こがけん、丸屋九兵衛らが出演!『チャペルウェイト 呪われた系譜』特別番組の放送が決定

オスカー俳優エイドリアン・ブロディ主演&製作総指揮、スティーヴン・キングの小説に基づいたドラマ『チャペルウェイト 呪われた系譜』(全10話)が、12月1日(水)よりスターチャンネルEX -DRAMA & CLASSICS-にて配信スタートとなる。そしてこの度、本作の魅力を深堀する特別番組「ホラー好き大注目!海外ドラマ『チャペルウェイト 呪われた系譜』徹底ガイド」の放送も決定。この記事では、番組の概要と出演者へのインタビューを紹介する。

『チャペルウェイト 呪われた系譜』は、幼い頃に父親に殺されかけたトラウマに苦しむ主人公が、親族の屋敷を相続したことで一族の秘密を知り、代々受け継がれた呪いから家族を解放するため戦う様を描いたゴシックホラー。

今回放送が決定した全4回の「ホラー好き大注目!海外ドラマ『チャペルウェイト 呪われた系譜』徹底ガイド」では、お笑い芸人のこがけん、キング作品を多く翻訳した風間賢二、万物評論家の丸屋九兵衛、ライターの森瀬繚、映画パーソナリティの伊藤さとりらが集い、作品の魅力について余すとこなく語りつくしている。第1回は本作を観る前、2回目は1話、3回目は5話まで、4回目は全話観た人向けの、作品を観ながら合間に楽しめる内容となっている。それぞれが持つ独自の視点からの鋭い指摘から少し脱線した面白トークまで、これを観れば作品をもっと楽しめること間違いなしの特別番組だ。

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そんな本番組収録後のこがけんと丸屋九兵衛に話を聞いた。

――収録を終えての感想は?

こがけん:丸屋さんが色々語ってくれたのですが、大分雑にあしらったので内心怒っていないかは気になっていますね。

丸屋:今のコメントをちゃんと翻訳すると、ドラマ以外の事をたくさん語ってしまってどないしてくれんねんって意味だと思います。

こがけん:あれは丸屋さんの持ち味ですからね。でも、1発とんでもないハードパンチを決めていたので。

丸屋:(子供たちに対する)レイシズムが現代のアメリカを描いているんじゃないかってところですかね。

こがけん:それ以外は尺を使って全然違う事を話してしまうので。チーズの本の話をし出した時はほんとにもう...

丸屋:そして、Maggot(ウジ虫)治療ね!

こがけん:もういいよ!

丸屋:今回Maggot(ウジ虫)っていいながらドラマに出てきたのはWorm(虫、ミミズ)だったもんね!

こがけん:僕も気になっていたところでした。ウジ虫だけじゃないなって!今回の収録、僕は基本的に面白かったです。MCも任されたのでこういう風に言っていますけど、そうでなければ「面白い話ですね」って丸屋さんのお話を聞いていますから。そういう役回りだったと思ってください。

――本作の中で、怖いな、秀逸な演出だな、など大きく心が動いたシーンは?

こがけん:ホラーって、様々な手法を使ってあらゆるストレスを人に与えると思っています。キングは他の作品でも描いていますが、本作では呪い的怖さ、化け物が出てくるような怖さより、自分が受ける疎外感・恐怖を描いていて、その辺りが非常に繊細で上手く演出されているなと思いました。

丸屋:秀逸でいうと、今回10話のドラマになっていますが原作はキングの短編。で、その短編はクトゥルフ神話から持って来ている部分が多々あり、そのクトゥルフ神話はハワード・フィリップス・ラヴクラフトが書いたものだけれども、実はラヴクラフトがロバート・ブロックという人の作品から引用した部分が例のウジ虫のシーンだったりして。もう、引用の引用の引用のドラマ化みたいなものなんです。孫引きどころではなくひ孫引きみたいな引用の世界です。これはヒップホップ信者としても言いたいのですが...

こがけん:サンプリングですか。

丸屋:YES!すべての創作は2次創作ということでもあります。だから、このドラマもとても秀逸だけれども、結局元は、引用に引用を重ねたもの。でもそれは何がサンプリングされているのかを突き止めるのが現代の鑑賞者にとっては醍醐味でもあって。

――本作は人間ドラマとしての作品でもあるし、社会派の作品でもありますよね。今このタイミングで私たちが本作を観る意味があると思います。ホラー以外のドラマ性は、どこに感じますか。

丸屋:プリーチャーズコーナーという街では一見すると疫病のようなものが流行っていて、それをもたらしたとされるブーン家という家族が居て、子供たちは全員アジア系なんです。であるが故に、アジア系の人が病気を持ってきたとされて疎まれるんです。まさに今、コロナ時代のアメリカの写し絵そのものなんじゃないかと。キング自身そこは考えずに作ったと思いますが、映像化して2020、2021年に出てきたのは素晴らしいと思います。

こがけん:完全にアップデートされていますよね。そういう差別みたいなものをホラーや恐ろしい者の存在、見えないものやファンタジーに乗せていますけど、結局本質はレイシストや差別など、ずっと変わらずあるものをテーマにしている。意外とこの作品は普遍的な作品だと思います。

――お気に入りの登場人物、注目ポイントは?

