【Netflix新作】冒険家の生死は視聴者の選択次第?双方向ドラマ第2弾『You vs. Wild -究極のサバイバル術-』

ゲーム感覚で楽しめるインタラクティブなシリーズ『You vs. Wild -究極のサバイバル術-』がNetflixから4月10日(水)より配信となった。冒険家のベア・グリルスがジャングルのなかや雪山を行くが、そのストーリーの進行を二者択一で視聴者が選んでいく。ベアは、10代で空手黒帯取得、元イギリス軍特殊部隊SAS、そして23歳でイギリス登山家最年少のエベレスト登頂を達成している猛者。私たちが多少、間違った選択をしてしまっても大丈夫...なハズ?

ベアを生かすも殺すも、視聴者の選択次第?

危険なジャングルで、隔離された村の子どもたちにマラリアのワクチンなどの医療品を運んでいた女性の医者が行方不明になった。彼女が最後にいた場所はジャングルの奥地。救出に乗り出すベアだが、果たして無事にたどり着けるのか。大きなワニがひしめく川を泳いで渡る最短コースを取るか、時間がかかってもワニのいない地上を行くか、ベアに指示を出して進む。

ジャングルでの冒険だけでなく、雪山でセントバーナード犬を救出するミッションや砂漠で飛行機を探しだすなど、複数のサバイバルストーリーが用意されている。

大人には物足りない?

Netflixのインタラクティブコンテンツといえば、すでに公開されて話題を呼んだ『ブラック・ミラー』のなかの1話『バンダースナッチ』。しかし本作は、『バンダースナッチ』とはまたひと味違う視点から、視聴者を巻き込んでいく――。

『バンダースナッチ』と比べると、本作は明るく、軽く楽しめるとしたレビューを掲載しているのが英Telegraph紙だ。実は本作ではベアを死なせたり、危ない目に合わせたりする展開は用意されていない。ベア本人はシリーズ配信にあたり、「自分を嫌な結末に送りこもうとする視聴者がいるだろうと予想している」と語ったという。同メディアは「私たちを楽しませるために彼が払う犠牲には限界がある」と言い、残酷なサディストやベアが気に入らない視聴者はがっかりするかもしれないと述べる。

ベアは英国出身でウィリアム王子の母校である英国の名門イートン校を卒業し、イギリス海兵隊の名誉階級である中佐を授与されている。もしかしたら多少、やっかみ半分でいじめてやりたいと思う視聴者がいるかも!?

しかし、そのような「危険がないストーリー展開は逆にこのシリーズの強みである」とTelegraph紙は分析する。ボーイスカウトのような軽いノリで、20分というストーリーに見合ったワイルドアドベンチャーを体験させてくれると評している。

家族で楽しむにはぴったり!

ベアに命の危険があるかどうかは、やはり多くのレビュアーの興味を引くところのようで、米New York誌のエンタメサイトVultureも「彼を殺すことはできない」というタイトルでレビューを掲載。

Vultureは「現実味がない」として厳しめのレビューを掲載しているが、面白いのはそのレビューに対するコメントだ。

「Vultureのレビューは、大人の視点から見たレビューとすれば確かにその通りだ」とある読者は書いている。また別の読者は、現実味があるかどうかは焦点ではないとするコメントを残している。どちらの読者も、10歳以下の子どもを持つ親のようだ。彼らの「(Netflixは)私たち大人だけのためのものではない」という意見にハッとさせられる。

『You vs. Wild -究極のサバイバル術-』は、ベアがジャングルや極端に厳しい自然のなかに生きる生物のことを教えながら進んでいく、学びが多い番組だ。どの展開を選んでも、命の危険がないのでスリルはないが、子どもにも安心して見せることができる新しいエンターテイメントと言えるだろう。

大人は軽い気持ちで、そして子どものいる家庭では、ビデオゲームの代わりに、自然を学べる題材として全8エピソードを楽しんでみては。作品見どころやレビューなどは海外ドラマNAVI作品データベースをチェック!(海外ドラマNAVI)

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『You vs. Wild -究極のサバイバル術-』Netflix独占配信中