵ダニエル(ラルフ・マッチオ)はロビーのために自ら道場を開き、正しい精神に則った流派「ミヤギ道」を伝授する。打倒コブラ会に全力を傾けていたダニエルは、ミヤギ道の教えを見つめ直した結果、コブラ会とともに繁栄する道を目指すと宣言するが...。

シリーズが育んだ素晴らしさそのままに

本家『ベスト・キッド』シリーズは、1984〜89年の映画3部作に加え、2010年にもリメイク版が製作されている。著名シリーズの平凡な続編に過ぎないという厳しい前評判を覆し、本作『Cobra Kai』は高評価を見事に勝ち取った。シーズン1はレビューサイトRotten Tomatoesで批評家たちから100パーセントの高評価を獲得している。Forbes誌寄稿者のメリル・バールは、デビューと同時に観客を圧倒したと脱帽する。格闘シーンの素晴らしさに加え、本ドラマの本家となる『ベスト・キッド』シリーズへの気の利いたパロディが好評だ。1期同様に、激しく、素早く、そしてあざといシーズンになっている。

ストーリーの核をなすのは、いじめられっ子が一矢報いるというコンセプト。この基本的な精神は34年前のオリジナルから永遠に変わることがないとLas Vegas Review-Journal紙は解説。夢とガッツを武器に空手少年がチャンピオン大会への道を切り拓くという本家のシナリオは、シットコム『ママと恋に落ちるまで』でニール・パトリック・ハリス演じるバーニーも虜にしていた。

最高の悪者による空手コメディ

良質なストーリーに加え、コメディに欠かせない笑いの質も十分。ジョニーは、ときおり惨めな生活を送ることもあり、それすらも格好の笑いのネタになっている。一方で、少年時代の空手大会を制したライバルのダニエルは、その知名度を生かしてカーディーラーとして成功。購入者には盆栽のおまけ付きとLas Vegas Review-Journal紙は小ネタを紹介している。シーズン1で燃え尽きてしまったジョニーが、今期で道場の威信回復を狙う。(海外ドラマNAVI)

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ウィリアム・ザブカ
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