『クリミナル・マインド』15年間ありがとう!なぜそこまで愛されるの?なぜ愛されてるのに終了しちゃうの!?

いよいよ日本でも『クリミナル・マインド FBI行動分析課』(以下『クリマイ』)ファイナルシーズンが放送される! 皆さん「早く観たい! でも終了してほしくない!」と複雑な心境では!? 米国在住の私は2月に最終話を観終わっていて"クリマイ・ロス"から立ち直りつつあるが、15年間リアルタイムでこのドラマを愛し続けてきたファンとしては、他の犯罪ドラマを観るたびに『クリマイ』が恋しくなる。世界中で愛され続け、繰り返し再放送され、大人気長寿ドラマとして、15シーズン全324話という輝かしい功績を残した『クリマイ』。なぜそこまで愛されるのか!? 私なりに考察してみた。

愛される理由①:プロファイリング(行動分析)に焦点を置く内容が新鮮!

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2005年の放送開始当時、従来の"警察と犯人がドンパチ拳銃をぶっ放す"ステレオタイプの犯罪ドラマとは一線を画した『クリマイ』は、犯人の行動分析を解明していく"FBI(米国連邦捜査局)プロファイラー"という存在を世に知らしめた。また、シリアルキラー(連続殺人犯)、サイコパス(精神病質者)、ソシオパス(社会病質者)という呼称が多く使われ、犯人をUNSUB(Unknown Subject/アンサブ...身元不詳、正体不明の人物)と呼ぶことは、このドラマから一般的に浸透していった。精鋭メンバーたちが、犯人の特徴や性質などを踏まえて、統計学も用いながら行動科学的な論点から犯人像を割り出すシーン、コンピュータを駆使して様々な情報を分析するシーン、容疑者に尋問するシーン、受刑者にインタビューするシーンなどに私たちは興味深く引き込まれる。

愛される理由②:ダイハードな固定ファンに支持される魅力的なキャラクターの確立!

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一番期間が長いチームメンバーの顔ぶれは...正義感が強く冷静沈着で他人に隙を見せないリーダーのホッチ、そのホッチを支えて何事もお見通し!なベテランのロッシ、心優しく胸板厚い斬り込み隊長のモーガン、そのモーガンと愛情たっぷりトークを繰り広げてコンピュータハッキングは楽勝!のガルシア、姐御的存在で頼りになるクールな女性リーダーのエミリー、渉外担当からプロファイラーになり心身ともに強い女性に成長していくJJ、頭脳明晰の天才でいつまでも末っ子的存在のドクター・リード。そしてシリーズ開始当初のリーダーで鋭い洞察力を持つギデオンも忘れられないキャラだ。

その他にもメンバー加入・脱退を経て、ファイナルシーズンを飾るキャラに、司法心理学者として貢献するドクター・タラ、ガルシアの天敵!で逃亡者追跡に定評があるルーク、元FBI国際捜査班所属で海外に貴重な情報網を持つ子沢山のマットなど個性豊かな面々が連なる。

愛される理由③:憎々しいと同時に魅了されてしまう宿敵や個性的なシリアルキラーの登場!

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ギデオンの宿敵フランク・ブライトコフ、ホッチの宿敵ジョージ・"リーパー"・フォイエット、エミリーの宿敵イアン・ドイル、リードの宿敵キャサリン・"キャット"・アダムズなど、嫌悪感を抱きながらも惹きつけられてしまう強烈な悪人が次から次へと登場。実在の犯人に影響を受けたストーリーや、オープニング・クレジット背景の実在するシリアルキラーの写真をもとに、"実際にどんな人物だったのか?"とリサーチした人もいるのでは?(ハイ! 私は調べました!) そして世の中には、稀有な性癖や嗜好を持つ人間が存在するということを知って深く考えさせられる。

愛される理由④:エピソードごとの"今回の格言"!

