リックには大いに刺激を受けた!『ウォーキング・デッド:ワールド・ビヨンド』キャスト直撃インタビュー【2】

大人気ドラマの新たなスピンオフ、『ウォーキング・デッド:ワールド・ビヨンド』(以下『ワールド・ビヨンド』)がAmazon Prime Videoにて10月2日(金)より配信中だ。10年前に世紀末を経験し、現在は壁に守られたコミュニティで暮らしている少年少女たちが、ある人物から助けを求められたため、安全な世界を飛び出して自分たちだけで冒険に出る様を描いている。『ウォーキング・デッド』の原作コミックには登場しない新たなキャラクターを演じるキャストたちを直撃! 今回取材したのは、冒険に出た若者たちを心配して彼らの後を追う二人、ニコ・トルトレッラ(フィリックス役)& アネット・マヘンドル(ハック役)。演じる上で参考にしたキャラクターや、以前出演していた作品との違いについて語ってもらった。

――なぜ人はゾンビものに惹きつけられると思われますか?

ニコ:僕が思うに、世界各地で人々の生活が根本から揺るがされていることが関係しているんじゃないかな。こうした作品で登場人物が死に直面する姿は現実世界と重なっているところがある。さらにストーリーにはエンターテイメント性もあり、社会的にも政治的にも考えさせられることが多い。特に今の時期は『ウォーキング・デッド』の新たなシリーズを発表するのにまたとないタイミングだと思う。僕たちは生きているんだと実感できるからね。

アネット:ゾンビは、天使やモンスターもそうだけど、こうした存在がいる世界では何でもありえるわよね。そういう世界を見ると、自分もこういうことができるんじゃないかという可能性が広がったり、何をすべきかといった責任感を考えさせられたりするからじゃないからじゃないかしら。

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――あなたたちが演じるキャラクターの特徴は?

アネット:私が演じるハックは態度が素晴らしいの。混乱している世界の中で、彼女は活動的ではあるけれど、他の誰かを自分の信念や情熱に無理に引きずり込んだりはしない。その冷静さには驚かされるわ。そんな彼女の冷静さが、私が今の状況を辛抱する上で役立っているの。なるべくストレスを溜めずに、私たちは大丈夫だと考えるようにしているわ。ハックはとにかくクールな人よ。

ニコ:僕が演じるフィリックスは忠誠心があり、若い子たちの庇護者だね。まさに理想の父親みたいなキャラクターで、みんなを教え、導き、助けるんだ。そのためにトラブルに巻き込まれることもあるけどね。

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――本作がほかの『ウォーキング・デッド』シリーズと違うところは?

ニコ:より若い世代が主役であることだね。彼らは若く、想像力豊かで、ウブなところがあるんだ。ほかのシリーズよりも平均年齢は低いね。

アネット:その通りね(笑) 『ワールド・ビヨンド』では若者たちの感受性の強さを視聴者も感じられると思うわ。彼らは互いに助け合いながら困難を乗り越えていくの。そんな彼らの後をフィリックスとハックは追い、見守るのよ。

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――お二人は『サバヨミ大作戦!』『ジ・アメリカンズ』という人気ドラマのレギュラーとしても知られていますが、『ウォーキング・デッド』シリーズに加わったご感想は?

アネット:『ジ・アメリカンズ』のおかげで(インド、ロシア系である自分が)英語が話せると知ってもらえたのは良かったわね(笑) 『ワールド・ビヨンド』の現場ではスタッフの熱力に驚いたわ。彼らは100%どころか200%と言っていいくらい作品に全身全霊を傾けているの。セットに足を踏み入れた時、みんながいいものを作ろうと一丸になっている様子が感じられたのは素晴らしかったわ。

ニコ:『サバヨミ大作戦!』は一話あたり30分、正確に言うと22分くらいの番組で、僕が演じるジョシュは自分を水で薄めたみたいなキャラクターなので、気楽にやれるんだ。一方の『ワールド・ビヨンド』では肉体的にも感情的にも多くを求められるので、演じるのは大変だったよ。『サバヨミ大作戦!』が今までやった中で一番楽な仕事だとすれば、『ワールド・ビヨンド』はその逆で一番キツイ仕事だね(笑)

――『ワールド・ビヨンド』出演前にほかの『ウォーキング・デッド』シリーズをご覧になりましたか?

