マーガレット・アトウッドの原作をもとに、子どもを産める女性が自由を奪われてしまうデストピアな世界を描く米Huluの衝撃作『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』。本作で主人公のジューンを演じるエリザベス・モス(『MAD MEN マッドメン』)が、Hulu&FOX21テレビジョンスタジオと、ファーストルック契約を結び、新作ドラマにも出演することが明らかになった。米Varietyが報じている。
エリザベスは自身のプロダクションであるLove&Squalor Picturesを設立し、企画を優先的に見ることができるファーストルック契約をHuluと結んだ。更に契約の一環として、『Black Match(原題)』というタイトルのアンソロジーシリーズを製作、主演することも決まった。
本作は、現代のロサンゼルスを舞台にした心理的ネオノワールスリラーで、イアン・マカロック(『シカゴ・ファイア』)のオリジナル脚本をもとにしている。
パイロット版の監督には『ハンドメイズ・テイル』や『アウトランダー』などで知られるマイク・バーカーが決まっている。そしてマカロック、バーカーと共にLove&Squalorが製作総指揮を担当する。
エリザベスは今回の発表を受けて、以下のようにコメントを発した。
「今回自分の会社を設立し、自分たちで素材を見つけ、プロデューサーとして真の所有権を持てることにワクワクしています。日々目にする世界をどうとらえているか、TVや映画などでユニークに力強く描く物語を製作したいと思っています。一般的なものからダークで難しい作品まで様々な幅広いものを製作できることを誇りに思っています。また、Huluとそのシニア副社長であるクレッグ・アーウィックは『ハンドメイズ・テイル』で3シーズンにわたり素晴らしいパートナー関係にありました。そして今回FOX21と社長のバート・ソークとパートナーシップを結べることを光栄に思います」
またアーウィックも「エリザベスは、俳優業と製作業両方で、そしてTVと映画の世界でかぎりない創造力を発揮している人物です。エミー賞を受賞した『ハンドメイズ・テイル』の演技力から、エグゼクティブプロデューサーとしての彼女の特異なビジョンまで、Huluの成功に不可欠な役割を果たしてきました。彼女と彼女の製作会社が生み出す素晴らしいストーリーの配信媒体であることを光栄に思っています。Love&Squalor Picturesが『Black Match』を皆さまにお届けするのが待ちきれません」と述べた。
ソークもまたエリザベスへ賛辞を送った。「エリザベスは、『マッドメン』と『ハンドメイズ・テイル』という史上最高の2つのシリーズで重要な役どころを演じていました。偶然この2作品が大ヒットしたわけではありません。彼女は、今の時代だけでなく、エンターテイメント業界の歴史における最強の俳優たちの中でも非常に稀な、知性と感情的な弱さも生み出せる人です。プロデューサーとしての彼女の作品には、彼女の知性と素晴らしい味わいが現れています。ともに仕事ができることに嬉しく思います」
エリザベスのプロダクションは、この『Black Match』の他にも『Candy(原題)』『Imperfect Women(原題)』というTVシリーズ、さらにNY在住のジャーナリスト、エイリーン・ジンマーマン著の「Smacked(原題)」とアメリカ出身の作家エミリー・ルスコヴィッチ著で2019年国際IMPACダブリン文学賞を受賞した「Idaho(原題)」を元にした映画2本も製作予定だ。(海外ドラマNAVI)
Photo:エリザベス・モス©SF/FAMOUS