『ゲーム・オブ・スローンズ』のあの人に真実の愛!? エロス漂う『Harlots』シーズン3

18世紀のロンドンを舞台に、風俗産業に従事する女性たちが泥沼の応酬を繰り広げる『Harlots/ハーロッツ 快楽の代償』。7月上旬から英ITVで放送中のシーズン3では、『ゲーム・オブ・スローンズ』でシオン・グレイジョイを演じたアルフィー・アレンが、新たなキャラクターとして出演する。

売春宿同士の熾烈なバトル、その1年後

色宿を経営する二人の女性の熾烈なバトルに固唾をのむ本作。タイトルの「Harlots」はズバリ「売春婦たち」を意味する。シーズン1ではマーガレット(サマンサ・モートン)が実の娘二人を働かせる場として売春宿を開業。ところが、地域の古参リディア(レスリー・マンヴィル)の縄張りを荒らす結果となり、彼女を激怒させてしまう。シーズン2では心労と恋人との不仲が重なり限界に達したマーガレットだが、天性の策士としての才能を発揮。リディアの店に監査が入ったのを契機に一発逆転の奇策に打って出ていた。

シーズン2のラストから1年後を描く最新シーズンでは、マーガレットの長女シャーロット(ジェシカ・ブラウン・フィンドレイ)が主人公の座を継承。母から継いだ店を営みつつ、暴力的な輩から売春婦たちを守り信頼を集める。一方、純真無垢だったマーガレットの妹ルーシー(エロイーズ・スミス)は、サディスティックな魅力を振りまく女性に変貌。荒れ果てたリディアの元邸宅を買い取り、同性愛者同士の出会いを目的とした違法な酒場の開業に乗り出す。娘たちにストーリーのバトンが渡されてなお、波乱の予感が漂うシリーズだ。

罵声にも知性。格式あるエロス

18世紀の売春婦の暮らしを綴るエロティックなドラマ、と米Hollywood Reporter誌は本作を表現。しかし、ただ官能的なだけでなく、しっかりとしたストーリーが根を下ろしていることが効いている。女性同士の愛憎劇がキャラクターたちに動機を与え、色気のあるシーンに説得力を添える。さらには罵声の中にもシェイクスピア作品からの引用を交えるなど、知性ある試みが作品の格を高めている。

本作が社会の不公平さや女性への暴力などの重いテーマを内包してきたことについて、米Indie Wireは物語の真実味を高める要素として肯定的に捉えている。また、優れた洞察やトガッたユーモアで収束させる工夫が行き届いているため、すっきりとした余韻を楽しむことができる。

詩人登場で新たな局面へ

新キャストのアルフィーが演じるのは、傲慢な詩人のアイザック。彼とシャーロットの軽妙なやり取りが楽しいワンシーンをHollywood Reporter誌は紹介している。シャーロットの店に来たアイザックは、詩人らしく「技巧たっぷりの舌で稼いでいるのさ」と得意げに話しかける。するとシャーロットは「私と同じね」とオトナな一言。

このアイザックについてIndie Wire誌は、血気盛んだがチャーミングでもあると紹介。シャーロットと惹かれ合い、ドラマチックなストーリーを紡ぐ。シーズン2でシャーロットの恋人役で登場したリヴ・タイラーを含め、このドラマには多くの才能が引きつけられている、と同誌。アイザックの登場で人間関係がガラリと変わり、物語は新たな局面に突入してゆく。

シャーロットとアイザックが新たな世界を紡ぐ『Harlots』シーズン3は、英ITVで放送中。同作のシーズン1&2はU-NEXTで配信中。アルフィーが登場する『ゲーム・オブ・スローンズ』はHuluで視聴可能。シャーロット役のジェシカの過去作としては、シビル・クローリーを演じた人気ドラマ『ダウントン・アビー』がAmazon Prime Videoで配信中だ。(海外ドラマNAVI)

Photo:

『Harlots/ハーロッツ 快楽の代償』
©Monumental Pictures for ITV Encore & Hulu.