『MANIFEST/マニフェスト』インタビュー【4】ロバート・ゼメキス(製作総指揮)「視聴者が楽しめる要素がすべて詰まっている」

約200人の乗った飛行機が飛行途中で一瞬、激しい乱気流に遭うものの無事に到着する。しかし、着いてみると世界では5年半もの時が経っていた。さらに彼らは不思議な"声"が聞こえたり"ビジョン"が見えるようになり...。「浦島太郎」とSFミステリードラマ『4400 未知からの生還者』を彷彿とさせるSFサスペンスドラマ『MANIFEST/マニフェスト』が、10月15日(火)からスーパー!ドラマTVにて日本初放送となる。ロバート・ゼメキス(『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『フォレスト・ガンプ/一期一会』)製作総指揮の本作からキャスト、スタッフ、声優のインタビューをお届けしていこう。第4回に登場するのは、製作総指揮を務めるロバート・ゼメキス。本作の持つ魅力や影響力について語ってくれた。

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――なぜ今回TVシリーズである『MANIFEST/マニフェスト』を手掛けることにしたのですか?

素晴らしいストーリーだからだよ。今まで手掛けたTVシリーズもそれが理由だ。映画ほどTVシリーズは手掛けていないけれど、ストーリーによってはTVシリーズのように長期にわたって描く方が適している場合もある。そして本作のストーリーはTVシリーズで描く方が適していると思ったんだ。

――この物語は旅客機がキーポイントになっていますよね。ご自身は飛行機を操縦されるそうですが、それもこの作品に惹かれた理由の一つですか?

僕はパイロットだから、この作品のような出来事が実際に起こったら飛行機のシステムはどうなるのかなどが知れることはとても興味深いよ。僕はそういう意味では細かい情報などを、厳しく見てしまう部分もあるけど、みんな飛行機には乗るだろうから、もし自分の身に同じようなことが起きたらと考えて、登場人物に共感できると思う。

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――第1話はデヴィッド・フランケルが監督していますが、彼を選んだ理由は?

デヴィッドは素晴らしい監督で、多くの優れた映画やTVシリーズを手掛けてきた。彼はビジョンを持っているし、脚本をちゃんと理解している。今回のようなストーリーを手掛けるのが得意だしね。それにとても良いキャストをキャスティングし、彼らから素晴らしい演技を引き出すことができる。優れたストーリーテラーだから、この作品には最適だよ。

――今回、あなた以外にも豪華な顔ぶれが製作陣として名を連ねていますが、ジェフ・レークやジャック・ラプケとの仕事はいかがでしたか?

ジェフと一緒に仕事をするのは最高だよ。彼は素晴らしい脚本家でプロデューサーだ。この作品に関して明確なビジョンを持っているしね。彼の脚本を読んだ時、瞬時に心打たれたよ。次の展開が気になってページをめくり続けたくなるような、そんな良い脚本に出会えることは滅多にないんだ。ジャックとは長い間パートナーとして仕事をしてきた。僕らは映画やTVシリーズの好みが合うし、本作は僕らにとって最適の作品なんだ。

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――『MANIFEST/マニフェスト』はどんな作品ですか?

ミステリードラマだからあんまり詳しい内容は話せないんだけど...。約200人を乗せた旅客機が激しい乱気流に見舞われるけど、空港に無事着陸する。その後、乗客たちは自分たちの乗っていた旅客機が実は5年半もの間行方不明になっていたと聞かされる。彼らは30秒ほどの乱気流に遭遇しただけのはずなのに、世界は5年半も先に進んでいたんだ。まさに「浦島太郎」状態だよね。彼らは世界の歴史の5年半間を見逃してしまった。その間に子どもは成長していて、妻は夫が死んだと思って前に進んでいたりする。時間を失ってしまうということは大変なことだ。この事件により引き起こされる彼らの気持ちの葛藤や影響、そしてそれに彼らがどう対応し、どう解決していくのかということがとても興味深く描かれている。視聴者は登場人物たちに共感できると思うし、彼らの進む道を見守りたいと感じてくれるだろう。

――本作には謎解き以外の要素もあるのでしょうか?

こういうタイプのミステリーでは、僕らは様々な人間ドラマや人生におけるいろいろな疑問を探求できる。それに謎に満ちた設定を入れることで、人間の真実を突き詰め、人生における疑問を問いかけ、答えを出すことができるんだ。

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――今後どのような物語が展開していくのでしょう?

