『スーパーナチュラル』が生まれた過程をクリエイターがふり返る

まもなくフィナーレを迎える米CWの大人気超常現象ドラマ『SUPERNATURAL スーパーナチュラル』。シーズン1から本作を手掛けてきたクリエイターのエリック・クリプキが、米Entertainment Weeklyのインタビューで大ヒットシリーズが生まれた過程について振り返った。

2003年、『ヴァイキング ~海の覇者たち~』のトラヴィス・フィメルがターザンを演じた『Tarzan(原題)』で初めてTVシリーズのクリエイターを務めたクリプキは、次作で『事件記者コルチャック/ナイトストーカー』のような都市伝説を追う記者についての物語を企画していたという。しかし、兄弟をテーマにするべきだと考えるように。また、当時は『ザ・リング』や『呪怨』などのホラー映画が劇場で大ヒットしていたこともあり、より恐怖感の強い作風にしようとも考えたという。

しかし、まだクリエイターとしても駆け出しだったため、当時は真面目に考えすぎてしまっていたと回顧。「僕は若い作家で、何度か失敗も経験し、機会を持てることの重みも感じていた。だからこそ、無茶をするほど没頭してしまった。何度も何度も考え直して、細かいところにまで気を配って、できるだけ怖いものにしようとしたんだ。ユーモアのセンスなんてものはなかった。とても重い話で、振り返ってみたら不必要に複雑だったと思う」

そして11月の感謝祭の頃、提出した脚本を読んだワーナー・ブラザースから与えられたのは、書き直すかここで終わるかという選択肢。数カ月かけて最初の脚本を執筆していたクリプキだったが、クリスマスの予定を全てキャンセルし、わずか3週間で2本目の脚本を書き上げた。「冬休みの間、僕はオフィスに一人でこもっていたことで、作品にユーモアをもたらすことができるようになった。何も面白いことがなかったから、作品の中で楽しもうと思ったんだ」

また、当初はディーンのみがモンスターの世界に精通している設定にしようとしていたものの、兄弟二人がその世界を共有する設定に変えたのも2本目の脚本だったという。「(ハンターの)父親との歴史があるところに焦点を合わせた。最も重要なのは、彼らが超常現象をブルーカラーの仕事のように見做しているとしたことだろう。これは本当に大きな違いだった。1本目では、ハンターの仕事は彼らにとってとても嫌な仕事にしようとしていたからだ」。

もし、2本目で変更されていなければ、私たちは幽霊を見るたびに腰を抜かすサムを目の当たりにしていたかもしれない。「(変更したことで)ディーンが冷静にコメントする余地を与え、サムが冷めた反応をする余地を作った。"あぁ、ようやく彼らが誰なのか、ユーモアとホラーのバランスを取る方法をできた"と思ったよ」とクリプキは話している。

『SUPERNATURAL スーパーナチュラル』は、現地時間の11月19日(木)に最終回を迎える。(海外ドラマNAVI)

Photo:

『SUPERNATURAL/スーパーナチュラル』
(c) Warner Bros. Entertainment, Inc.