『新スター・トレック』のジャン・リュック・ピカード艦長のその後を描く米CBS All Accessの新作ドラマ『Star Trek: Picard(原題)』でショーランナーを務めるほか、作家としても知られるマイケル・シェイボンが、自身の本を元にした新作ドラマを製作することが明らかになった。
これまでにも著作の「ワンダー・ボーイズ」「The Mysteries of Pittsburgh(原題)」が映画化されたほか、『スパイダーマン2』では原案を担当し、製作総指揮と脚本を手掛けた『アンビリーバブル たった1つの真実』が高い評価を得ているシェイボン。米Showtimeで放送される新作ドラマは、彼が2000年に刊行した「カヴァリエ&クレイの驚くべき冒険」(早川書房)を元にしたもの。いとこ同士のジョーとサミーは、スーパーマンの大ヒットで沸くコミック業界で有名になろうという野心を抱き、究極のヒーロー「エスケーピスト」を誕生させる。エスケーピストは瞬く間に大人気となり、その後ジョーは女性と恋に落ち、サミーは同性愛者としての自覚が芽生える。そんな二人の青年に降りかかる波瀾万丈な人生をドラマティックに、600ページ以上もの濃い内容で描かれた小説は、ピュリッツァー賞も受賞した。長編ではあるが壮大な小説ではなく、絶妙にパターン化され、詳細なシーンで構成されており、むしろグラフィックノベルや漫画に近いとも言えるだろう。
ドラマ版は、原作者のシェイボンと、彼の妻であり『アンビリーバブル たった1つの真実』も共作した脚本家のアイアレット・ウォルドマンが脚本・製作総指揮・ショーランナーを担当。『スター・トレック:ディスカバリー』のアレックス・カーツマンとアキヴァ・ゴールズマンも製作総指揮に名を連ねる。Showtimeの親会社であるCBSのTVスタジオの責任者、デヴィッド・スタフは以下のような声明を発表した。「アイアレットとマイケルはアメリカの著名な作家です。賞を受賞した小説やノンフィクションからTVや映画とのコラボレーションに至るまで、彼らは素晴らしい作品を数多く生み出しています。信じられないほど才能のある二人と協力できることを、本当に嬉しく思っています」
ちなみに、シェイボンの2000年に映画化された『ワンダー・ボーイズ』は3人の男の奇妙な交流を描くストーリーだが、それを演じたのはマイケル・ダグラス、トビー・マグワイア、ロバート・ダウニー・Jrで、奇遇なことに3人ともその後マーベル作品でスパイダーマン、アイアンマン、アントマンというアメコミヒーローを演じている。
シェイボンは、この新作のショーランナー専任になるまでは、『Star Trek: Picard』の製作にこのまま関わっていく予定だという。(海外ドラマNAVI)
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『ワンダー・ボーイズ』