チェスの世界を描くNetflix『クイーンズ・ギャンビット』。アメリカのレビューサイトRotten Tomatoesでも100パーセントの高評価とともに、Netflixリミテッドシリーズで最高視聴率を獲得し、今年のゴールデン・グローブ賞2部門にもノミネート。そんな大成功を収めた本作の今後について、クリエイターが考えを明かした。米Deadlineが報じている。
冷戦時代を舞台に、児童養護施設でチェスの神童となったベス・ハーモン(アニャ・テイラー=ジョイ)が依存症に苦しみながらも、男性社会であるチェスの世界で最高のプレーヤーになるまでの姿が描かれる『クイーンズ・ギャンビット』。
本作のクリエイター、ウィリアム・ホーバーグ(『THE PROMISE/君への誓い』)は、リミテッドシリーズでありながらも、期待されているシーズン2に関して以下のように述べた。
「登場人物たちともっと長い時間を過ごしたいと思うような作品を人々が愛してくれているとわかるのは素晴らしいことだと思います。私たちは、この作品の終着点は満足のいくものだと感じていましたし、ベス・ハーモンの次の未来という空白は、視聴者の皆さんがご自身で埋めることができるようにしようと思っていました。ファンが私のTwitterのフィードで詳細を欲してましたが、これまでと何も変わっていません。(もう一人のクリエイターの)アラン・スコットと私は、ベスの物語の完成度に本当に満足しているのです」と、期待されていることはわかっていながらも、続編製作は考えていないことを明かした。
そんな本作はゴールデン・グローブ賞のリミテッドシリーズ部門そして、ベスを演じたアニャ・テイラーがリミテッドシリーズ主演女優部門でノミネート。アニャ自身は今回、映画『Emma(原題)』の主演女優賞ミュージカルコメディ部門でもノミネートもされている。
実は、原作小説を映像化にするために、何十年もの歳月がかかっていた。クリエイターのアラン・スコットは30年前から本作に関わり始め、20年前にホーバーグが製作に参加した。映画『コールドマウンテン』や『リプリー』のプロデューサーであるホーバーグは、スコット・フランクがこの小説の映画版に最適な候補者だと考えていた。ホーンバーグが初めてスコット・フランクと出会ったのは、1980年代のパラマウント社での重役時代だったという。
そんな長い月日を経て製作された本作は、長編映画にするために様々な試みが行われた。冷戦時代の若い女流棋士の山あり谷ありの人生とヨーロッパでの撮影費用が映画関係者の幹部には受けなかったのだ。
「市場では、商業的に十分とは見なされませんでした。言うまでもなく、この本を映画化するとスポーツの競技物になってしまいます。映画にしていたら、『クイーンズ・ギャンビット』はこれほど特別なものにはなっていなかったでしょう。ベスというキャラクター、忍耐、青春と感情面での成長。全7話のエピソードを介して、人々の心に共鳴する旅路なのですから」
Netflixオリジナルシリーズ『クイーンズ・ギャンビット』は独占配信中。(海外ドラマNAVI)
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『クイーンズ・ギャンビット』©COURTESY OF NETFLIX