打ち切りは早すぎた!? 1シーズンでの終了が惜しまれるTVシリーズ5選

目まぐるしく作品が入れ替わるドラマ業界では、まさにこれから盛り上がるかという直前で番組打ち切りとなってしまうケースも少なくない。そこで今回は、ファッションやアートなどを幅広く扱う英i-D Magazineが選出した、キャンセルは早すぎたと思われるTVシリーズをご紹介しよう。その中には、現在映画やドラマで活躍するキャスト・スタッフも数多くいるのだ。

『ゲットダウン』

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バズ・ラーマン(『ロミオ&ジュリエット』『ムーラン・ルージュ』)がクリエイターを手掛けた、ラッパーとしての成功を夢見る青年グループが危険な冒険に巻き込まれる、ヒップホップ・ミュージカル。

舞台は、住民の多くが貧困にあえぎ、犯罪が横行する1977年のニューヨーク。気になる女の子にアピールしようと必死なラッパーのジークは、お目当ての彼女を追いかけて足を踏み入れたナイトクラブで、そのあたりで名が知られる男と遭遇。ジークは友人のシャオやグラフィティ・アーティストのディジーと一緒にグループを結成し、音楽で成功を目指す。殺伐とした街に青年たちのビートが響きわたる。

キャストは、『ベスト・キッド』のジェイデン・スミス、『名探偵ピカチュウ』のジャスティス・スミス、『スパイダーマン:スパイダーバース』のシャメイク・ムーア、『何様なのよ?』のヘリゼン・F・グアルディオラ、『キャッスルロック』のスカイラン・ブルックス、『グレイテスト・ショーマン』のヤーヤ・アブドゥル=マティーン二世、『24:レガシー』のジミー・スミッツなど。

Netflixオリジナルシリーズの本作は2016年から2パートに分かれて計11話が配信された。ところどころでストーリーの弱さは感じるものの、個性あるキャストの演技力がそれをカバーしている。ラッパーと政界との意外な接点も興味深く、1970年代アメリカのカルチャーを存分に楽しめる。Netflixで視聴可能だ。

『ファイヤーフライ 宇宙大戦争』

ヒットメイカーのジョス・ウェドン(『バフィー~恋する十字架~』『アベンジャーズ』『エージェント・オブ・シールド』)が贈るSFアドベンチャー。米FOXで2002年に放送されたシーズン1のみで打ち切られたが、人気の高さから2005年に劇場映画『セレニティー』が製作されたほか、ドラマ版を元にしたコミックシリーズが2005年から2017年まで出版された。

物語の舞台は、現在から500年後の世界。地球滅亡の危機が訪れたことから、人類はいくつかの星々に分かれて暮らすようになるが、中心的ポジションを担う「コア」と呼ばれる惑星による支配体制が続き、コア以外の惑星に暮らす人々は貧困に苦しんでいた。誰もが不平をこぼしながらも支配に従う中、気ままな生き方を捨てないのが退役軍人のマルコム。彼は小さな宇宙船・セレニティー号で銀河系を駆け、密輸からレスキューまで扱う便利屋稼業を通じて人々の人生の断面を垣間見る。西部活劇風のスリリングな展開と、非常に質の良いSF効果に没入できる良作だ。

マルコムをハマリ役で演じるのは、『キャッスル ~ミステリー作家は事件がお好き』のネイサン・フィリオン。共演は『SUITS/スーツ』のジーナ・トーレス、『ドールハウス』のアラン・テュディック、『スターゲイト:アトランティス』のジュエル・ステイト、『ザ・ラストシップ』のアダム・ボールドウィン、『デッドプール』のモリーナ・バッカリンなど。

『フリークス学園』

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わずか1シーズンの放送ながらも強い印象を残したのが、学園コメディ『フリークス学園』。それもそのはず、仕掛け人は現在コメディ界で活躍する二人の監督、ポール・フェイグ(『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』『ゴーストバスターズ』)とジャド・アパトー(『40歳の童貞男』『GIRLS/ガールズ』)だ。

キャストには、アパトーたちとその後も組むことになるジェームズ・フランコ(『スモーキング・ハイ』)やセス・ローゲン(『無ケーカクの命中男/ノックトアップ』)、ジェイソン・シーガル(『取られ男のラブ♂バカンス』)も名を連ねる。さらにリンダ・カーデリーニ(『デッド・トゥ・ミー ~さようならの裏に~』)やジョン・フランシス・デイリー(『BONES』)もいて、ここから出世していった俳優は多い。

舞台設定は1980年代、米ミシガン州のウィリアム・マッキンリー高校。数学コンクールに出場するほど頭脳明晰なリンジーは、かなり内向的なオタク気質の女の子。これまで勉強一筋でやってきたが、大好きだった祖母の死を機に人生観が激変。このまま勉強だけしていてよいのか迷った彼女は、思い切って校内の不良グループに接触する。

米NBCで1999年から放送された1シーズンのみで打ち切られてしまったが、フリークス(不良や問題児)とギーク(真面目でオタクなイケてない)という落ちこぼれティーンの悲哀を、リアリティを交えながらコメディタッチで描いた本作はカルト的人気を誇る。2018年に同作の舞台裏をまとめたドキュメンタリーが映画祭で公開された上、TVでも放送された。さらにはミュージカル化も噂されている

『アンジェラ 15歳の日々』

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こちらも主役は高校生たち。15歳という思春期を生きる少女の迷いに満ちた日々を、リアリティたっぷりに綴る。

米ペンシルバニア州の高校生アンジェラは学校に溶け込みたいと思いつつも、特別な人間になりたい気持ちも捨てきれない。10代特有の繊細な心の揺れ動きを丁寧に描き、彼女の友人や家族との描写も多くの若者の共感を呼んだ。米ABCで1994年から放送された作品だが、ジェンダーの問題のような当時ではかなり新しいテーマに正面から取り組んでいる。

シーズン1がクリフハンガーで終わりながらも結局シーズン2へ更新されることはなかったが、エミー賞で4部門にノミネートされ、ゴールデン・グローブ賞で主演のクレア・デインズ(『HOMELAND』)が主演女優賞を監督するなど、高く批評された。クレアのほかにも、若きジャレッド・レトー(『スーサイド・スクワッド』)、ケイリー・クオコ(『ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則』)などが出演している。

『High Fidelity(原題)』

今回ピックアップした中で最も新しいのが、今年2月から米Huluで配信されるも1シーズンで打ち切られた本作。英国の人気作家ニック・ホーンビィによる1995年の小説「ハイ・フィデリティ」のドラマ化で、2000年にはジョン・キューザック主演で映画版が製作された。小説・映画では男性だった主人公をドラマ版では女性に変更した。

音楽ファンのロブは、ブルックリンに小さいながらもレコードショップを構えている。一見順調な彼女の人生だが、恋愛となるとからっきし。意中の男性との初デートで失敗した後、なぜ自分がこんなにも恋愛下手なのかを探るため、これまでに経験した大失恋トップ5をふり返ることにするが...。

クリエイターは、『シカゴ・ファイア』『ハート・オブ・ディクシー ドクターハートの診療日記』のサラ・クチェルカ&ベロニカ・ウェスト。主演は、『ビッグ・リトル・ライズ』のゾーイ・クラヴィッツ。ちなみにゾーイの母親リサ・ボネが映画版に出演していた。残念ながら日本にはまだ上陸していない。(海外ドラマNAVI)

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『アンジェラ 15歳の日々』
『ゲットダウン』
『フリークス学園』