アネット:ああいう作品は苦手なの。子どもの頃から怖がりで、成長するとともにそれが酷くなったから見ていないわ。だから『ワールド・ビヨンド』でもハックというイカした役を演じているけど、撮影が終わったらすぐトレーラーに逃げ込むの(笑) でも撮影はとても楽しくて大好きよ。

ニコ:『フィアー・ザ・ウォーキング・デッド』のオーディションを受けたので、その時に『ウォーキング・デッド』を数話見たよ。オーディションに落ちちゃった後は見るのを止めていたけど、この作品に参加できることになったからまた見始めたんだ。とはいえ、この作品のキャラクターたちはほかのシリーズのキャラクターのことを知らない設定なので、『ウォーキング・デッド』専門家である必要はないんだけどね。

アネット:そう言ってもらえて良かったわ! ニコ、大好きよ。

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――『ウォーキング・デッド』で、自分の役の参考にしたキャラクターはいますか?

ニコ:...アネットはどう?

アネット:こっちに振らないでよ(笑)

ニコ:(笑) 月並みな答えになるけど、アンドリュー・リンカーンが演じるリック・グライムズというキャラクターには大いに刺激を受けたよ。俳優としてぜひやってみたい役柄だからね。リックもアンドリューも僕にとってはアイコン的な存在だ。彼のことが大好きだよ。

アネット:私はショーンね。彼の予想できないところや、善人と悪人のどちらとも言い切れない人間くさいところが気に入っているわ。

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――『ウォーキング・デッド』シリーズでは役者が多くのアクションを自らこなすと聞きます。また、キャラクターたちは死の危険があるので感情的なシーンも多いと思いますが、撮影では肉体と感情のどちらの面で特に大変でしたか?

ニコ:僕自身がとても感情的な人間なので、感情的なシーンを演じるのは楽なんだ。でも肉体的な場面はまったく新しい経験だったよ。戦闘シーンは、単なるアクションじゃなくて、一種のダンスなんだ。細かく振り付けが決まっていて、それに沿って動かないといけない。何時間もね。そしてケガがないように、自分の動きだけでなく、戦う相手の動きにも気を配らないといけない。肉体的な演技はとにかく大変だったな。とはいえ、苦労した甲斐はあったけどね。

アネット:アンサンブルキャストの一人として参加するのは私にとってまったく新しい経験だったわ。これだけの大作ドラマで、大勢のキャストがいて、いろんなことが同時進行し、様々な感情が渦巻く中、いきなりカメラが自分に向けられるの。そして戦闘シーンでは、結束感もあるけど、時には仲間を失ったりして孤独を味わう。ただ、生き延びることができるのは誰かのおかげだから、そうなった時はとにかく感謝の気持ちでいっぱいだった(笑) ただ念のために付け加えておくと、撮影中に生命の危険を感じることはなかったわ。

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――もし本当にアポカリプトが起きたら、あなたはすぐ死んでしまうか、生き延びるか、どちらだと思われますか?

ニコ:すぐに死んじゃうんじゃないかな...。といっても、今の世界はある意味、アポカリプトが来たようなものだよね。その状況で生き延びているということは僕たちはサバイバーだと言えると思う。みんな、素晴らしいよ。

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『ウォーキング・デッド:ワールド・ビヨンド』(全10話)は、Amazon Prime Videoにて独占配信中(毎週金曜日新エピソード配信)。

<『ウォーキング・デッド:ワールド・ビヨンド』リレーインタビュー>
【1】カールで描きたかったことを本作で実現!クリエイター独占インタビュー
【2】ウォーカーの呼び方が違う2つの理由とは?キャスト直撃インタビュー

Photo:

『ウォーキング・デッド:ワールド・ビヨンド』
(C)Jojo Whilden/AMC
(C)Macall Polay/AMC
(C)Sarah Shatz/AMC
(C)Zach Dilgard/AMC
『ウォーキング・デッド』
(C)Matthew Welch/AMC