作っておいしい!見て楽しい!海外のオススメ料理番組4選

緊急事態宣言が解除されたとはいえ、まだまだ不要不急の外出は控えたいもの。そこでおうち時間にオススメしたいのが、海外の料理番組。ローカルな市場から調達する食材に異国の風を感じるだけでなく、眠っていた料理への情熱を掻き立ててくれるかも。よくキッチンに立つ人にとっては、絶好のインスピレーションになること間違いなしだ。

日本でも人気のシェフが休日のほっこりメニューを伝授!『ビルズ・キッチン ノッティングヒル』

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日本でも人気のレストラン、Billsを展開しているオーストラリア出身の有名シェフ、ビル・グレンジャー。ロンドン西部の高級住宅街ノッティングヒルに妻子とともに引っ越した彼が、新居のキッチンからとっておきのレシピを紹介する。活気ある街の一角に自身のレストランを構えたビルは、週末になると家族のためにフライパンを振るう。天気の崩れやすいロンドンにマッチする料理を研究するのも楽しみで、子どもたちとのお出かけにはチョリソーの入った温かいスープを魔法瓶に入れて持参。また、リラックスしたい日にはチキンとレモンのパイが欠かせないのだとか。

第1話では、一家にとって欠かせない休日のメニューとなった「バターミルクパンケーキ ルバーブ添え」を披露。彼がオーナーシェフを務めるレストランの看板メニューでもある。オレンジ、バニラ、砂糖をふんだんに使った、酸味と甘味の絶妙なマッチがたまらない一品だ。続いて前述のチョリソーのスープに取りかかるが、実は固形スープを使ってちょっとズルをしたのだといたずらっぽく笑う。朗らかなビルの語り口に乗せて、プロの料理人が過ごす休日のスタイルを楽しもう。まるでビルに招かれて彼の家族と一緒に休暇を過ごしているような気分になれる温かいシリーズだ。Amazon Prime Video、Huluで全10話が配信中。

アパルトマンから飛び出す名料理『レイチェルのパリの小さなキッチン』

お次はフランスのキッチンから。ロンドン出身のフードライターであり自らもキッチンに立つレイチェル・クーが、自宅のキッチンからフランス料理のコツを伝授。故郷のロンドンからパリに移り、カルチャーショックとも言えるほど狭いアパルトマンで新生活をスタートした彼女。両手を伸ばせば左右の壁に手が届いてしまうほど小さなキッチンから、ユニークなアイデア料理が飛び出す。少し難しいイメージのあるフランス料理だが、独自のレシピでシンプルに仕上げるのがレイチェル流。自宅内にあるささやかなレストランで振る舞うと、味にうるさいパリジャン・パリジェンヌからも思わず笑顔が。

第1話では、フランスで人気のクロックマダムをアレンジ。ふわっと仕上げた卵とパンのコンビネーションがたまらない、街のカフェで人気の軽食だ。レイチェルはこの定番メニューに、マフィンカップを使ってひと工夫。食パンを麺棒で伸ばし、溶かしたバターを塗ってからマフィンの型へ。そこへハムと卵の黄身を詰め込み、バター・小麦粉・牛乳で作った特製ベシャメルソースを流し込んだら、チーズを振って準備完了。180℃に温めたオーブンで15分ほど焼くと、クロックマダムの良い香りが漂う。外はサクサク、割れば中から卵がとろ~り。パリっ子に愛されるシンプルな料理の完成だ。そのほかにも、ラム肉と野菜の煮込みなど、肩肘張らずに始められる家庭料理が次々に紹介される。レイチェルが買い出しに出向くシーンでは、新鮮な食材が並ぶ地元の市場の活気が伝わってくるのも嬉しい。NHKでたびたび再放送されている本シリーズは、Netflixでも配信中。

番外編:料理研究家のキッチン、日本のTVでも

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ちなみに料理研究家の自宅からクッキングのコツを発信する試みは、日本のコンテンツにもいくつかある。NHKでは長寿番組『きょうの料理』のシリーズとして、『キッチン探訪「ワザあり!瀬尾幸子の賢い台所」』を現在放送中。アイデア満載の一品とともに、徹底的に使いやすくカスタマイズされたプロの台所が紹介される。同局では2016年に栗原はるみの自宅キッチンから送る『Harumi"s Kitchen』も放送された。毎回著名ゲストを招き自慢の料理を振る舞うスタイルで、全12話のこちらはAmazon Prime Videoで現在配信中だ。

各国を代表するシェフが腕を競う『ファイナル・テーブル』

プロの自宅にお邪魔するシリーズをここまで紹介してきたが、一方、料理をショーに昇華したリアリティ番組の人気も高まってきている。中でも世界のフードを楽しませてくれるのが『ファイナル・テーブル』。有名なイギリスの朝食やインドのバターチキンなど、毎回世界の料理からテーマが設定され、限られた時間内にシェフたちがチーム対抗で料理勝負を繰り広げる。各ステージでは下位チームが即時敗退となり、残った上位だけが次のステージへ駒を進める。レシピを学ぶと同時に厳しい審査員の表情に固唾を飲み、まるで視聴者自身が評価されているかのような緊迫感を味わえるショーだ。

オープニングではメキシコをテーマとし、世界各国から選び抜かれた12組のチームが腕によりをかけたタコスを披露。メキシコ出身のチームは余裕の表情だが、必ずしもベストに輝くとは限らない。日本からは金沢の星付きレストランの総料理長が、彼の元で修行を積んだアメリカ人シェフとペアを組んで参戦。「最後にタコスを食べたのは30年前なので、二つ星とはいえ気を抜けない」と、柔和な表情で冗談を飛ばす。食材を醤油と酒に漬け込んだひと工夫は、吉と出るか凶と出るか。フランスのチームが隠し味にコオロギを使えば、オーストラリアと南アフリカのペアはあえて3つのフレーバーを用意する戦法を打つなど、各国の工夫が光る。制限時間が迫る中、勝利への鍵を握るのはシェフ同士のチームワークだ。緊迫の全10話がNetflixで配信中。ピースの綾部祐二やモデルの森星が審査員となり、懐石の出来栄えを見定めるエピソード8も必見。

プロアマ問わずお菓子に挑戦!『スイーツ・チャンピオン』

デザート限定の料理ショーとしては、『スイーツ・チャンピオン』が人気。チャレンジャーたちの多彩な顔ぶれも魅力の一つになっている。ネットで出会った4人組や実の家族、そして本職の菓子職人など、経験も技量も様々な人々が腕を振るう。さらにゲスト審査員として、毎回料理界から豪華な著名人を招待。Netflixでシーズン1~2が配信中だ。

おうち時間の過ごし方としてパンケーキ作りが人気だが、気軽に挑めるレシピはもっとあるはず。海外の料理番組やリアリティショーを観て、創作意欲を刺激してみては?(海外ドラマNAVI)

Photo:

『ビルズ・キッチン ノッティングヒル』
©Furneaux & Edgar
『Harumi"s Kitchen』