こがけん:保安官ですね。

丸屋:我々は"ミスターもみあげ"と呼んでいますけどね。

こがけん:チャールズ一家がチャペルウェイトに来て、街の人達に疎ましく思われている時に、そういうのを感じつつも保安官として中立にあろうとする人です。一番絶妙に繊細な立ち位置なんです。この人がどう振舞うかによって内容も大きく変わってくると思うので物語の大事なポイントだなと。あと単純に見た目が良いです!

丸屋:私が惹かれるのは子どもたち3人です。海の上で生まれ育って、初めて陸に来て、そこで突然疎まれる。ホームって言われてもそこは自分の家じゃない、家とは思えない!そんな葛藤がとても良いと思います。

――これまで様々なキングの原作が映像化されていて、本人が良しとしなくても評価を受けた映画もあります。お二人も沢山観てきたかと思いますが、キング作品と映像化についての関係をどう思われますか。

こがけん:「It」の小説を読んだときに見開きで上下の4段の列を使って、ある墓がどういう墓かという事だけを説明していたんですよ。だから細部にこだわる人というイメージがあります。映像化するときにも細部に拘らなくてはという点では、本作はめちゃくちゃ技術や音楽に拘っているなと思いました。だから没入して抜け出せない恐怖はありました。

丸屋:原作が映像化されているという意味ではもしかしたらナンバーワンなんじゃないかと思います。

――キングの緻密な描写をどう解釈するかというのは作り手によってかなり違うのかもしれないですね。

こがけん:そうですね。風間さんも言っていましたけど、だからといってキングがOKを出したものが面白いとは限らないですよね。原作と照らし合わせた時に、ぶっ飛んだ解釈で作っても、キングが面白いじゃんと思ったら結局本人が認めた作品になるし。でもそれがめちゃくちゃ面白いかって言ったらそうでもないし。『シャイニング』も面白いですからね。本人はすごく納得いっていませんけどね。

丸屋:スティーヴン・キング承認と、原作再現度と、我々の満足度はそれぞれ全て違うわけですよ。

――本作に独自のキャッチコピーをつけて友人にお勧めするなら?

丸屋:「ウジ虫の降臨を目撃せよ!」ウジ虫でもないし降臨もしないけど!

こがけん:じゃあ僕は、「もう引っ越ししたいとは言わせない」

――視聴者の皆さまに一言。

こがけん:ひとつ言えるのが、この話、最初はじっくりと低温でコトコトと火を通してくるんですよ。ただ後半にかけての畳みかけ方が素晴らしく盛り上がっていくので途中で挫折しようものなら、めちゃくちゃ損だと思います。最後まで観て下さい。

丸屋:それをキャッチコピーにすると「前半の緩やかさに騙されるな!」です。何も起こらないのかなと思うんですけど、何も起こらないのが怖いんですよ。

こがけん:リンゴのコンフォートを作るぐらい弱火なんです。でもそれはしっかり美味しい。あ、それにリンゴだ。リンゴも大分キーワードになってきます。

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放送情報

ホラー好き大注目!海外ドラマ『チャペルウェイト 呪われた系譜』徹底ガイド(全4回)
※第2回目以降は本編のネタバレが含まれます。

<配信>
Amazon Prime Video チャンネル「スターチャンネルEX -DRAMA & CLASSICS-」
12月1日(水)より第1話配信
※12月24日(金)より全話配信

<放送>
BS10 スターチャンネル
12月14日(火) 他

『チャペルウェイト 呪われた系譜』(全10話)
<配信>
Amazon Prime Video チャンネル「スターチャンネルEX -DRAMA & CLASSICS-」
字幕版/吹替版:12月1日(水)より配信開始
※12月24日(金)より全話配信開始

<放送>
BS10 スターチャンネル
【STAR1 字幕版】 12月21日(火)23:00より放送開始
※12月19日(日)17:00より第1話先行無料放送
【STAR3 吹替版】 12月24日(金)22:00より放送開始

(海外ドラマNAVI)

Photo:

「ホラー好き大注目!海外ドラマ『チャペルウェイト 呪われた系譜』徹底ガイド」