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エピソードの冒頭と最後で、メンバーによって語られる"格言"を楽しみにしているファンも多い。作家、哲学者、心理学者、著名人など幅広い分野から抜粋された格言は、毎回ストーリーに沿った内容で「なるほどな~!」と思うことも数少なくない。

愛される理由⑤:準レギュラーであるサブキャラの充実と私生活ほんわかエピソード!

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残虐的で悲惨な事件を扱う中でチラッと描かれる私生活の様子にホッと安堵するファンも多い。ホッチの息子ジャック、ロッシの歴代の妻たち、モーガンの彼女サヴァンナ、リードの母ダイアナ、JJの夫ウィルと息子たちなどが登場することで、仕事以外でのメンバーの姿に触れることができて私たちの心も癒される。ロッシの自宅でイタリア料理を習いたい!ホームパーティーに招待されたい!と思ったのは私だけではないだろう(笑)

愛される理由⑥:俳優たちのオフでの仲睦まじい姿!

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よく耳にする"ドラマでは仲良しの設定だけど私生活では犬猿の仲!"という舞台裏を知ってしまうと、ファンは寂しく感じるものだ。だが、『クリマイ』メンバーはドラマを離れても仲良し! 撮影休憩中、変顔でふざけ合ったり、和気あいあいの様子がSNSに投稿されると微笑ましくなる。

さて、それではなぜ終了してしまうのか?

終了してしまう理由①:モーガンとホッチなしの『クリマイ』をもはや『クリマイ』と呼べるのか?論争!

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長寿ドラマでは避けて通れないレギュラー俳優の降板。シーズン11後半でモーガン役のシェマー・ムーアが降板して、シーズン12開始早々、ホッチ役のトーマス・キブソンが製作者兼脚本家の一人と口論の末に電撃解雇されたことは『クリマイ』にとって大きな痛手となった。当時Twitterにて#NoHotchNoWatch(ホッチなしのクリマイなんて観ない!)というハッシュタグも流行した。オリジナルメンバーの彼らが登場しなくなったことで視聴率は急降下。"モーガンロスおよびホッチロス"のファンには新メンバー加入もあまりプラスにならず、その後のドラマ人気に大きな陰りが見えたことは事実だ。私自身も、モーガンはもちろん、特にホッチ、そして同役を演じるトーマスが大好きなので、彼の離脱後は『クリマイ』への熱狂的な想いがくすぶったことは否めない。

終了してしまう理由②:製作費と出演料も悩みのタネ!

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通常、米CBS放送のドラマはCBSスタジオで製作されることが多い。しかし『クリマイ』はCBS放送だが、CBSスタジオとABCスタジオで合同製作という異例の製作方法だったことで経費がかさんだ。例えば、同じくCBS放送の『NCIS ~ネイビー犯罪捜査班』は、CBSスタジオのみで製作され、主役ギブスを演じるマーク・ハーモンが製作総指揮も兼任して資金も潤沢だ。また、よく比較される『CSI:科学捜査班』や『NCIS』のスピンオフは軒並み大成功を収めたが、『クリマイ』のスピンオフ2本は短命に終わって財政的に大きな課題を残した。スピンオフに力を入れる一方、経費削減のためシーズン6でJJ役のA・J・クックを降板させ、エミリー役のパジェット・ブリュースターの登場回数を削減させたことはファンの大きな怒りを買い、復帰ヘのネット署名嘆願運動の結果、シーズン7で二人は出演復帰した。さらに毎年、出演者の契約更新が難航して、次シーズン撮影開始前ギリギリで交渉が成立したり、出演女優たちが男女格差の出演料を理由に交渉で揉めたというニュースもあった。

いずれにせよ、ファイナルシーズンには、懐かしい顔ぶれがゲスト出演したり、印象深い回想シーンが織り込まれたり、過去の犯人が再登場したり、新たな出会いと旅立ちが描かれたり...盛り沢山の内容となっているのでお楽しみに!

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Photo:『クリミナル・マインド FBI行動分析課』(C)ABC Studio