北条司による1980年代のカルト的名作漫画を原案としたフランス発の実写ドラマ『キャッツ・アイ』が、現地で絶大な支持を集めている。本作は、失踪した父親が残した美術コレクションを取り戻すため、壮大なアート盗み出し計画に挑む三姉妹を描いたサスペンス・エンターテインメント。仏放送局TF1が手がける本作は、シーズン1の好調な視聴率に続き、早くもシーズン2の放送へ向け加速している。
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フランス発の実写版『キャッツ・アイ』が世界を席巻
原作の漫画「キャッツ・アイ」では東京を舞台に怪盗劇が繰り広げられたが、実写ドラマのシーズン1(全8話)では、エッフェル塔やルーヴル美術館、ヴェルサイユ宮殿といったパリの世界的ランドマークが舞台となった。シーズン1は平均530万人という驚異的な視聴者数を記録し、特に15歳から24歳の層で平均41%のシェアを獲得するなど、若い世代を中心に熱狂的な支持を獲得。世界100以上の地域に販売され、全米ではHuluが放映権を獲得した。
シーズン2ではさらにスケールアップし、世界遺産モン・サン・ミッシェルでのスリリングなミッションで幕を開ける。オルセー美術館、ポンピドゥー・センター、モンパルナスタワーなど名所が目白押しだ。三姉妹を演じるのは、カミーユ・ルー(『クリスマス・フロー』)、コンスタンス・ラベ(『バルタザール 法医学者捜査ファイル』)、クレール・ロマン(『アガサ・クリスティーの謎解きゲーム』)。制作はパリを拠点とするビッグ・バンド・ストーリーが担当し、10月12日からシーズン2の放送が開始される。
5年をかけた原作権利の交渉と「原作の精神」
プロデューサーを務めるベンジャミン・デュポン=ジュビアンとメディ・サバールは、自らも1980年代から90年代のフランスにおける「マンガブーム」の中で育った大の日本マンガファンだという。サバールは「子どもの頃にアニメ版を見て育ち、三姉妹が父親を探すために盗みを働くというストーリーはフランスにも非常にマッチすると確信していた」と明かす。
しかし、原作権の獲得は容易ではなかった。2018年に交渉を開始したものの、パンデミックの影響や、原作者である北条への細やかな提案プロセスを経て、契約成立までに5年もの歳月を要した。デュポン=ジュビアンは「日本の権利元にとって信頼関係は最優先事項。私たちの制作実績や作品のクオリティ、約束を守る姿勢を厳しく見極められた」と振り返る。ヴェルサイユ宮殿やルーヴル美術館での撮影許可書を提出するなど、本気度を示し続けたという。
北条側が求めたのは、ストーリーの完全な再現ではなく「作品の精神とキャラクター像」を損なわないことだった。サバールはこう語る。「キャッツ・アイのメンバーは決して人を殺さないし、単なる犯罪者や強盗でもない。父親の絵画は盗むが、金を求めて銀行を襲うようなことはしない。そうした精神を尊重することが不可欠だった」
映画並みのスケールとアクションへの挑戦
本作は、約2,500万ユーロ(約40億円)という巨額の制作費が投じられ、ドイツのZDFやディズニー・フランスも協賛・共同制作として参画している。メガホンをとったのは、ドラマ『彼女たちの戦火』などで知られるアレクサンドル・ロラン監督だ。
ローレントは、脚本を初めて読んだ際の衝撃を次のように語る。「目の前にエッフェル塔が見える場所でオーディションの合間に脚本をめくっていたら、『待てよ、エッフェル塔で撮影するのか?』と驚いた。他のプロデューサーもこのチャンスを逃す手はないと背中を押してくれたんだ」。
シーズン1で壮絶なアクション撮影の経験を積んだアレクサンダーは、シーズン2ではより余裕を持って撮影に臨めたという。「一度アクションのノウハウを掴んだことで、トーンの自由度が増した。シーズン1では原作ファンを裏切らないか慎重になっていたが、北条氏がシーズン1を気に入ってくれたことで自信がつき、より自分らしい演出を盛り込むことができた」と手ごたえを口にする。
現在、『キャッツ・アイ』の国際的な広がりは止まらない。Disney+が欧州・中東・アフリカ地域でのシーズン1配信権を獲得したほか、シーズン2もイタリアのRaiなど各国局へ事前販売されている。デュポン=ジュビアンは「『Lupin/ルパン』や『エミリー、パリへ行く』のようなポップでユニークな要素と華やかなロケーションが揃っている。世界中で愛される要素は完璧に詰まっている」と自信をのぞかせた。
フランス実写ドラマ版『キャッツ・アイ』はPrime Videoで配信中。(海外ドラマNAVI)








