世界から注目を集める独ドラマ『バビロン・ベルリン』、あまり知られていない時代を描く重要性

壮大なスケールで描かれるドイツ発のクライムドラマ『バビロン・ベルリン』は、ヨーロッパ最大級の製作費をかけ、世界から注目を集めているシリーズ。そのシーズン3がついに日本でも放送開始されたが、クリエイターは歴史的な正確さを追求する責任について言及している。米NBC Newsが報じている。

『バビロン・ベルリン』は、ドイツ作家フォルカー・クッチャーの犯罪小説トリロジーのドラマ化。1929年のワイマール共和国崩壊前のドイツを舞台に、戦争によるPTSDで苦しむゲレオン・ラート刑事が、刑事志望の相棒シャルロッテ・リッターと不可解な事件に挑む姿が描かれる。すでにシーズン4の製作も決まっている人気シリーズ。

シーズン3は、クッチャーの原作シリーズ第2弾となる「死者の声なき声」を下敷きに、1929年を舞台にゲレオンとシャルロッテが映画の撮影セットで起きた殺人事件の捜査をする。シーズン3ではビジュアルなどの芸術的な面で上を目指すと同時に、ナチスの誕生を歴史的に正確に描く試みもなされている。

共同クリエイターを務めるドイツ出身のトム・ティクヴァは、歴史的な正確さを追求する責任について言及している。「私たちにとってはエキサイティングなことです。『バビロン・ベルリン』は、ドイツで若い視聴者層に人気があるシリーズで、多くの若者が学校で鑑賞することもあります」

ティクヴァが学生だった頃も、ワイマール共和国の歴史が教科書でほとんど紹介されておらず、シリーズを観た視聴者からワイマールについて質問されることが少なくないのだという。1933年以降の史実はよく知られているのに対し、その前となる5年間に起きた出来事が知られていないことに気づき、ティクヴァはその時代を描く重要性を感じたという。

ゲレオンを演じるのは映画『レッド・バロン』や『ヒマラヤ 運命の山』などに出演するフォルカー・ブルッフ、シャルロット役は『カウンターパート/暗躍する分身』のリヴ・リサ・フリース。

さらに二人が困難な事件に挑む『バビロン・ベルリン』シーズン3は、BS12 トゥエルビにて毎週金曜日に放送中。12月11日(金)まで第1・2話を見逃し配信している。また、シーズン1と2はHuluにて配信中。(海外ドラマNAVI)

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『バビロン・ベルリン』(c) X Filme Creative Pool Entertainment GmbH / Degeto Film GmbH / Beta Film GmbH / Sky Deutschland GmbH 2017 Fotograf: Frédéric Batier