『ゴーストバスターズ』を超えられるか?サイモン・ペッグ&ニック・フロストが放つ爆笑幽霊退治ドラマ!

映画『ホットファズ 俺たちスーパーポリスメン!』(2007)、『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』(2014)などの爆笑コンビ、サイモン・ペッグ&ニック・フロストが出演・製作・脚本を務めるホラー・コメディー『トゥルース・シーカーズ ~俺たち、パラノーマル解決隊~』がついにスタート。SF大作として製作された『ゴーストバスターズ』(1984)のような派手さや迫力はないものの、小ネタやおとぼけギャグをちょいちょい挟んだミステリー仕立てのゆる~い幽霊退治がジワジワ、ジャブのように効いてくる。この病みつき感、うーん、たまらなくクセになる。【ドラマ・レビュー】

ガス(ニック)はイギリス最大手のインターネット会社「スマイル」に勤務する業績トップのITエンジニア。プライベートでは密かに超常現象を調査し、YouTubeチャンネル「トゥルー・シッカーズ」で発信している。そんなある日、上司のデイブ(ペッグ)からの指示で、新入社員エルトン(サムソン・カヨ)とバディを組まされることに。ガスはしぶしぶ彼を迎え入れるが、初の共同作業で超常現象へと導かれ、以来二人の行くところ、不思議な出来事が起こり始める...。

笑いと恐怖が表裏一体、この構図が実に面白い。例えば、寂しがり屋のおとぼけ老婆に昔飼っていた犬の霊が乗り移り、急に四つん這いで走り出したり、「悪魔の棲む家ラウンジ」や「エルム街の悪夢スイート」などと銘打ったB級ホラーのテーマホテルに、第二次大戦下の地下壕がそのまま残されていたり、はたまたセクシー霊能者がフリマで買ってきた悪魔の書が、かつて悪魔崇拝者が血で書き上げた本物だったり...。笑いに気を取られていると、意表をついてドカーン!と恐怖ネタをぶっ込んでくるので、油断は禁物だ。

さらに、俳優たちのパフォーマンスも絶好調! オタク系のエンジニアという役のためにさらに巨漢になったニック・フロスト。一目でカツラだと確信できるブロンドヘアのやり手若社長をコミカルに演じるサイモン・ペッグ。お笑いコンビ、マテンロウのアントニー似(わかんなかったらググって!)の新人エルトン役のサムソンのビビリ芸もオモロイが、なんといってもこのドラマのMVPはガスの父を演じた名優マルコム・マクダウェル! 息子のスマホを勝手にいじってパニックになり、挙げ句の果てには白いブリーフ姿を世界配信してしまうというクソジジイぶりは、『時計じかけのオレンジ』(1971)の怪演を遥かに超越したといえるだろう(?)

てなわけで、ガスとエルトンのズッコケ師弟コンビの行末を案じる中、母の亡霊に苦しむ女性アストリッド(エマ・ディダンド・アーシー)が絡んできたり、ガスの上司デイブに謎の無言電話がかかってきたり...縦軸のミステリーも観るほどに面白さが増してくる本作。笑撃度100%の超常現象を今宵はたっぷりと楽しんでみてはいかがだろう。

『トゥルース・シーカーズ ~俺たち、パラノーマル解決隊~』はAmazon Prime Videoで独占配信中。

(文/坂田正樹)

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『トゥルース・シーカーズ ~俺たち、パラノーマル解決隊~』