ジェームズ・ボンドとボンドガールとマーベルヒーロー、『Glee』のスターも...2020年に亡くなった24人【後編】

2020年ももうすぐ終わりですが、今年も多くの人が旅立ってしまいましたね...。天寿を全うしたと思われる人とのお別れも寂しいものですが、新型コロナウイルス(COVID-19)などによって急死した場合はショックもひとしおでした。ドラマ界で活躍した人を中心に、ぜひ今一度取り上げたい人たちを前後半の2回に分けてご紹介。2020年前半(1月~6月)に亡くなった人たちを取り上げた前編に続いて、今回は後半(7月~12月)に亡くなった12人。

エンニオ・モリコーネ

約60年のキャリアで500以上の作品の音楽を手掛けたイタリア出身の作曲家モリコーネは7月6日に永眠(享年91)。大腿骨を骨折したことによる合併症が死因になったそうです。2015年の『ヘイトフル・エイト』で6度目のアカデミー賞ノミネートにして初受賞を果たした彼は、『荒野の用心棒』で知られる幼なじみのセルジオ・レオーネ監督作品、『ニュー・シネマ・パラダイス』の同胞ジュゼッペ・トルナトーレ監督作品を多数手掛けたほか、数多くのハリウッド作品も印象的な曲で彩ってくれました。

ナヤ・リヴェラ

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ドラマファンにとって特にショックだった訃報の一つは、『Glee/グリー』のサンタナ役で知られるナヤの死でしょう。7月8日に4歳の息子ジョージー君と一緒に遊んでいたカリフォルニア州のピルー湖で事故に遭い、家族や友人、ファンの願いも空しく、行方不明になってから5日後の13日に遺体が発見されました。まだ33歳と、あまりにも短い生涯でした。『Glee』のほかには『デビアスなメイドたち』やダンス映画『ステップアップ』のドラマ版『Step Up: High Water(原題)』に出演していました。

ケリー・プレストン

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1991年に結婚したジョン・トラヴォルタ(『サタデー・ナイト・フィーバー』)とおしどり夫婦で知られたベテラン女優のケリーが、2年間の乳ガンとの闘いの末に亡くなったのは7月12日のこと。まだ57歳でした。『ツインズ』ではアーノルド・シュワルツェネッガー、『ザ・エージェント』ではトム・クルーズといった風に誰かの相手役でコミカルな演技を披露することが多かったものの、近年は『狼の死刑宣告』『ロビイストの陰謀』といったシリアスな作品への出演も増加。『ミディアム 霊能者アリソン・デュボア』『CSI:サイバー』のようなドラマにもキャリア初期以来に参加するようになっていました。

オリヴィア・デ・ハヴィランド

1940年代の映画『遥かなる我が子』と『女相続人』で2度アカデミー賞主演女優賞を獲得したオリヴィアは7月26日に104歳で永眠。教授である父が東京帝国大学(東大)で教鞭をとっていた関係で日本生まれの彼女は、『風と共に去りぬ』『ふるえて眠れ』といった名作映画に出演したほか、晩年は『ROOTS/ルーツ2』『アナスタシア/光・ゆらめいて』といったドラマ作品にも参加していました。

アラン・パーカー監督

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英国出身のパーカー監督は7月31日に76歳で逝去。しばらく病気を患っていたそうです。日本でもヒットした1971年の映画『小さな恋のメロディ』で脚本を担当したほか、『フェーム』『バーディ』『エビータ』といった音楽関連の映画でメガホンを取りました。アカデミー賞監督賞にノミネートされた『ミッドナイト・エクスプレス』と『ミシシッピ・バーニング』のように、重厚な人間ドラマを鋭く描いた秀作もいくつも残しています。

ウィルフォード・ブリムリー

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元はボディガードやスタントマンでしたが次第に重要な役を演じるようになり、ファンタジー映画『コクーン』シリーズやトム・クルーズ主演映画『ザ・ファーム/法律事務所』で主要キャラクターを演じたウィルフォードは85歳で永眠。糖尿病であった彼は長年人工透析を受けてきた末の8月1日、地元ユタ州にある病院のICU(集中治療室)で亡くなりました。1980年代のファミリードラマ『頑固じいさん孫3人』で祖父役の彼と共演していたシャナン・ドハティ(『ビバリーヒルズ高校白書/青春白書』)は訃報を受けて、「私にとってずっと、本物のおじいちゃんのような存在だった」とその死を悼んでいます。

