『Empire 成功の代償』ジャマル・ライオン役のジャシー・スモレット、5件で有罪判決

米FOXの『Empire 成功の代償』でメインキャラクターの一人ジャマル・ライオンを演じたジャシー・スモレットが2019年に起きたヘイトクライム捏造疑惑で、罪に問われていたが、この度5件の重罪で有罪判決が出されたとTV Lineが伝えている。

事の発端は2019年1月、『Empire 成功の代償』を撮影しているシカゴのスタジオに、同性愛嫌悪と人種差別的な内容が書かれた脅迫状がジャシー宛に届いたといわれる数日後の1月29日。深夜、シカゴ市内を歩いていたところを二人組の男に襲われたと通報したジェシー。大声での中傷に加えて首の周りをロープのようなもので巻かれ、さらに謎の化学物質をかけられたと主張していた。

その後、捜査によって一連の通報はジャシーによる偽装であることが判明。シカゴ警察署長は動機について、当時ジャシーは『Empire 成功の代償』の給与や方針に不満を抱いていたからだと説明。とある兄弟に頼み、仕組まれた犯行であると結論づけられた。その後、ジャシーは1万ドル(約110万円)の罰金と地域奉仕活動と引き換えに不起訴となり解決済みとなったはずだったが、本件を再捜査するよう、元連邦検事のダン・ウェッブ特別検察官が任命され、2020年2月、警察への虚偽通報を含む6つの罪状で訴追。

11月29日から裁判が行われ、今月8日、陪審団による9時間に及ぶ審議の後、5件に有罪判決が下された。審議の過程では、証人として出廷した兄弟に弁護人がジャシーとの交際歴について尋ねたりする場面もあり、注目が集まっていた。量刑はまだ言い渡されていないが、最大で3年の禁固刑になる可能性がある。

昨年春にファイナルシーズンであるシーズン6が放送された『Empire 成功の代償』。そこにジャシーの姿はなかった。ジャシー演じたジャマルの父親役テレンス・ハワード、母親役のタラジ・P・ヘンソンら共演者たちは、FOXとディズニーの上層部に宛てて、ジャシーを新シーズンに続投させてほしいと懇願する要望書を提出していたが、残念ながらその思いはかなえられなかった。

米FOXエンターテイメントのマイケル・ソーン社長は、「ジャシーをとりまく、議論の余地がある問題が作品に影を落とさないことこそ、私たちの願いです」と彼一人ではなく、作品そのもの、そして作品に関わるすべての人を守りたいという意思をみせていた。(海外ドラマNAVI)

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ジャシー・スモレット(C)NYNR/FAMOUS