ついにファイナルとなるシーズン15の放送が始まった大ヒット犯罪捜査ドラマ『クリミナル・マインド FBI行動分析課』。今回、日本でも愛され続けた本作で吹替を務めている、現レギュラー声優8人にシリーズ最終回の収録前に独占インタビューを実施。第3回目は、タラ・ルイス役の塩田朋子のインタビューをお届け!
――ファイナルを目の前にして今の心境は?
シーズン1から出演しているレギュラーキャストにとっては、本当に日常を引き裂かれるような寂しさがあると思うんです。私はシーズン11から関わって、正式にBAUのメンバーになったのはシーズン12なので、シーズン1から色んなタイプのキャラクターいた中で、新しいキャラクターとして最後までいられたのは幸せなことだと思います。
――演じるにあたって、意識していることは?
ルイスは司法心理学を専門とする犯罪精神医学者で、出だしが捜査官とは違っていたんですね。なので、セリフも始めから難しい犯罪用語とかたくさん出てきたんです。なるべくわかりやすく、視聴者の方が日本語としてちゃんと耳で聞いていてわかるように心掛けていました。
――ルイスの好きなところは?
ルイスは頭で考えるキャラクターだったので、それまで現場に出る方ではなかったわけです。でも、BAUに異動してきて捜査官になったわけですから、現場に出て銃を持つわけで、初めて銃をもって犯人を撃ったエピソードがあったんですけど、その戸惑っていた表情が印象的でしたね。その後、すぐ慣れていましたけど。
あと、プライベートを話すときの彼女のざっくばらんな表情と、捜査しているときの表情が変わるんですよね。やっているからこそ何回も見るんですが、その変化が素敵だなと思います。
――印象深いエピソードやシリアルキラーはありますか?
シーズン通してなかなか捕まらなかったひっかき男ことピーター・ルイスですね。ルイスの弟ガブリエルを拉致されるエピソード(シーズン12の第7話「弟と名乗る男」)があり、それまで戸惑いながらも捜査官として、常に感情的にならず行動したわけですけど、身内が拉致されたことと仕事との間で揺れ動く、公私混同していたことが印象深いです。
――本作の魅力は何だと思いますか?
水戸黄門じゃないですけど、大筋というところではシリアルキラーがいて、プロファイルして、犯人を捕まえる。加えて、BAUメンバーのプライベートが垣間見れる。涙するような物語もあり、人間ドラマとして面白いですよね。324話分の物語をよく思いつくなって。色々あっても、最終的にはBAUが犯人を捕まえてくれるだろうというところもあり、メンバーの絆も深いですし、猟奇的な作品の中でも安心見れてこれたのもあるかもしれないですね。
――収録現場の雰囲気は?
私が入った頃はもうすでに10年以上続けている現場でしたので、それこそ犯罪用語だったり、専門用語は他のみなさんがちゃんとわかっていて、日本語にすると漢字だらけの難しい用語がたくさんありますが、イントネーションから意味までみなさんに教えてもらい、慣れるまですごく助かりました。
もちろん演出家の指示もありますけど、言葉の出し方とかプロファイル進むにつれての緊張感の度合いとかもみなさんから学びました。ほんとにみんながプロファイラーでしたね。
人をのこぎりで切ったりとか目を背けたくなるシーンが多いので、現場はカラっとしている感じです。入り込んでしまうと収録現場も沈んでしまうので、とにかく会話も多く、笑いの絶えない現場だったと思います。
――慣れていったのは、どのあたりなのでしょうか?
やっぱりシーズン12入ってからでしょうか。 シーズン11の時は他のキャラクターがすでに出来上がっていたので、"自分はどういうポジションでいればいいのか、自分だけの芝居というのはなんだろうか"と戸惑うことも多かったです。演出家に何度も何度も指示されて、取り直ししていましたね。でも、何度も取り直すうちに"自分でこうかな? こうしたほうがいいかな?"とキャラクター像を明確にしていけるようになっていました。
シーズン11の最終話に近づくにつれて、シーズン1から出演している人から「ルイスというキャラクターと私の声が入ったことで、捜査官たちのバランスが良くなったと思います」と言われてことはとても嬉しかったですね。
――そうおっしゃったのはどなたでしょうか?
何気なく言っていたので、本人は覚えていないかもしれないですが(笑)、ガルシア役の斉藤貴美子さんです。
――本作に携わって影響を受けたことはありますか?
『クリミナル・マインド』にはこれまでゲストで何回か出演したことがあったんですけど(※編集部調べ シーズン3 第13話、シーズン4 第13話、シーズン6 第24話)、ルイスをやるようになってから、「見てます!」って言われることが増えましたね。なので『クリミナル・マインド』って、本当に人気ある番組だなと思いました。作品に出られて本当に幸せですし、責任感や任務を与えられているなって感じもしましたね(笑)
――それまで『クリミナル・マインド』は見たことありましたか?
もちろん、あります。WOWOWに入っていたので(笑)
――基本的には毎週ご覧になっていたのでしょうか?
『クリミナル・マインド』はシリアルキラーの話じゃないですか、人の皮を剥いだりとか。なので、私個人として、あんまりおどろおどろしいもの、猟奇的なものは苦手だったので、積極的には見ていなかったかもしれません。
――ルイス以外に好きなキャラクターはいるものですか?
みんな個性的でそれぞれステキですよね。ルイスじゃなかったから、誰をやりたいかというと、ロッシですかね(笑) リーダーでないけれど、みんなを包み込んでくれる裏のリーダー的な存在ですよね。だけど、ユーモアあって、小川真司さんの頃から好きですね。
――ファイナルということで、ルイスに対して気持ちを伝えるとしたら?
ルイスを演じるアイシャ・タイラーさんがたまにガサガサ声の時があって、お酒飲み過ぎでしょと思うことが何回かあったんですよね。それで、アイシャ・タイラーさんのSNSなど見てみると、普段は陽気な方でだから、きっといつも冷静沈着なルイスと彼女のキャラクターは全く違うと思ったんです。彼女のキャラクター性を聞いてから一層親しみを感じました。
――ルイスのファイナルシーズンのみどころは?
ひたすらプロファイルをしています。
――最後に『クリミナル・マインド』吹替版のファンの方にメッセージをお願いします。
ファン歴はみなさん方が私より断然長いので、私がいまさら言うことじゃないのかもしれないのですが、愛してくださってありがとうございます。この番組に参加できて、ずっと人気ある番組で出られて幸せでした。最終話まで頑張り続けます。
ついにフィナーレを迎える『クリミナル・マインド FBI行動分析課』シーズン15(全10話)は、WOWOWプライムにて放送中。そして、毎週火曜日に吹替キャストの本作への思いをたっぷりと語っていただいたインタビュー記事を掲載していきますので、引き続きお楽しみに。
■『クリミナル・マインド』吹替キャストインタビュー
【1】 ジェニファー・ジャロウ役 園崎未恵
【2】 マット・シモンズ役 中川慶一
【3】 タラ・ルイス役 塩田朋子
【4】 ルーク・アルヴェス役 阪口周平
【5】 デヴィッド・ロッシ役 菅生隆之
【6】 エミリー・プレンティス役 深見梨加
【7】 ペネロープ・ガルシア役 斉藤貴美子
【8】 ドクター・スペンサー・リード役 森久保祥太郎
(海外ドラマNAVI)
Photo:
塩田朋子
『クリミナル・マインド15 FBI行動分析課 ザ・ファイナル』(c) ABC Studios