『グレアナ』キャサリン・ハイグル、イジーのために描かれたお別れエピソードを断っていた

大人気医療ドラマ『グレイズ・アナトミー』のオリジナルキャストの一人で、主人公メレディスの同期であるイジー・スティーヴンス医師を演じていたキャサリン・ハイグル。シーズン6でシリーズを降板した彼女が、イジーのお別れエピソードの制作を断っていたことをショーランナーが明かしている。米Screen Rantが伝えた。

17シーズンも続けばキャストの出入りがあるのは自然なこと。これまで、デレク・シェパード(パトリック・デンプシー)やクリスティーナ・ヤン(サンドラ・オー)など、視聴者お気に入りのキャラクターたちが番組を去っていった。しかし、特にレギュラーキャストが卒業する場合、最後のエピソードは特別なものとして描かれている。

その唯一の例外が、イジー・スティーヴンスの退場だった。2005年のシリーズスタートから2010年放送のシーズン6まで登場していたイジーは、『グレアナ』史において記憶に残るキャラクターであり、2007年にはエミー賞ドラマ部門で助演女優賞にも輝いた。

そんなイジーの最後の物語の真実を、2007年から2011年までショーランナーだったクリスタ・ヴァーノフが米ロサンゼルス・タイムズのインタビューで告白。当初、彼女はイジーに別れを告げるためのエピソードを書いていたことを明らかにした。そのエピソードではキャラクターのストーリーを追求し、特にイジーとアレックス(ジャスティン・チェンバース)の関係にフォーカスした内容になっていたそう。しかし、結局キャサリンがこのエピソードを撮影することはなかったというのだ。

「私たちは、キャサリンが(別れの物語を描くために)戻ってきて、イジーとアレックスの関係を完結させることを計画していました。私は実際にその美しい物語を書き終えていたのです。そして、確か撮影を始める前日あたりだったと思うのですが、キャサリンが来ないという連絡がありました。そして、本当に彼女は来ませんでした。それから何日も徹夜をし、イジーが登場しないエピソードを書かなければいけなくなったのです。それから何年もの間、ファンの人たちには"どうしてあんな展開を?"と言われ続けましたが、これが、舞台裏で起きていた話です」

ヴァーノフは、キャサリンに何があったかはわからず、彼女を責めるつもりはないものの、ただ、彼女のための物語の撮影前日に来ないという連絡だけを受け取ったことを説明。「もしあの日に戻ってやり直すことができたら? えぇ、ぜひそうしたいです」と、願っていた通りのストーリーを実現できなかったことを悔やんでいることを明かした。

一方で、キャサリンに近い関係者はヴァーノフのこの主張に異議を唱え、米Entertainment Weeklyのインタビューで「クリスタは間違っている。キャサリンは、育児休暇の後にロサンゼルスへ戻っており、撮影についての電話を待っていた」と反論。『グレアナ』のクリエイティブチームとキャサリンの間で意見の食い違いがあったという話は、以前から度々報じられており、キャサリンがイジーの物語に納得しておらず降板を望んだという話や、役不足だと感じていたという話などが浮上していた。

また、2008年にはキャサリンがイジー役でノミネートされたエミー賞を辞退し、「エミー賞の選考対象に値する脚本が与えられなかったため」とコメントしたことも。クリエイターのションダ・ライムズは「確かに傷ついたけど、それほど驚かなかったわ」、「相手がありのままの自分をさらけ出しているなら、その人を信じるわ。いつもそうしているの。それで、うまくいくのよ」と寛容な姿勢を見せていたが、キャサリンと製作陣の不和の噂は消えず、結局そのまま彼女は番組を去っている。

以降、10年間イジーの復帰はないが、シーズン16では現在のイジーの状況について言及されており、いつか再び『グレアナ』の世界に戻ってくる可能性も残されているようだ。(海外ドラマNAVI)

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キャサリン・ハイグル
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