オカルト&ヤングパワー全開!"シャーロック・ホームズ"シリーズの新たな世界観を提示した『ベイカー街探偵団』

小説『シャーロック・ホームズ』シリーズに登場するストリート・チルドレンたちによって編成された"ベイカー街遊撃隊"の活躍を描くNetflixオリジナルシリーズ『ベイカー街探偵団』。昨年、映画『エノーラ・ホームズの事件簿』が大きな注目を集めただけに、期待値はもう上がりまくり! いざ蓋を開けてみたら、これがまた、想像を遥かに超えるオカルトパワー全開のチャレンジングな作品だった。【ドラマ・レビュー】

舞台は、ヴィクトリア朝時代のロンドン。ドクター・ワトソンと謎めく相棒シャーロック・ホームズの依頼を受け、社会から見捨てられた少年少女たち(+好奇心旺盛な殿下)が不可解な犯罪とその影に潜む恐ろしい超常現象に立ち向かう。

ファンにはおなじみの下宿先"ベイカー街221B"は、ほぼイメージ通りのテイストで登場するが、今回、脇に回るシャーロック&ワトソンのキャラクター設定がなかなか衝撃的だ。髭を蓄えたスマートな出立ちの紳士だが、どこか追い込まれた深刻な表情が気になるワトソン。そして、ここではあえてタネ明かしはしないが、ショッキングなほど変わり果てた姿で登場するシャーロック...。彼らに何があったのか?

当初、「多忙だから誘拐事件の捜査を手伝ってくれ」「お前たちにしか潜入できない区域がある」「金が必要だろ?」などともっともらしい理由で少年少女を勧誘していたが、実はもっと深刻な事態が起きていたのだ。

"闇の悪魔"がロンドンに入り込んだ!

もはやオカルトの世界、自分たちでは手に負えなくなったワトソンとシャーロックは、藁をもすがる思いで少年少女に仕事を依頼したのだ。なぜなら、その一団の中に、超能力を持つ少女がいたからだ。その子の名はジェシー。病弱な彼女はしっかり者の姉ビーに守られながら、なんとか生き延びていたが、毎夜、不思議な悪夢に苦しめられていた。だがある時から、現実と悪夢が交錯し始め、やがて相手の心に侵入できる能力が自分にあることを知る(注意:この悪夢描写がなかなかエグい!)。

ここまではほんの入り口、超能力を持つジェシーとリーダーのビー姉妹を中心に、どんな壮絶な戦いが待っているのか―。『ストレンジャー・シングス 未知の世界』や映画『IT/イット』シリーズに通じるハラハラ、ドキドキの青春スリラー、そんなイメージで入っていただくと楽しめるかも。ちなみに伊藤沙莉系(主観です)のザディア・グラハム演じるビーをめぐって、幼なじみのビリーと、反抗期のイケメン殿下レオがしのぎを削る"三角関係"の行方もプチ楽しみ。

『ベイカー街探偵団』(全8話)はNetflixにて配信中。

(文/坂田正樹)

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Netflix『ベイカー街探偵団』