ハリウッドを代表する大物プロデューサーだったが、刑事事件として告発されたセクハラで有罪を宣告され、収監中のハーヴェイ・ワインスタイン。その他の案件でも裁判は継続中で、その中で最大の、ワインスタイン、およびワインスタインが会長職を務めていたワインスタイン・カンパニー(以下TWC)相手に起こされていた集団訴訟は、ワインスタイン側が原告側に2400万ドル(約25億6800万円)を支払うことで結審する運びになった。米The Wrapが報じている。
2017年に公となったワインスタインのセクハラ事件は、現在は破産した大手映画スタジオのTWCの経営者であったワインスタインが、その地位を使って未成年者を含む多くの女性に関係を強要した事件として大きく報道された。当時、中心となって行動を起こしたのはローズ・マッゴーワン(『チャームド~魔女3姉妹』)で、#MeTooムーブメントの後押しを受けて多くの女性が立ち上がり、ワインスタインを糾弾した。
その後ワインスタインは自分の会社であるTWCから解雇され、2018年5月には刑事事件として立件されたレイプ事件によりNYPDに逮捕された。ワインスタインは100万ドル(約1億円)の保釈金を支払って釈放されたが、パスポートは取り上げられ、逃亡防止用の電子アンクレットの着用を義務付けられた。
この裁判で今年3月に23年の禁固刑を言い渡されたワインスタイン。その後、収監されたニューヨークのライカーズ刑務所内で新型コロナウイルス(COVID-19)感染が確認されたが、今のところ無症状で容態は安定しているという。
一方、ワインスタイン相手の集団訴訟は昨年12月、30人以上の原告を相手に2500万ドル(約26億7500万円)で一時的に和解が成立したが、一部の原告は納得せずに訴訟が続いていた。この度、新たに2400万ドルを支払うことで双方が合意。7月14日に裁判所が最終的に認可すれば、和解が成立する。なお、TWCは破産しているため、代わりに同社の保険会社がこの2400万ドルを支払うという。
ワインスタインのセクハラ事件がどれだけ注目されていたかは、あの事件から想を得た映画『The Assistant(原題)』が、『オザークへようこそ』でエミー賞を受賞したジュリア・ガーナー主演で製作されていることからも分かる。今回、節目となる最大の訴訟が決着を見たわけだが、今後LAでも同様の刑事事件の裁判が控えており、ワインスタインを相手取った訴訟、裁判はもう少し続くことになりそうだ。(海外ドラマNAVI)
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2011年のカンヌ映画祭でサラ・ジェシカ・パーカーと一緒のハーヴェイ・ワインスタイン
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