乗客たちが遭遇する事件はいろんな形で人々の人生に影響を与えるんだ。小石を池に投げると水面に波紋が広がる波及効果みたいにね。約200人しか実際には体験していないことでも、世界中に影響を与えることになるんだ。本当にいろんなストーリーが盛り込まれているよ。

――この作品は、超常現象のような出来事も描いていますよね?

そうだね。この物語は奇妙な出来事を描いていて、とても謎に包まれているけれども、実際は何が起こったのか?超常現象なのか?それとも別の意図が関わっている現象なのか?といった多くの疑問が提起されていくんだ。こういう作品を魅力的なものにするには、人生における多くの謎を誇張して表現することが効果的なんだ。大きな謎を取り上げ、エンターテイメント性を含ませて、説得力を持たせるために謎を探求したりしてね。

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――第1話を拝見しましたが、とても素晴らしかったです。

第1話は製作価値のある素晴らしい要素にあふれているよ。ストーリーにとても現実味がある。旅客機の乗客たちに起こる奇妙な現象、そしてその出来事が彼らの生活に与える影響などが素晴らしく興味深く描かれているんだ。それに多くのスペクタクルも含んでおり、それらがこの作品が"普通"ではない優れた価値のある作品にしているんだ。

第1話では空港や飛行機内のシーンが多く出てくる。現実でもみんな飛行機や空港を利用するだろうから、親近感は沸くだろうし、そういうありふれた設定で信じられない事件が起こるというのがこの作品をより魅力的なものにしているんだ。

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――視聴者には本作をどのように楽しんでもらいたいですか?

登場人物たちの置かれた状況を自分に置き換えながら楽しんでほしいね。ストーリーが巧みで説得力があり、キャストも素晴らしく、登場人物もよく描かれているから、彼らの行動や状況を理解でき、共感できるはずだ。感情移入する対象が事件を直接体験した乗客たちであれ、その乗客たちの身内や関係者であれ、「もし自分ならどうするだろう? どんな行動を取るだろう?」と思わず問いかけてしまうだろうし、どんな結末になるのか楽しみになると思うよ。

――本作は世界中の視聴者に受け入れられると思いますか?

このストーリーは普遍的なんだ。舞台をアメリカのニューヨークに設定しているけど、どの国や場所に設定しても変わらないだろう。本作は人間の性質や真実を探求する物語であり、そういうところがこの作品を魅力的でとても緊迫感のある興味深いものにしているんだ。

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――キャストの皆さんはいかがですか?

とても素晴らしいキャストたちだよ。作品の軸であるミカエラ・ストーン役のメリッサ・ロクスバーグは、素晴らしい演技を披露してくれている。感情豊かで、見ていてとても興味深い。彼女が演じることによってミカエラというキャラクターやストーリーがより魅力的になっているんだ。

そしてもう一人、重要な役どころであるミカエラの兄ベン・ストーン役のジョシュ・ダラスは、ベンの持つ力強さ、理論的なところや責任感があるところをしっかりと表現してくれている。さらにベンの妻グレース役のアシーナ・カーカニスは、波乱だらけの出来事によって揺れ動く心情を見事に表現している。結末が予想もつかないからこそ、アシーナの演技はとても興味深くて魅力的なものになっているよ。

――本作のジャンルは何になるのでしょう? 人間ドラマ? それともミステリーでしょうか?

『MANIFEST/マニフェスト』は超常現象ミステリーでとてもダイナミックな人間ドラマだ。いろんな要素を凝縮したTVシリーズなんだ。視聴者が楽しめる要素がすべて詰まっているよ。

<『MANIFEST/マニフェスト』インタビューリレー>
【1】メリッサ・ロクスバーグ(ミカエラ・ストーン役)「無料航空券なんて受け取っちゃダメよ!」
【2】ジョシュ・ダラス(ベン・ストーン役)「『LOST』と『THIS IS US』を掛け合わせたようなドラマ」
【3】ジェフ・レーク(製作総指揮)「先の展開?僕自身はいろいろ知ってるよ」
【5】三森すずこさん(ミカエラ・ストーン役)「リアリティもあるけど、ファンタジックでミステリーもあって面白い」
【6】森川智之さん(ベン・ストーン役)「一番の見どころは細やかなリアルさ」

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■『MANIFEST/マニフェスト』放送情報
スーパー!ドラマTVにて10月15日(火)22:00より独占日本初放送スタート!
[二]毎週火曜 22:00~
[字]毎週火曜 24:00~
公式サイトはこちら

Photo:

『MANIFEST/マニフェスト』
© Warner Bros. Entertainment Inc.