チャドウィック・ボーズマン

『ブラックパンサー』のティ・チャラ/ブラックパンサー役でおなじみのチャドウィックが8月28日に死去した際には業界全体が大きな衝撃を受けました。亡くなる直前まで俳優・プロデューサーとして活動していた彼は、実は2016年にステージ3の大腸ガンと診断されるも、そのことを共演者やスタッフにも告げることなく、手術や化学療法を行っていたことがのちに明かされました。4年にわたる闘いの末に息を引き取った時は43歳という若さでした。

ケヴィン・ドブソン

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1970年代に放送された犯罪捜査ドラマ『刑事コジャック』でボビー・クロッカー刑事を演じていたケヴィンは、9月6日に77歳で心臓発作によりこの世を去りました。30歳で初めて掴んだこの大役で、スキンヘッドで棒付きキャンデーをなめる姿が印象的な主人公テオ・コジャック刑事とタッグを組み、数々の難事件を解決。シリーズ終了後に製作されたTV映画にも出演していました。

ダイアナ・リグ

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『ゲーム・オブ・スローンズ』のオレナ・タイレル役で知られる英国女優ダイアナは9月10日、ロンドンの自宅で家族に見守られながら安らかに息を引き取りました(享年82)。今年3月にガンと診断されていたそうです。1969年の『女王陛下の007』で2代目ジェームズ・ボンドであるジョージ・レーゼンビーの相手役を務めました。

クラーク・ミドルトン

『ブラックリスト』で主人公レッドに情報提供するグレン役で知られたクラークは10月4日、63歳で逝去。死因は、治療法がないことで知られるウエストナイル・ウイルス。グレン役のほかにも、『FRINGE/フリンジ』の中古書店の店主エドワード・マーカム役、『THE PATH/ザ・パス』の宗教団の創設者リチャード役、『ツイン・ピークス The Return』のチャーリー役といったキャラクターで深い印象を残しました。

ショーン・コネリー

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1962年のシリーズ1作目『ドクター・ノオ』で32歳にして初代ジェームズ・ボンドに起用されたショーンは10月30日、90歳で永眠。ここ数年患っていたという彼は、バハマにある自宅で家族に看取られながら旅立ちました。1987年の『アンタッチャブル』でアカデミー賞受賞。そのほかにも『薔薇の名前』『風とライオン』『王になろうとした男』『オリエント急行殺人事件(1974)』『レッド・オクトーバーを終え!』といった名作で忘れがたい演技を披露しています。

ジョン・ル・カレ

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かつて秘密情報部MI6で働いていたル・カレはその経験を生かして数々のスパイ小説を執筆し、いくつもの作品が映画、ドラマ化され、『ロシア・ハウス』『ナイロビの蜂』『裏切りのサーカス』『ナイト・マネジャー』『リトル・ドラマ―・ガール 愛を演じるスパイ』といったアカデミー賞やエミー賞に絡む名作を生み出しました。また、映像化作品の一部にはプロデューサーとして参加したほか、カメオ出演もしています。12月12日、母国イギリスの病院にて肺炎による合併症で死去(享年89)。

DCヒーローや『SATC』『ゲーム・オブ・スローンズ』キャストも...2020年に亡くなった24人【前編】はコチラ!

Photo:

ナヤ・リヴェラ(『Glee/グリー』)
© 2012 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.
ケリー・プレストン(左はジョン・トラヴォルタ)
© Maurice Cleements
アラン・パーカー監督
© AVTA/FAMOUS
ウィルフォード・ブリムリー(『頑固じいさん孫3人』)
© NBC Universal, Inc.
ケヴィン・ドブソン(『刑事コジャック』)
© 1974 Universal City Studios, Inc. All Rights Reserved.
ダイアナ・リグ(『ゲーム・オブ・スローンズ』)
© 2020 Home Box Office, Inc. All rights reserved. HBO ® and related channels and service marks are the property of Home Box Office, Inc.
ショーン・コネリー
© CHRIS BLACK/FAMOUS
ジョン・ル・カレ(左はゲイリー・オールドマン)
© JMVM/FAMOUS