実はファミリーシットコムではなかった?! 米ABCにて1987年から1995年まで8シーズンにわたり放送された『フルハウス』。放送終了後もファンに愛され続け、2016年からは続編となる『フラーハウス』がNetflixにて配信されていた。まさに、ファミリーシットコムを代表するフランチャイズだが、米Screen Rantによれば、当初は子どもたちの存在がない、全く異なる企画だったという。
『フルハウス』は、妻を亡くしたダニー(ボブ・サゲット)が、3人の娘たちを育てるために義弟のジェシー(ジョン・ステイモス)と親友のジョーイ(デイヴ・クーリエ)と共に生活を始めることから物語が始まった。
ジェシー&ジョーイとの同居は一時的なつもりだったが、ダニーの長女D.J.(キャンディス・キャメロン・ブレ)、次女ステファニー(ジョディ・スウィーティン)、三女ミシェル(アシュリー&メアリー=ケイト・オルセン)が彼らとも実の親子同様に絆を深めたことで、その暮らしは何年間も続くことになる。さらに、ジェシーがダニーの同僚ベッキー(ロリ・ロックリン)と結婚し双子の男の子を授かったことで、シーズン5からはより大きなファミリーの物語が描かれた。
ハートウォーミングな瞬間と現実的な子育ての喜びや苦悩にも向き合った『フルハウス』は、何度でも見返したいホームコメディの一つとなったが、元々、クリエイターのジェフ・フランクリンは"一つ屋根の下で暮らすコメディアン3人のふざけた日常に焦点を当てる"『House of Comics』というタイトルの企画をABCに売り込んだのだという。しかし、ABCは『ファミリー・タイズ』や『ビル・コスビー・ショー』のような家族向けのショーに興味があったため、フランクリンは『フルハウス』のアイデアを書いたのだという。
お気づきかもしれないが、フランクリンはジョーイにスタンダップコメディアンという役割を与えることで、当初のアイデアも生かしている。また、ボブとデイヴは実際にスタンダップコメディアンとして活動していたことがあり、その経験が彼らのキャスティングに影響した可能性もあるかもしれない。また、ジェシー役のジョンがロックバンド、ビーチボーイズの大ファンだったこともあり、バンドのカメオ出演も実現した。そして何より、幼い子どもたちが大人たちの愛情を一身に受けて成長していく姿が、シリーズの宝物になった。
当時の『フルハウス』は必ずしも初めから爆発的にヒットしたとは言えなかったかもしれないが、ファミリー向けのストーリーで視聴者と繋がることで高評価を得られると証明した。(海外ドラマNAVI)
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