結末がエグすぎる!スティーヴン・キングも絶賛した衝撃小説『瞳の奥に』をNetflixが完全ドラマ化

『ザ・クラウン』のレフト・バンク・ピクチャーズ社と『ハンニバル』シリーズのスティーヴ・ライトフット(製作総指揮・脚本)が仕掛けるNetflixオリジナルドラマ『瞳の奥に』が、2月17日より配信開始した。スティーヴン・キングも絶賛した英国人作家サラ・ピンバラのベストセラー小説を実写化した本作は、ありきたりの結末では終わらない驚天動地の心理スリラー。「不倫がもつれて妻がサイコ化」なんていう定番の愛憎劇を想像している人は脳天チョップ食らいますよ!【ドラマ・レビュー】

診療所の秘書を務めるシングルマザーのルイーズは、既婚の精神科医デヴィッドに心惹かれ、肉体関係を持ってしまう。その一方で、デヴィッドの美しい妻アデルとも、あるアクシデントをきっかけに親密になり、彼に内緒で友人関係を深めていく。夫婦それぞれと関わってしまったルイーズはやがて二人の板挟みとなり、想像を絶する"愛憎"と"悪夢"に苦しめられることになる...。

このドラマのネタバレ・レビューに関しては、ある意味"命取り"と言ってもいいくらい結末がとんでもなくヤバい。それはスティーヴン・キング原作の映画『ミスト』や、ギリアン・フリン原作の映画『ゴーン・ガール』と同様に(内容は全く違うが)、エンディングを迎えてさらに恐怖が倍増するような"後味濃厚"な仕掛けになっているからだ(原作を読まれた方、ドラマを視聴した方はお口チャックをお願いしたい)。

序盤はルイーズとデヴィッド&アデル夫婦とのいびつな三角関係に神経をヒリヒリすり減らされるが、中盤から終盤にかけては急転直下、ホラーの領域に迫る"未体験恐怖"が視聴者を釘付けにする。特にルイーズが毎夜さまよう悪夢の描写は実に秀逸で効果的。ただれた廊下、子どもの鳴き声、こぼれ落ちる薬、のどかな草原、突然現れる白いドア...物語を暗示する重要なシーンでもあるのだが、そのクオリティーの高さは「さすがNetflix!」と言わざるを得ない。

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主演のルイーズ役にはドラマ『キス・ミー・ファースト』『リトル・ドラマー・ガール 愛を演じるスパイ』のシモーナ・ブラウン、デヴィッド役には映画『オリエント急行殺人事件』やドラマ『ジキル&ハイド』のトム・ベイトマン、謎めく美人妻アデル役にはロックバンド・U2のボーカル、ボノの娘で、映画『フッド:ザ・ビギニング』などに出演しているイヴ・ヒューソンがそれぞれ扮しているが、中でもイヴの怪演は"目"を見張るものがある。深い愛情から怒り、悲しみ、憎悪へと崩れ堕ちていく狂気...。"瞳"の表現だけでシーンに大きな意味を持たせ、次の展開を呼び起こす彼女の高次元のパフォーマンスは、紛れもなくこのドラマを成功へと導いている。

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『瞳の奥に』(全6話)はNetflixにて配信中。

(文/坂田正樹)

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Netflixオリジナルドラマ『瞳の奥に』