DC初のオンラインイベントの結果は?明日第二弾が開催、注目のラインナップは?

8月23日、DC史上最大の世界同時オンラインイベント「DCファンドーム(DC FanDome)」が開催された。DCコミックスをベースとする映画やTVドラマのヒーローやヴィラン、そして製作陣が一堂に会した大ボリュームの祭典はどのようなものだったのか。米Varietyが伝えている。

この壮大なオンラインイベントを主催したワーナー・ブラザーズTVグループの代表兼CMOのリサ・グレゴリアンは、「ファンに最高のサービスを提供できるイベントを作りたかった」と開催に至った思いを語った。そして、そんな彼女の思いが形になり、このイベントは大成功。スタジオの発表によれば、視聴できるあらゆるコンテンツを通して、220の国と地域において24時間で2200万人が視聴したという。

このイベントでは、最新映画『ワンダーウーマン 1984』や『バットマン』、そしてスナイダー・カットの『ジャスティス・リーグ』などの予告映像が解禁され、これらの動画の視聴数はすでに1億5000万回超え。ソーシャルメディアでもトレンド入りが続出する事態となった。

この企画が動き出したのは、今年4月のこと。新型コロナウイルスのパンデミックにより、従来のコミコンが開催不可となり、世界中のファンと繋がることのできる新しいイベントの形が見出された。「ファンの皆さんにダイナミックかつ有意義な体験をしてもらうために、私たちには何ができたでしょうか?」と、ワーナー・ブラザーズの国際マーケティング代表のブレア・リッチ。

リッチとグレゴリアンは、DCの映画、TV、ビデオゲーム、コミック、コンシューマーマーケティングなど、あらゆる部門のスタッフと連携を取り、仮想ステージでファンコンベンションを再現する方法を考えたという。「これだけ多くの社員で初めてミーティングを行いました」とグレゴリアン。「お互いを知らない人たち同士でしたが、全員がワーナー・ブラザーズで働く人たちです」

集まったチームはこのイベントをグローバル化するために、英語、スペイン語、中国語、日本語、韓国語、ポルトガル語、フランス語、ドイツ語、イタリア語の9言語で配信し、全ての視聴者が最適な時間で試聴できるように24時間以上ストリーミングできる準備を迅速に進めた。リッチは、コロナ禍で孤独を感じている人たちが、一つの場所に集まっているように感じられる場所にしたかったと語っている。

ユニークな試みだったのが、仮想写真撮影体験。ホストやパネリストに用意された特別なキットで全身を撮影してもらうことで、視聴者はその写真を背景にしてセルフィーを撮ることができるというシステムだ。『Black Adam(原題)』や『Shazam: Fury of the Gods(原題)』など、まだ製作の始まっていない作品を含む映画、TV、ビデオゲームの背景が用意された。リッチとグレゴリアンは、7月末までに300人以上、250以上の背景を用意し、制作チームは3週間で全てを組み合わせたという。すべてが完成したのは、イベントの1週間前だったそうだ。

このイベントは、当初1日限りの開催予定だったが、スケジュールが発表された後、あまりのコンテンツの多さに、1日では全てを見ることができないというファンの声を受け、2部構成での開催が決定。日本時間9月13日(日)2:00~26:00に第二弾が開催されることとなった。

第二弾は「ディスカバー・マルチバース」と題し、作品のキャストや製作陣が登場するパネル「DCウォッチバース」はもちろん、「DCキッズバース」「DCユーバース」「DCファンバース」「DCインサイダーバース」という5つのバースが展開される。会場はこちら(https://www.dcfandome.com/home)

注目のラインナップ

■スーパーヴィラン全員集合 ― トークセッション「ウォッチバース」
ジョーカー、レックス・ルーサー、キャットウーマン、シネストロなどのスーパーヴィランたちに命を吹き込んだ俳優たちが、作品の中で悪役が果たす重要な役割について語る。

■『BATWOMAN/バットウーマン』 ― トークセッション「ウォッチバース」
米CWで昨年放送開始されたTVシリーズの製作陣に加え、キャストのレイチェル・スカーステン、ミーガン・タンディ、キャムラス・ジョンソン、ニコール・カン、そして新バットウーマン役に抜擢されたジャヴィシア・レスリーが登場し、これまでとこれからを語り合う。

■『ブラックライトニング』 ― トークセッション「ウォッチバース」
司会を務める俳優/監督のロバート・タウンゼントとともに、クリス・ウィリアムズ、チャイナ・アン・マクレイン、ナフェッサ・ウィリアムズらが登場。

■『レジェンド・オブ・トゥモロー』 ― トークセッション「ウォッチバース」
キャストやプロデューサーが集い、過去のお気に入りシーンや最新のシーズン6の裏側について語る。

■『DC"s Stargirl(原題)』 ― トークセッション「ウォッチバース」
TVシリーズの最新作の製作総指揮ジェフ・ジョンズをはじめ、ブレック・バッシンジャー、エイミー・スマート、イヴェット・モンレアル、アンジェリカ・ワシントン、キャメロン・ゲルマンと特ダネ満載のトークセッション。

■『Doom Patrol(原題)』 ― トークセッション「ウォッチバース」
HBO Maxでシーズン2が配信された同作のキャストたちマット・ボマー、ダイアン・ゲレーロ、エイプリル・ボウルビー、ジョイヴァン・ウェイド、ティモシー・ダルトンらが作品の魅力について徹底的に語り合う。

■『LUCIFER/ルシファー』 ― トークセッション「ウォッチバース」
ルシファーが地獄から帰ってきた! ミュージカル仕立ての新エピソード『Another One Bites the Dust(原題)』の独占クリップと合わせてシーズン5から初出しのNG集が公開。これほど大規模なミュージカル・エピソードの製作に何が必要だったか、そしてどうやって長い間それを秘密にしておくことができたのかが明らかに。

■『Pennyworth(原題)』 ― トークセッション「ウォッチバース」
バットマンの忠実な執事アルフレッド・ペニーワースの若き日を描くTVシリーズも登場。また、「インサイダーバース」ではプレミアシーズン映像が公開される。

■『ARROW/アロー』―パイロット映像「インサイダーバース」
2012年に放送開始され、今年1月に幕を閉じた『ARROW/アロー』のパイロット・エピソードの撮影現場が映し出される。

■アローバース・クロスオーバーの舞台裏―トークセッション「インサイダーバース」
最大級のクロスオーバーとなった『クライシス・オン・インフィニット・アース 最強ヒーロー外伝』の製作舞台裏が明かされる。

■The Creative Coalition Presents: Superman Radio Show - World Premiere「ウォッチバース」
1940年代のスーパーマンのラジオ番組を、ダニエル・デイ・キム(『HAWAII FIVE-0』)、ウィルソン・クルーズ(『13の理由』)、ティム・デイリー(『マダム・セクレタリー』)、トローヤン・ベリサリオ(『プリティ・リトル・ライアーズ』)、ジャンカルロ・エスポジート(『ベター・コール・ソウル』)らで再現。

何よりも世界中のファンに寄り添って開催されたDCファンドーム。会場に集まって、お気に入りの番組のパネルに参加し、大好きなスターの話を聞くことはもちろん素晴らしいことだが、普段は参加することのできない国のファンが参加できたことは、特別なことであり、ワーナー・ブラザーズは再びオンラインイベントを開催することも検討しているようだ。(海外ドラマNAVI)

Photo:

DCファンドーム/第一弾で発表された2021年劇場公開映画『ザ・バットマン』/エズラ・ミラー主演の映画『The Flash(原題)』新コスチュームアート