『羊たちの沈黙』ドラマ版、アンチヒーローストーリーに!?主人公クラリスはどのように描かれるのか分析

トマス・ハリスの小説に登場する連続殺人鬼ハンニバル・レクターを主人公にした1991年公開の映画『羊たちの沈黙』。現在、その1年後を描く新作ドラマ『Clarice(原題)』の製作が進められているが、どのようにFBI捜査官のクラリス・スターリングが描かれるのか、米Screen Rantが分析しているので紹介したい。

『Clarice』は、1993年のワシントンD.C.を舞台に、クラリスが首都に蔓延する政治的な風土や背景に対処しながら連続殺人鬼を追う姿が描かれる。またドラマ版では、オリジナル映画であまり触れられていなかった、彼女の私生活にもスポットライトが当てられるという。

『羊たちの沈黙』で、クラリス(ジョディ・フォスター)はバッファロー・ビルと呼ばれる連続殺人鬼の犯人像に迫るため、服役中のハンニバル(アンソニー・ホプキンス)にプロファイリングの協力を求める。ハンニバルはクラリスに子ども時代に体験したトラウマを告白すれば、その見返りとして手を貸すと約束。こうして、クラリスは自分の過去を語るうちに抑圧されていた記憶が甦り、自分の心の闇と向き合わざるを得なくなった。

また、犯人像を分析するために一緒に時間を過ごすようになった博士とクラリスの間には、恋愛感情に似たような禁断の信頼関係が芽生え、法を司る機関に勤める者として、クラリスはモラル的に非常にグレーな領域に足を踏み込んだとも言える。そんな複雑な子ども時代を体験し、自身の心の闇を向き合ったクラリスは、果たしてFBI捜査官として現場に復帰する心の準備ができているのだろうか?

Screen Rantはそういった点を踏まえ、映画の1年後を描く『Clarice』では、クラリスがダークサイドに転じてもおかしくないアンチヒーロー的に描かれるのではないかと予想。言ってみれば、米NBCのハンニバルを主人公にした『ハンニバル』で、博士と複雑な関係を築いて精神のバランスを崩していった、異常犯罪の専門家ウィル・グレアム(ヒュー・ダンシー)と類似したスタンスで、クラリスの物語が語られるかもしれないと分析している。

『Clarice』では、『オリジナルズ』や『プリティ・リトル・ライアーズ』などに出演しているレベッカ・ブリーズが主演し、アレックス・カーツマン(『HAWAII FIVE-0』)とジェニー・ルメット(『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』)が製作総指揮を務める。

2021年の注目作品『Clarice』は、米CBS と同局の配信サービス米CBS All Accessにて2月11日(木)にお目見え。(海外ドラマNAVI)

Photo:映画『羊たちの沈黙』Blu-ray発売中(1,905円+税)(C)2014 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. All Rights Reserved. Distributed by Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC.