ウェスタロスという架空の大陸を舞台に、“鉄の玉座”をめぐる壮絶な戦いを描いた大ヒットドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』。そのおよそ100年前の時代を生きた騎士ダンクと従士の少年エッグの旅を描くスピンオフ『ナイト・オブ・ザ・セブン・キングダムズ』がU-NEXTで独占配信中だ。
“最後のドラゴン”の記憶が人々の心に生々しく残る七王国。本作は『ゲーム・オブ・スローンズ』未視聴の観客でも楽しめる独立した物語だが、第2話「硬い塩漬け肉」では、シリーズの象徴ともいえるあの名家がついに姿を現す。
第一話のレビューはこちらより。
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【ネタバレ】『ゲーム・オブ・スローンズ』未視聴でも楽しめる!『ナイト・オブ・ザ・セブン・キングダムズ』第1話レビュー
ウェスタロスという架空の大陸を舞台に、“鉄の玉座”をめぐる壮 …
亡き師の足跡と、空気が読めない長身のダンク
物語は、ダンクの恩師であるサー・アーランとの回想から幕を開ける。富や名声を追わずに人々の助けとなる騎士だった彼の過去をタイレル公に伝えたダンク。だが、そんな男は全く覚えていないと言われる。エッグは「(サー・アーランは)ダメ騎士だった?」と聞き、その上「タイレルの尻を槍でついてやればいい」とダンクに言う。小さいながらにも口が達者で賢い子どもだ。
そんな中、ついにあの鉄の王座の後継者、ベイラー・ターガリエン、そして弟のメイカー・ターガリエンが黒い馬に乗って登場。田舎から出てきたダンクにとっては全てが驚きと初体験の連続で、心の赴くまま行動し、結果ターガリエン一家の談話会場にこっそり入ってしまう。そこで、メイカーの息子であるデイロンとエイゴンが行方不明でまだこの地に到着していないことを知る。だが盗み聞きをしていたダンクは見つかってしまう。謝罪をしつつも、そして試合に出るためサー・アーランのことを覚えており、身元保証になってくれる人を探している旨をターガリエン一族に恐る恐る告げる。すると意外なことにベイラーがサー・アーランのことを覚えていたのだ。16年も前の試合でデイモン・ラニスターを落馬させた時のことを。

ベイラーは登場した時からの口調といい、いわゆる皆が崇める立派な騎士の雰囲気が漂わせていたが、ここにきてダンクの試合参加を許可する貴重な人物にもなった。だが去り際、息子の安否を心配していたメイカーに「(息子さんが)死んでいないことを祈っています」と言う。ダンクは完全に空気が読めない、気が利かない大男であることを印象付けていく。
孤独な夜に灯る「静かな闘志」
物語の合間を縫って描かれる、人形遣いとの淡い交流も印象的だ。タンセルと挨拶をし、盾に絵を描いてもらう仕事を依頼をするダンク。その会話も全く弾まず、エッグが間を取り持つようなシーンも。そしてタンセルと上手く話せなかったことを、子どものエッグに相談し、「(二人とも)長身だ」と共通点があることで励まされる。そんなたわいな会話の延長で、エッグは小さいことを、ダンクはバカだと言われ続けていたというお互いの悩みを打ち明ける。だがお互い何もその悩みに対する解決策が浮かばないのが、この二人のコンビの面白いところだ。そしてパーティー大好き人間ライオネルに綱引きの試合に誘われ勝ち、力があるところを見せつけ皆と少しずつまた交流を深めていく。

夜。鎧も槍も金もないダンクは、サー・アーランが乗っていた白い愛馬を売り、試合に必要なものを手にいれる。そして試合の参加者たちが集まる合図が。ベイラーの息子であるヴァラー王子を見て、“(彼が)本命だろうな”と言うダンクだが、そう言う点では人を見る点があるのかと少し驚くシーンだ。そしてなぜかエッグは国や家系、人物に関してもかなり情報通だ。激しい槍の応戦と落馬も続く暗闇での試合。戦いに熱狂し叫ぶ観客。騎士として戦う皆の姿を目を見開き静かに見つめるダンク。その目はおどおどしているように見える。試合後、野営地でエッグから「どうかしましたか」と聞かれ、“サー・アーランは酒も女遊びもし、友達も一人もおらず保護闘士にもなれなかったが、自分を家族のように扱ってくれた”とエッグに告げる。過酷な試合を目の当たりにして出場を断念するのかと思いきや、「俺は銅貨の木のサー・アーランの遺産だ。明日みんなに彼が遺したものを見せてやる」とエッグに告げる。ダンクの背後で燃え盛る焚き火の炎が、まるで彼の静かな闘志を表しているかのようだった。
本家を彷彿とさせる迫力と、期待される初陣
第2話ではついにあのドラゴンを操るターガリエン家が登場。
名前だけ出てきて登場していないキャラクターもいるが、玉座の後継者、ベイラーは話のわかる優秀な統治者、そして弟のメイカーは偉そうなタイプであるのがわかる。また銀色のショートヘアでいかにも生意気な感じでダンクに接していた男もメイカーと同じ部類だろう。
ダンクは相変わらず常に不安そうな顔をしており、目が泳いでいることが多い。演技としては素晴らしいものだと思う。エッグよりも笑った時など子どものような表情を見せることも多く、やはり彼には庶民派の“草臥しの騎士”の素質が十分にあるのが今回もよく伝わった。特に、前回「長身」と言われたことで自分の名前にすぐ取り入れたように、タンセルに盾の絵の依頼をした際、恩師が好きだった夕焼けだけでなく、エッグが1話目で語った幸運の流れ星も描いてほしいと伝えるダンク。彼が年齢など関係なく人を信じ、大切にしている人間だと言うことことが上手く描写されていた。
また、最後のシーンの試合にかける決意は意外だった。だがエッグに語っているようで、実は怯えている自分自身を鼓舞しているかのようにも見えた。2話目にして、“これはやはり『ゲーム・オブ・スローンズ』!”と思えるような迫力のある試合のアクションシーンが見られたのは良かったが、ダンクが出場する時にはさらに激しくなるだろうと期待大だ。次回、ダンクは初めて見せる鎧姿でいよいよ試合に出るのだろうか。
『ナイト・オブ・ザ・セブン・キングダムズ』シーズン1はU-NEXTで独占配信中。毎週一話ずつ配信となる。杉田智和&釘宮理恵による吹替版は、2月23日(月・祝)に全6話が一挙配信。
(文/Erina Austen)






